終わりのあとの始まり
印刷の魔法をもう一度信じてみる?
同人印刷や印刷通販でできる
特殊な印刷や加工
かつては個人で発注するのが難しかった特殊な印刷や加工も、近年、同人印刷や印刷通販で 気軽に発注できるところが増えてきた。前ページまでの事例でも取り上げたようなオフセット印刷の 延長線上でできるものを中心に、使い方のポイントと実際に発注できる印刷会社を紹介しよう。
●解説:野口尚子[印刷の余白Lab.]
url. yohaku.biz/
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オフセット印刷機で「箔」が転写できる
コールドフォイル
コールドフォイルはオフセット印刷のしくみを使って箔を転写する加工。通常の箔押し(ホットスタンプ)のようなプレス感はなく、「押す」というよりは「刷る」に近い感覚。上から通常のインキで印刷することでカラーメタリックにしたり、箔でグラデーションを作る、疑似エンボスと組み合わせるなど、これまでの箔押しでは難しかった新しい表現ができる。また、どれだけ広い面積で使用してもコストは変わらないため、全体をメタリックにするような贅沢な使い方も可能だ。印刷機にインラインで転写ユニットが付いているものならば、印刷と箔押しの工程を一度に加工できるのも魅力。
■箔でベタ面も網点表現もできる
■箔の上に色を重ねることが可能
印刷の順番は、まず最初に糊を印刷して箔を転写したのち、上からKCMYの順にインキを載せて、最後にニスで表面を保護する。箔の上から色を乗せることで、自由にカラーメタリックが表現できる。ただしあまり濃い色を乗せてしまうと、メタリック感がわかりにくくなってしまうので注意しよう |
■細いラインを表現するのも得意
金属凸版でプレスする箔押しでは潰れてしまうような、非常に細かい部分の箔表現にも適している。0.1mmの線や8Qくらいの小ささの文字でも、ほぼ潰れることなく再現可能。印刷との見当合わせの精度もよいため、版ズレを心配せずにデザインができる |
■4C版とコールドフォイル版のデータを別々に用意
データは印刷部分(左)とコールドフォイルの版(右)を分けて用意する。コールドフォイルに使うデータはグレースケールのみで作成。100%の部分は箔がベタで載り、グレーの部分は網点化される。箔の見え方は印刷する内容によってもケースバイケースなので、まずは本機校正でテストし、ブラッシュアップしよう |
→ コールドフォイル印刷を行えるおもな印刷会社 ●みかんの樹 url. www.mikan-no-ki.com/ |
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本記事は『MdN』2013年12月号(vol.236)からの転載です。
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