2004年、雑誌のページをめくるような革新的なインターフェイスで登場したファッション&ライフスタイルのWebメディア、フイナム(houyhnhnm.jp)。そのフイナムの発行人でもある株式会社ライノの代表取締役である蔡 俊行氏に話をうかがった。
第3話 「Webの雑誌」の今後
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?今後はどのように「フイナム」を展開していく予定ですか?
蔡●「フイナム」という週刊のメンズのファッション誌の他に、新たに兄弟サイトとして月刊の「ア?バンアスリ?ト」というサイトをたちあげました。「ア?バンアスリ?ト」は健康指向で都市生活者向けの雑誌で「もっとカラダを鍛えましょう、もっとスポ?ツをしましょう」といったスポ?ツを啓蒙するサイトです。どちらもWebにおける雑誌ですから、いわゆる出版社的な動きですね。いろんな雑誌を作っていく、情報を発信していくということをしていきます。ビジネスモデルとしては広告収益が中心になりますね。
もうひとつは10月4日からベ?タ版をスタ?トしてるのですが、洋服をメインとした商品を販売するECサイト。これは後発サイトになるんですけど、他のサイトとは差別化させるために、自分たちで商品開発をしたり、商品を別注するなどして、我々が作るネット上のセレクトショップというものです。オリジナル商品に加えて、協力してくれるベンダ?さんから商品を供給してもらってそのまま販売するというものですけど。タ?ゲットは20代後半から40代までを考えています。
??現在のWebについてはどう考えていますか?
蔡●あたりまえなんですけど、Webというのはマウスを動かすことによって、ポインタが動いて、インタラクティブなところが他のメディアと全然違うところですよね。既存のテレビや新聞、雑誌というメディアは一方的に受けとるだけのものであって、能動的に何かを取りに行くという部分で、Webらしい切り口を常に我々も探しているんです。Web上でなにか面白いものを見たかといわれても、特にはないんですよね。
中村勇吾さんが作るようなフラッシュのコンテンツ見ると凄いなとは思うのですが、でも、それはすばらしい映像を見せられてるのと同じかなと思うんです。Webで見られることが凄いことなんだろうけど、Webだからという感じではない。ひとつのア?トみたいなものだとは思うんですよね。それよりは、Webだからこその仕組みの面白さみたいなものがあるじゃないですか、mixiとかYouTubeみたいな。Googleなんかはまさにそれですよね。アプロ?チの仕方が違うんですよね。
僕らは、ファッションとか制作というところでビジネスやコンテンツを考えているので、ITビジネスといわれているような、Webというメディアを使って多数の人間から小額の金銭を課金してビジネスをやろうという発想がもともとないんですよね。ユ?ザ?を集るという目的はもちろんあるのですが、ビジネススタイルは明らかに違います。我々は一人のユ?ザ?からたくさんもらおうとしていますから。だから結構重いんじゃないかな。mixiなんて表面的にはタダだし、Googleもタダだけど、システムとしては広告主がGoogleの様々なお金を負担し、その広告主の商品をユ?ザ?が買うことによって循環している。だから我々とはあきらかにビジネススタイルが違うんだなってことは思いますね。でも、かえってそれが難しい方向に入ってるのかなと考えるさせられることもありますね。
??セグメンテ?ションされているメディアというのは今後どうなっていくと思われますか?
蔡●質問の意図とは少し違うかなとは思うんですけが、いまネットで本を買おうとして検索をすると、基本的にはその1冊しか出てこない、それを買ったら終わりってことになりますよね。でも、本屋にいくと、すぐ近くには競合誌がおいてあったり、あるいは全然関係ないジャンルの本を見つけたり、そういうときにふと目移りして3?4冊買ってしまうという楽しさがある。あと、その本屋へ行く道に新しいカフェができていたら、ちょっと寄ってみて、そこでコ?ヒ?や食事をして消費をしたりするということもありますよね。
Webっていうのはどんなにすばらしいものを作っても、どんなに立派なものを作っても見えない人には全く見えないんです。確実にURLを打ち込んだり、リンクをたたかないとそこに行くことができない。だから、一度メディアとしての認知度が拡大すれば、伝わり方やビジネス展開のスピ?ドが速いかもしれないけど、拡大するまではなかなか難しいなと思います。また、認知度といった時には母数をどのくらいにするかっていうことがとても難しいと思うんです。例えば10万人になってすぐ100万人になるかって言ったらそうでもないと思うし。そのへんは正直いって、少し甘く見てたかなというのがあるんですね。
それで、さっきの質問に戻りますが、メンズのファッション誌というのはすでにセグメンテ?ションされたジャンルなんです。女性誌の場合はファッションの中にもJJ系があったり、CanCanがあったりSPURがあったり109があったりするんだけど、メンズはそういったことがなくて、大きなひとつの枠の中にあるんです。だからこそ口コミで広がるパワ?があるのかなって思っていたんですけど、意外とそうでもなかったですね。ただ、もしこれからさらに広がっていくようだったら、フイナムは長くやっているからこそ、このジャンル、セグメンテ?ションでの第一人者になれるのではないかなと思っています。
??オンラインのメディア以外には何か予定はあるんですか?
蔡;2周年ということで最近フリ?ペ??パ?を作りました。もう少しいろいろな人にフイナムを知ってもらおうということで一部の抜粋版を掲載して紹介しています。これまで2号つくったのですが、それが、オフラインにおける展開です。それ以外には特にイベントとかは考えてないんですけど、今後そういったプロモ?ションに力を入れていこうとは思っています。
??今後はECサイトとしての要素が占めてくるのでしょうか?
