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ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ

2023.03.28 Tue

古いテレビでYouTubeやNetflixが見られる、スマホの画面も表示可能な「Chromecast with Google TV」

文:山口真弘

最近のテレビは、AmazonプライムビデオやNetflix、YouTubeといった動画配信サービスを視聴できる機能がデフォルトで搭載されています。既存のテレビ放送動画配信サービスも、シームレスに視聴できる製品は、今後ますます一般的になっていくと考えられます。

こうした機能を持たない古いテレビやPC用ディスプレイでは、動画の受信・再生が可能な小型端末をHDMIポートに接続することで、同等の機能を持たせることができます。今回紹介する「Chromecast with Google TV」は、そうした製品のひとつです。

パッケージには対応動画サービスのロゴが並びます
左上が本体。他にリモコン、ケーブル、電源アダプタなど

本製品はテレビのHDMIポートに差し込む本体とリモコン、さらに本体に給電するためのケーブルおよび電源アダプタなどで構成されています。

本体をHDMIポートに差し込み、リモコンからWi-Fi設定を行えば、すぐに使えるようになります。Wi-Fi設定は、スマホで用いられている設定をそのままコピーすることもできますので、非常に簡単です。なお競合製品に当たるAmazonの「Fire TV Stick」にも言えることですが、Wi-Fiでインターネットに接続するため、Wi-Fiルータは事実上必須です。

テレビとはHDMIで接続します
リモコン。YouTubeとNetflixは専用ボタンを搭載
電源はUSBケーブルを介してコンセントから取ります
テレビのHDMIポートに接続すればセット完了
Wi-Fiまわりのセットアップはスマホから行います
選んだサービスはホーム画面で優先表示されます

さて本製品の機能は、大きく2つに分けられます。ひとつは冒頭にも述べた動画配信サービスの視聴。本製品はYouTubeのほか、NetflixやAmazonプライムビデオといった動画配信サービスにも対応しており、大画面テレビでこれらを視聴できます。リモコン右上にあるボタンを使って音声による検索も行えます。

本製品の競合にあたる製品としては、AmazonのFire TV Stickが挙げられますが、Fire TV Stickの場合、自社サービスであるAmazonプライムビデオがメインで、Netflixなどがサブという扱いなのに対して、本製品は、YouTubeとNetflixが比較的メインという扱いながらも、Amazonプライムビデオなども含めて、どれもが横一線でシームレスに使えるのが特徴です。検索が各サービスを横断して行えるのも、Fire TV Stickにはない利点です。

ホーム画面。視聴可能な動画およびアプリが並びます
観たい動画をアプリから探すには「アプリ」を選択
サービスとしては競合のPrimeビデオにも対応
Netflixも利用できます
中身はほぼAndroidでメニューもよく似ています
設定画面もほぼAndroidそのものです

もうひとつ、便利でユニークな機能としては、Googleのスマホ「Pixel」シリーズの画面を、テレビに表示できることが挙げられます。

一般的に、スマホは外部ディスプレイに接続できるキャスト機能を搭載していますが、そのためには受信側のデバイスがそれらに対応している必要があります。このうちGoogleのPixelシリーズは少々厄介で、Androidではメジャーな規格であるMiracastには対応しておらず、ChromecastというGoogle独自の規格に対応している必要があります。

本製品をテレビに接続しておけば、このChromecastを経由して、Pixelシリーズの画面を、テレビに表示できます。これならば、内蔵する動画視聴機能を使わなくとも、Pixel側で再生中の画面をテレビに表示させられますので、動画配信だけでなく、Pixelに保存されている写真を大画面テレビで見たり、ブラウジングを行ったりと、さまざまな用途に活用できます。

本製品を接続したテレビにPixelから出力できます
部屋名を選択してPixelの画面をテレビに出力中
縦画面はこのように縦のまま表示されます
画面を横にすると横長に。ブラウジングも楽々です

ちなみにFire TV Stickとの相違点のひとつに、リモコンのボタン数の違いが挙げられます。Fire TV Stickは世代を重ねるごとにリモコンのボタンが増え、最近ではさまざまなサードパーティー製の動画配信サービスを一発で呼び出せるボタンや、テレビの音量調整ボタンが追加されるなど、ボタンの数はテレビのリモコン並みに増えており、初見だと分かりづらく感じることもしばしばです。

これに対して本製品のリモコンは、ボタンがわずか9つとシンプルです。各ボタンにどの機能が割り当てられているか、決して直感的に理解できるとは言えず、機能によってボタンの形状を変えるなど一工夫あったほうがよかったのではと感じなくもないのですが、このようなスッキリしたデザインのほうが好みという人もいるでしょう。

筆者が購入したのは実売価格が4980円と安いHDバージョンですが、上位の4Kバージョンは実売7600円ながら、5千円を切った価格で販売されることもたびたびあり、お買い得となっています。この分野では、セールで大幅に値引きされることが多いFire TV Stickが高い人気を誇っていますが、前述のようにGoogleのPixelシリーズとの相性は良好で、Pixelユーザーは特に注目すべき存在だと言えるでしょう。

Fire TV Stickのリモコン(右)と比べるとボタンの数は少なめ。ボタンにどの機能が割り当てられているか最初は戸惑いますが、慣れれば快適に操作できます

 

DATA

製品名:Chromecast with Google TV
実売価格:4,980円
発売元:Google

著者プロフィール

山口真弘
ITライター
PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など
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