今“ 知っておくべき”ケータイサイト制作事情 第3回 2 サイト制作効率化に欠かせない「ツール選び」 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

今“ 知っておくべき”ケータイサイト制作事情 第3回 2 サイト制作効率化に欠かせない「ツール選び」

2024.5.26 SUN

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今“ 知っておくべき”ケータイサイト制作事情

第3回

2 サイト制作効率化に欠かせない「ツール選び」

ケータイサイト制作を効率化するさまざまなツール

自ら手を動かしてケータイサイト制作をするとなると、さまざまな知識やスキルが必要だ。しかし、専用ツール(ASP)を利用すれば、素人でも短時間で各キャリア対応をしたケータイサイト制作ができる【1】。ページの制作・運用管理をするコンテンツマネジメントシステム(CMS)、会員・顧客データベースとコンテンツを連動管理するCRM(顧客関係管理)システム、携帯端末に最適化したメール作成と配信管理を行うサービス、ページ内の画像データファイルを携帯端末のスペックに最適化して提供する画像変換サービス。先進的な携帯端末技術を持つ日本ならではの便利な制作ツールが、比較的廉価なASPという形で利用できる点は見逃せない。

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【1】さまざまに用意されている専用ツール(ASP)を利用すれば、素人でも短時間で各キャリア対応をしたケータイサイト制作ができる


ケータイサイト制作で必ずそろえるべき基幹ツール

ケータイサイト制作をするうえで、Webサイトを生成する「CMSツール」と「メール配信」機能、「アクセス解析」機能だけはそろえておきたい【2】。逆に言えば、これらの機能がない「ケータイ専用ツール」はもはやプロ向けの専門サービスだ。

CMSはHTML/CSSを活用したデザインが可能かをチェックしておきたい。2010年はdivタグを利用した、一部背景色変更などPCサイトのようなデザインの利用ができるCMSが主流になるだろう。現在、実装していないサービスならば、実装の予定があるかどうかも確認しておきたい。また、SEOのためのメタタグ編集機能や検索エンジンへのサイトマップ登録がスムーズにできるかなども必ずチェックしておきたい点だ。メールマガジンの配信機能では「空メールによる登録機能」、「時間指定配信機能」、「HTMLメールの配信機能」、「迷惑メールブロック対策の自動配信停止機能」などはそろっていないと効果的かつ効率的運用ができない。アクセス解析については「Google Analytics」(www.google.com/intl/ja_ALL/analytics/)が最近ケータイサイトへの対応を発表した。ASP提供企業が利用できる環境を用意するまでには時間を要するかもしれないが、すぐにケータイでも高度なアクセス解析が標準的にできるようになるだろう。マーケティングでの活用を前提にするなら、アクセス解析の品質にこだわってサービスを選ぶというのもよい。

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【2】アクセス解析機能は一見、制作の効率化に直接関係していないように見えるが、どのページがキーになっているかなど、つくったページがユーザーにどのように受け入れられているかを検証するために利用する。ユーザーにとって優先順位の高いページをメンテナンスすれば効率化が図れる


目的に合わせて付加機能ツールを導入する

企業それぞれのマーケティング戦略や提供サービスに応じて、自由にサービスを組み合わせて利用していけるのが、ASPサービスの利用価値の高い長所だといえる。たとえば「お客様を大切にする」という姿勢を打ち出している企業ならば、フォーム作成機能の導入はぜひ検討してほしい。ケータイは企業からの情報提供だけでなく、ユーザーからの情報の引き出しとしても利用できる、いわば企業と顧客とのコミュニケーションツールだ。Webサイト制作者は企業からの情報発信の機能に目を向けてしまいがちだが、実際の運用では「効率的な情報収集」が大切になる。

ASPの機能を包括的に提供する企業もあれば、専門性を生かした機能モジュールをピンポイントで提供している企業もある。さまざまな企業が日々新しいサービスを提供しているため、調べ出すとキリがない。逆に「どれを選べばいいのかよくわからない」という状態に陥ってしまうかもしれないので、目的を絞って導入していきたい。


ケータイ専用ASPの選び方

ケータイ専用ASPの選び方として、どのようにツール選びをするかという4つのポイントを紹介しよう【3】。ひとつ目は、“クライアント企業の身の丈に合った無理のない予算のものを選ぶこと”。将来の拡張性を考え、価格の高いものより極力安いものを利用したい。まずは、利用予定のある機能を満たす手ごろな価格のサービス利用をお勧めする。また、いずれ拡張するときのためのマイグレーション(引っ越し)の段取りを考えながら運用するとよい。

ふたつ目は、“包括的なサービスから始め、徐々に機能拡張をしていくこと”。最初は安めの価格のCMSを中心に、さまざまな機能を一括提供するサービスを利用する。機能や使い方が企業ニーズに適合するかを観測しながら、不足があれば他社製品の追加や乗り換えを検討していく。また、ケータイサイト運用経験のない企業が大型システムを導入することは、無駄な投資になる危険性が高いので注意したい。

3つ目は、“実績あるサービスこそ懐疑的になること”。現在、ケータイサイト制作をめぐる環境や価格帯は激しく変化している。単に実績あるツールが最良の選択になるとは限らない。息が長く、同時に利用者が絶賛するサービスなら「買い」だ。

4つ目は、“新登場サービスは「運用のユーザビリティ」で選ぶこと”。たとえば、Flash生成エンジンなど最近一斉リリースされたサービスは、価格帯も機能も似たものが多く、違いがよくわからないものもある。結局のところ決め手となるのは「運用の使い勝手の良さ」だ。具体的には複数のサービス提供会社にデモを見せてもらったり、トライアル利用させてもらったりして使い勝手を検証する。クライアント企業の担当者とも使い心地を共有して選択できれば、それがいちばん良い手段となる。

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【3】上図の4つのポイントを押さえてケータイ専用ASPを選べば、制作側だけでなくクライアントにとっても効率的なケータイサイト制作の提案ができるはずだ


[INDEX]
>>>  1 ケータイサイト制作の効率化は「同意」がカギ
>>>  2 サイト制作効率化に欠かせない「ツール選び」


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