UI/UX?そんなものを気にするのは金輪際やめておけ

UI/UX?そんなものを気にするのは金輪際やめておけ


(C)Background 写真 Creativeart - Freepik.comによるデザイン

2016年8月22日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)

Webメディアを作成し、運営していく上で、重要な要素はサイトデザインである。
果たしてこれは正解か?

答えはNOだ。少なくとも2016年において、Webメディアのサイトデザインの型はほぼ決まっており、デザイナーが余計な工夫を施す余地はないし、そもそもその必要は無い。むしろ僕なら余計なことをするなという。巷ではUI/UXという言葉があり、ユーザーインターフェイス(利用方法・操作方法)とユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)に対して相当のコストをかける向きがあるが、とにかく企画し作成する対象がWebメディアであるかぎり、とかく余計なことをするな考えるな、と言うほかない。

それはなぜか。モバイルインターネット全盛時代において、Webサイト全体の設計やデザインは重要でないからである。狭い画面で複雑なデザインは鬱陶しいだけ。重要な事はどんなコンテンツを提供するかであり、そのコンテンツを如何に見やすくするか、だけを考えるべきなのだ。

スマートフォン時代において、大多数の消費者はSNS(FacebookやInstagram、Twitter、またはLINEなどのメッセンジャーサービス)を最重要視しているが、基本的にこれらのSNSのUI/UXはほとんど同じだと言える。なるべく画像や動画を大きく見せ、コンテンツの中身を一覧できるようになっており、それらが縦に流れるように続いていくタイムラインもしくはストリーム構造と言える形だ。

我々がすべきことは、一般の消費者が慣れている構造を取り入れることであり、それ以外の新しい試みをWebメディア設計者はすべきでない。

大事なことはサイトをデザインすることではなく、受け入れられるコンテンツを作ることだし、コンテンツを消費してもらう工夫をすることなのである。

サイトを作ることにコストをかける時代は終わった。さらに言えばWebページを作ることにコストをかける時代も終わっている。コストをかけるべきはコンテンツだ。
努々(ゆめゆめ)忘れないでほしい。

ページを作る、のではなく、コンテンツを作る。このことは、PVに代わるCVという概念を一般化しようとしている。Webメディアにおける最大の成果指標であるPVを置き換えるCVについて、次回解説してみたい。


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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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