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「DVD『ヘルベチカ~世界を魅了する書体~』発売」 - MdN Design Interactive

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「DVD『ヘルベチカ~世界を魅了する書体~』発売」
2008年10月7日

TEXT:蜂賀 亨
(クリエイティブディレクター/エディター)



人に歴史があるように、フォントにも歴史がある。1957年、スイスのハース鋳造所でエドワード・ホフマンとマックス・ミーディンガーによって「ヘルベチカ」がデザインされたのは、いまからちょうど51年前。当初「ノイエ・ハース・グロテスク」と呼ばれていたが、諸事情から1960年に改名され、現在のヘルベチカになった。

当時の日本といえば、長島茂雄の巨人入団が決まり、コカ・コーラの製造が開始された年。ヘルベチカは60年代から70年代にかけて世界で最も使用されるフォントになり、現在でも世界中のありとあらゆるところで使われている。半世紀前というのは長い歴史からみればごくわずかな期間といってもいいが、50年以上もの間デザイナーたちに愛され続け、「困ったときにはヘルベチカを使えば大丈夫」と言われるほど、機能性や美しさを兼ね備えたフォントとしての存在はほかに例を見ない。そのフォルムは50年たったいまでも古さをまったく感じさせないものだ。

たくさんのデザイナーたちに影響を与え、愛されているヘルベチカの生誕50周年を記念したドキュメンタリー映画が昨年アメリカで制作され、海外の主要都市では、スクリーニングやイベントが開催。いくつかの賞も受賞するなど評判になっていたが、その日本版DVD『ヘルベチカ~世界を魅了する書体~』が10月に発売になる(英文タイトルは『Helvetica』だが、日本でのタイトルはこうなる)。フォントに興味がある人、そして、デザインに興味がある人であれば、十分に楽しめる内容になっている。ちなみにこの監督の次回作はインダストリアルデザインをテーマにした『Objectified』という映画で、深澤直人やマーク・ニューソンなどにインタビューしているようだ。

『ヘルベチカ~世界を魅了する書体~』スペシャル・エディション

『ヘルベチカ~世界を魅了する書体~』スペシャル・エディション
2008年10月24日発売 4,935円(税込) 発売:アスミック
(C)2007 Swiss Dots Ltd.



『ヘルベチカ~世界を魅了する書体~』は世界各地の有名なデザイナーや関係者がヘルベチカについて語っているドキュメンタリーで、エリック・シュピーカーマン、マシュー・カーター、ウィム・クロウエル、ネビル・ブロディ、デヴィッド・カーソン、リック・ポイナー、ステファン・サグマイスター、ラース・ミュラーなど、まさにデザイン界のヒーローともいうような豪華なメンバーが登場。いずれもヘルベチカについて語りはじめたら話がつきないような人たちばかりであるため、編集作業の困難さが手に取るように想像できる。

また、このDVDの発売にあわせて、ラフォーレミュージアム原宿でヘルベチカに関する展覧会やトークショーなどが開催されるなど、この秋は日本でもヘルベチカ生誕“51”周年(生誕50周年には1年遅れてしまったが)できっと大いに盛り上がることだろう。

エドワード・ホフマンとマックス・ミーディンガーの2人は、50年後にまさかこんな状況が起きるとはおそらく想像していなかったに違いない。


蜂賀氏近影

[筆者プロフィール]
はちが・とおる●クリエイティブディレクター/エディター。ピエブックスを経て、クリエイターマガジン『+81』を企画/創刊させて11号まで編集長。その後ガスプロジェクトにあわせて、書籍「GAS BOOK」シリーズ、雑誌『Atmospehre』編集長などを担当。現在はフリーとしてグラフィックデザインを中心に企画/ディレクションなどで活動中。
http://www.hachiga.com/






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