蔡●そうですね。そうしていく予定です。
蔡●「フイナム」という週刊のメンズのファッション誌の他に、新たに兄弟サイトとして月刊の「ア?バンアスリ?ト」というサイトをたちあげました。「ア?バンアスリ?ト」は健康指向で都市生活者向けの雑誌で「もっとカラダを鍛えましょう、もっとスポ?ツをしましょう」といったスポ?ツを啓蒙するサイトです。どちらもWebにおける雑誌ですから、いわゆる出版社的な動きですね。いろんな雑誌を作っていく、情報を発信していくということをしていきます。ビジネスモデルとしては広告収益が中心になりますね。
スポーツをテーマにしたアーバンアスリート
もうひとつは10月4日からベ?タ版をスタ?トしてるのですが、洋服をメインとした商品を販売するECサイト。これは後発サイトになるんですけど、他のサイトとは差別化させるために、自分たちで商品開発をしたり、商品を別注するなどして、我々が作るネット上のセレクトショップというものです。オリジナル商品に加えて、協力してくれるベンダ?さんから商品を供給してもらってそのまま販売するというものですけど。タ?ゲットは20代後半から40代までを考えています。
セレクトショップフイナムズβ版
??現在のWebについてはどう考えていますか?
蔡●あたりまえなんですけど、Webというのはマウスを動かすことによって、ポインタが動いて、インタラクティブなところが他のメディアと全然違うところですよね。既存のテレビや新聞、雑誌というメディアは一方的に受けとるだけのものであって、能動的に何かを取りに行くという部分で、Webらしい切り口を常に我々も探しているんです。Web上でなにか面白いものを見たかといわれても、特にはないんですよね。
中村勇吾さんが作るようなフラッシュのコンテンツ見ると凄いなとは思うのですが、でも、それはすばらしい映像を見せられてるのと同じかなと思うんです。Webで見られることが凄いことなんだろうけど、Webだからという感じではない。ひとつのア?トみたいなものだとは思うんですよね。それよりは、Webだからこその仕組みの面白さみたいなものがあるじゃないですか、mixiとかYouTubeみたいな。Googleなんかはまさにそれですよね。アプロ?チの仕方が違うんですよね。
僕らは、ファッションとか制作というところでビジネスやコンテンツを考えているので、ITビジネスといわれているような、Webというメディアを使って多数の人間から小額の金銭を課金してビジネスをやろうという発想がもともとないんですよね。ユ?ザ?を集るという目的はもちろんあるのですが、ビジネススタイルは明らかに違います。我々は一人のユ?ザ?からたくさんもらおうとしていますから。だから結構重いんじゃないかな。mixiなんて表面的にはタダだし、Googleもタダだけど、システムとしては広告主がGoogleの様々なお金を負担し、その広告主の商品をユ?ザ?が買うことによって循環している。だから我々とはあきらかにビジネススタイルが違うんだなってことは思いますね。でも、かえってそれが難しい方向に入ってるのかなと考えるさせられることもありますね。
??セグメンテ?ションされているメディアというのは今後どうなっていくと思われますか?
蔡●質問の意図とは少し違うかなとは思うんですけが、いまネットで本を買おうとして検索をすると、基本的にはその1冊しか出てこない、それを買ったら終わりってことになりますよね。でも、本屋にいくと、すぐ近くには競合誌がおいてあったり、あるいは全然関係ないジャンルの本を見つけたり、そういうときにふと目移りして3?4冊買ってしまうという楽しさがある。あと、その本屋へ行く道に新しいカフェができていたら、ちょっと寄ってみて、そこでコ?ヒ?や食事をして消費をしたりするということもありますよね。
Webっていうのはどんなにすばらしいものを作っても、どんなに立派なものを作っても見えない人には全く見えないんです。確実にURLを打ち込んだり、リンクをたたかないとそこに行くことができない。だから、一度メディアとしての認知度が拡大すれば、伝わり方やビジネス展開のスピ?ドが速いかもしれないけど、拡大するまではなかなか難しいなと思います。また、認知度といった時には母数をどのくらいにするかっていうことがとても難しいと思うんです。例えば10万人になってすぐ100万人になるかって言ったらそうでもないと思うし。そのへんは正直いって、少し甘く見てたかなというのがあるんですね。
それで、さっきの質問に戻りますが、メンズのファッション誌というのはすでにセグメンテ?ションされたジャンルなんです。女性誌の場合はファッションの中にもJJ系があったり、CanCanがあったりSPURがあったり109があったりするんだけど、メンズはそういったことがなくて、大きなひとつの枠の中にあるんです。だからこそ口コミで広がるパワ?があるのかなって思っていたんですけど、意外とそうでもなかったですね。ただ、もしこれからさらに広がっていくようだったら、フイナムは長くやっているからこそ、このジャンル、セグメンテ?ションでの第一人者になれるのではないかなと思っています。
??オンラインのメディア以外には何か予定はあるんですか?
現在まで2号発行されているフリーペーパー「houyhnhnm」。Webからの抜粋版
蔡;2周年ということで最近フリ?ペ??パ?を作りました。もう少しいろいろな人にフイナムを知ってもらおうということで一部の抜粋版を掲載して紹介しています。これまで2号つくったのですが、それが、オフラインにおける展開です。それ以外には特にイベントとかは考えてないんですけど、今後そういったプロモ?ションに力を入れていこうとは思っています。
??今後はECサイトとしての要素が占めてくるのでしょうか?
蔡●そうですね。そうしていく予定です。
(取材/文:服部全宏(GO PUBLIC) 写真:谷本 夏 編集:蜂賀 亨)
株式会社ライノ 代表取締役 蔡 俊行氏 |