オバマ大統領はソーシャルメディアマーケティングで再び奇跡を起こすのか(後編)

オバマ大統領はソーシャルメディアマーケティングで再び奇跡を起こすのか(後編) 2011年4月18日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)

※本記事は「オバマ大統領はソーシャルメディアマーケティングで再び奇跡を起こすのか(前編)」のつづきになります。前編をお読みでない方は、前編からお読みください。

僕はチュニジアに始まったジャスミン革命の発端は、このオバマ陣営の選挙戦の成功にある、と考えている(なお、ジャスミンはチュニジアの国花であることから、その名前がついた)。

ジャスミン革命が、革命の主導者像がはっきりしないまま各地に飛び火し、一気に政権崩壊に追い込むパワーを見せたのは、Facebookを中心としたソーシャルメディアがクチコミ拡散のプラットフォームの役割を果たしたからだ。オバマ陣営が政治の場でソーシャルメディアマーケティングが有効であると証明したからこそ、民衆はソーシャルメディア上の反体制的言動の急激な高まりをすなおに受け入れた。

2008年の米国大統領選において、オバマ陣営はFacebookをはじめMySpace、Twitter、ブログといったさまざまなソーシャルメディアを活用してコミュニティをつくり上げると同時に、YouTubeやUstreamなどの動画共有サイトによって低コストで大量の動画メッセージを伝搬させた。その集約機能をMyBOに持たせていたが、今回のOBAMA2012ではいまのところ、支援者とのネットワーク基盤はFacebookに一本化しているように見える。いまや米国市民のふたりにひとりがFacebookユーザーである現状を冷静に考えたうえでの選択と思われるが、もし現在やや劣勢を報じられるオバマ陣営が再選を果たすことになれば、今後のソーシャルメディアマーケティングの基本戦略は、以下のような構図に落ち着くことになるだろう。

・Facebookのソーシャルグラフに個人情報を集約させることで開発コストを下げたブランドポータルの公開
・Facebookページとプラグインを活用した潜在顧客とのネットワーク構築
・Twitterはクチコミ拡散用の、双方向性のある告知機能として利用
・YouTubeを使った動画による訪問者サポートや必要メッセージの告知



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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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