災害のライフラインとしてのTwitter

災害のライフラインとしてのTwitter 2011年3月14日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

マグニチュード9.0という、世界でも最大級(過去計測された地震では世界第五位の規模とされている)の地震が発生した。日本国内では、少なくとも過去400年間に起きた震災の中でももっとも大きいという。

都内にあっても、携帯電話はほとんどつながらなくなり、電力不足によって交通手段にも大きな麻痺が起きている。高層マンションにあっては電気が止まれば水道も使えない場合が多く、直接的な被害が少ない東京であってさえ、とにかく数週間から数カ月にわたって、さまざまな不都合や不自由に直面することになる。天災とはまことに恐ろしい。

世界中で何らかの事件が起こるたびにコミュニケーションのライフラインとしてTwitterが脚光を浴びることになったことは周知のことと思う。

米国のハドソン川に飛行機が不時着した際に、災害を世界に伝える写真の最初の1枚が公開されたのは、iPhoneによって撮影されアップロードされたTwitter経由のものだった。今回の東北地方太平洋沖地震にあっても、多くの情報がTwitterを 経由して伝達された。その中には心ないユーザーによって多くのデマが流布され、情報を混乱させたのも事実だが、それをもってTwitterの貢献度を減じさせることはできない。タイムラインをまさに滝のように流れていく多くのユーザーたちの声を不安の中で唯一の頼みとした人も少なくないはずだ。

Twitterはよく落ちることでも有名(?)だが、チュニジアやエジプトの革命をはじめ、最近では世界の注目を集める大きな事変が数多く発生しており、それらの状況をリアルタイムで伝える命綱としての自覚が彼らにはあるのだろう。今回の震災でも落ちることなくわれわれの情報源としての役割を果たし抜いた。

今後、日本国内でも、Twitterの価値を公式に認め、デマに踊らされない、正確な情報発信ルートとして活用するためのプロトコルを話し合うべきではないだろうか。



Twitter




【お知らせ】MdN Design Interactiveでは、東北関東大震災(東北地方太平洋沖地震)関連のニュースを随時お伝えしています。
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)関連ニュース記事
URL:http://www.mdn.co.jp/di/newstopics/17503/



■著者の最近の記事

iPad 2に見るアップルのタブレット戦略
28%の会社がFacebookページをもっている事実
Twitterのマネタイズ戦略の迷走
「Facebookページ」に変わったFacebookファンページの利用方法の変化
mixiがFacebookに対抗するために必要なたったひとつのこと
Facebookとソーシャルメディアマーケティングの歴史的大成功例との関係
Facebook初代社長ショーン・パーカーの事実




[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
twitter:http://www.twitter.com/ogawakazuhiro
facebook:http://www.facebook.com/ogawakazuhiro

MdN DIのトップぺージ