手のひらサイズで使えるこの小型カッター、30代以上の人にとっては、そのデザインに懐かしさを感じるはず。2023年初夏に限定発売されたオルファの「タッチナイフR」は、同社がかつて販売していた「タッチナイフ」に、マグネットによる吸着機構を追加したリニューアルモデルです。
実は従来の「タッチナイフ」は、昭和の時代、1979年から存在していたロングセラーモデルですが、2000年に形状が一新され、ラインナップから姿を消していました。本製品は従来モデルの見た目そのままに、背面にマグネット吸着機構を追加し、約20年ぶりに復活したモデルという位置づけになります。復活したことはもちろん、しばらく姿を消していたことを知らなかった人も多いのではないでしょうか。
製品の外観と使い勝手は、従来とまったく同様。使う時だけ刃を露出させることで、ちょっとした工作から、荷物の開梱、さらにはゴミの分別などに大活躍します。ゴミの分別が細分化されてきた現在にこそ、よりフィットする製品と言えるでしょう。刃は出した状態でロックできるほか、ロックを外すとバネの力で元に戻るので、引っ込めるわずらわしさもありません。
また、背面をやや分厚くしてまで搭載されたマグネットは、未使用時にスチール面に吸着させられるため、スチールデスクやロッカー、スチール棚など、決まった場所にスタンバイさせておくことができ、また紛失防止にも役立ちます。背面はマグネットを中心に盛り上がった形状になっているため、スチール面から外して手に取るのも容易です。
現在同社からは、デザインをリニューアルした新「タッチナイフ」のほか、マグネット吸着機構を備えたやや大柄な「マグネタッチ」など、本製品に似たミニカッターが複数ラインナップされていますが、元祖と言えるこの形状がいちばん使いやすいと感じる人も少なくないでしょう。
さてこのモデル、2023年5月に復刻された時点では、あくまでも限定モデルという位置づけでしたが、ちょうどこの原稿を執筆中の2024年1月になって、今回試用している「モーブピンク」と、「オフホワイト」の2色が、定番モデルとして今後も継続販売されることが決定しました。自宅のどこででも使えるよう、複数購入してあちこちのスチール面に吸着させておくとよさそうです。
最後に余談ですが、実はこの製品、しばらく前からダイソーで「タッチカッター(マグネット付)」という名前で販売されています。どうやら色以外はまったく同一のようで、パッケージにもオルファ製であることが明記されています。「2000年に終息したはずなのに、そう遠くない過去に確かに目にした記憶がある」と感じる人は、おそらくこちらを目撃していたのではないかと考えられます。
こちらは実売価格が110円と、本家よりも安価なことに加えて、ボディはかつての定番色である黄色を採用しています。タッチカッターといえば遠くからでも目立つ黄色! というこだわりを持つ人は、こちらも合わせてチェックすることをおすすめします。
- DATA
製品名:タッチナイフR
実売価格:158円
発売元:オルファ
2024.02.20 Tue