第2回
コンバージョンレート向上のためのアクセス解析ツールの選択(3)
アクセス解析はマーケッター主導へ
以前のアクセス解析ツールはサイトの運用状態を監視する目的で利用されるケースが多かったが、いまや広告分析や行動分析など、マーケッターの立場からの利用が主流といえる。そのためマーケッターが必要とする情報にいかに簡単にタイムリーに到達できるかどうかがバージョンアップのポイントとなるだろう。
ある報告によると、アクセス解析の利用者数が市場全体で前年より減少しているとのデータもあり、いかに「アクセス解析業務からの脱落者」を出さないかが、企業にとって重要なテーマといえる。
たとえば、ツールの豊富な機能に目移りして高機能なものを導入してしまうと十分な運用体制が確立されていなければ、すべての機能を使いこなすことは難しいはず。サイトの規模、運用事情によっては、シンプルでカスタマイズなしに使えるツールで十分なパフォーマンスを発揮するケースもある。
もちろん、企業のWeb 戦略においてアクセス解析ツールの導入だけがコンバージョン獲得の手段ではない。トラフィック誘導のためのSEM やWeb広告の出稿など、アクセス解析以外の施策を含めた適切な予算配分が大前提である。
そして、Web サイト運用の費用対効果の検証は「認知度向上」というあいまいな世界から「売り上げ貢献」という具体的な数字にまで及んでいる。
これらのことは、Web 戦略と企業活動がもはや切り離せない関係にある実情を表しており、アクセス解析ツール導入は企業にとって今後ますます重要な選択となるだろう。
―了―