Lesson1 Flashの基本画面と描画
第1回 基本のインターフェイスの解説
アニメーション制作やActionScriptを用いたインタラクティブな表現など、Webデザインの醍醐味である動的コンテンツ作成に欠かすことのできないアプリケーション、Flash。しかし、専門性が高く、高度な技術を必要とすることから、途中で挫折してしまったというWebデザイナーも多いのではないだろうか。
このコーナーではFlashビギナーを対象として、アプリケーションの基本的な操作方法から、ActionScriptを使った初級レベルのコンテンツ制作までを解説する。Flashの基礎を習得し、Webデザインの表現の幅を広げる手助けとなれば幸いだ。
解説:北川貴清
※「FlashのABC」の本文中の解説で使用しているサンプルデータは、別ページでダウンロードができます。(Lesson1第1回の解説ではサンプルデータを使用していません。)
Flashをはじめよう!
Flashコンテンツを作成するための準備を始めよう。まずは、スタートページ【図1】の[Flash ドキュメント]をクリックすると、新しい空白のドキュメントが作成される【図2】。 メニューから[ファイル]→[新規]を選んでもよい。
【図1】スタートページで[Flash ドキュメント]をクリック
【図2】新規ドキュメントを開いたときの画面
次に、ステージ下の[ドキュメント]プロパティインスペクタの[サイズ]ボタンをクリックして[ドキュメントプロパティ]ダイアログボックスを表示させよう。 Flashを表示させたいステージサイズを1×1px~2,880×2,880pxの間でピクセル単位で指定する。パレットから背景色のカラーを選択。フレームレートを入力する。[OK]をクリックするとドキュメントに新しい設定が適用される【図3】。
【図3】[ドキュメントプロパティ]ダイアログボックスでステージサイズ、背景色、フレームレートを設定
ここで、いったん[ファイル]→[名前をつけて保存]を選択し、保存場所を指定して、ファイル名を入力して保存しておこう【図4】。
【図4】保存する場所を指定し、名前をつけて保存
■Point
フレームレートとは、アニメーションが1秒間に再生されるフレーム数のことで、Webサイトならば一般的に8~12fps(フレーム/秒)を利用する。ムービーをよりスムーズに再生させるには30~60fps程度に設定するとよい。ただし、これは理論上の再生速度で、コンピュータの性能によっては、実際のフレームレートより遅く再生される場合がある。
基本画面
新規ドキュメントを開くとコンテンツを作成するためのステージとたくさんのツールやパネルが表示される。それぞれの役割を見ていこう【図5】。
【図5】基本画面。図中の番号と照らし合わせながら下の解説を見てほしい
(1)メニュー
(2)ツールパネル
描画や編集などを行うためのツールが用意されている。
描画や編集などを行うためのツールが用意されている。
(3)編集バー
シーンやシンボルの編集画面の切り替え、タイムラインの折りたたみ、ステージの表示比率の変更を行うことができる。
シーンやシンボルの編集画面の切り替え、タイムラインの折りたたみ、ステージの表示比率の変更を行うことができる。
(4)タイムライン
レイヤーとフレームを使ってオブジェクトを時間軸に沿ってアニメーションさせたり、ActionScriptを記述して制御させたりできる。
レイヤーとフレームを使ってオブジェクトを時間軸に沿ってアニメーションさせたり、ActionScriptを記述して制御させたりできる。
(5)ステージ
SWFファイルを再生したときにコンテンツが表示される領域。
SWFファイルを再生したときにコンテンツが表示される領域。
(6)ワークエリア
SWFファイルを再生したときにコンテンツが表示されない領域。
SWFファイルを再生したときにコンテンツが表示されない領域。
(7)プロパティインスペクタ
ステージまたはタイムラインで現在選択している内容に応じて、[ドキュメント]、[テキスト]、[シンボル]、[シェイプ]、[ビットマップ]、[ビデオ]、[グループ]、[フレーム]、[ツール]の情報や設定が表示される。それぞれのプロパティをここから設定することができる。
ステージまたはタイムラインで現在選択している内容に応じて、[ドキュメント]、[テキスト]、[シンボル]、[シェイプ]、[ビットマップ]、[ビデオ]、[グループ]、[フレーム]、[ツール]の情報や設定が表示される。それぞれのプロパティをここから設定することができる。
(8)パネル
[情報]、[カラーミキサー]、[整列]、[ライブラリ]などのさまざまな操作を行うためのパネル。必要に応じて組み合わせることができる。
[情報]、[カラーミキサー]、[整列]、[ライブラリ]などのさまざまな操作を行うためのパネル。必要に応じて組み合わせることができる。
ツールパネル
それでは、オブジェクトの描画や編集を行う上で頻繁に使用するツールパネルの各ツールの役割を確認しておこう。Illustratorなどの描画アプリケーションでよく見るものなので、すぐに理解できる方も多いのではないだろうか【図6】。
【図6】ツールパネル。図中の番号と照らし合わせながら下の解説を見てほしい
(1)選択ツール
(2)ダイレクト選択ツール
(3)自由変形ツール
オブジェクトを自由に回転、伸縮、傾斜、歪曲するツール。
オブジェクトを自由に回転、伸縮、傾斜、歪曲するツール。
(4)塗りの変形ツール
オブジェクトの塗りに適用されているグラデーションを変形するツール。
オブジェクトの塗りに適用されているグラデーションを変形するツール。
(5)直線ツール
(6)なげなわツール
オブジェクトや、オブジェクトの一部を囲って選択するツール。
オブジェクトや、オブジェクトの一部を囲って選択するツール。
(7)ペンツール
パスを使って精度の高い直線や曲線を描くツール。
パスを使って精度の高い直線や曲線を描くツール。
(8)テキストツール
(9)楕円ツール
(10)矩形(多角形)ツール
(11)鉛筆ツール
フリーハンドで線を描くツール。
フリーハンドで線を描くツール。
(12)ブラシツール
描いた曲線は「鉛筆ツール」と違って塗りになる。
描いた曲線は「鉛筆ツール」と違って塗りになる。
(13)インクボトルツール
線のカラーを変更したり、追加したりするツール。
線のカラーを変更したり、追加したりするツール。
(14)バケツツール
塗りのカラーを変更したり、追加したりするツール。
塗りのカラーを変更したり、追加したりするツール。
(15)スポイトツール
線または塗りの属性をコピーし、ほかのオブジェクトに適用するツール。
線または塗りの属性をコピーし、ほかのオブジェクトに適用するツール。
(16)消しゴムツール
(17)ハンドツール
(18)虫眼鏡ツール
(19)カラー
オブジェクトの線と塗りのカラーを設定することができる。
オブジェクトの線と塗りのカラーを設定することができる。
(20)オプション
各ツールのオプションを設定することができる。
各ツールのオプションを設定することができる。
次回につづく
[プロフィール] きたがわ・たかきよ●1972年8月生まれ。三重県出身。三重大学工学部卒業。大阪を拠点としてwebデザインを中心に活動中。著書に『Flash8デザインスクール for Win & Mac 』、『ネタ帳ビギナーズ FLASHテンプレート集 』。 http://www.f-l-a-v-o-r.com |