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スポットインタビュー End to Endのユーザーエクスペリエンス実現を目指して Microsoft ダグラス・K・オルソン


Expression Studioで可能になるWPFとSilverlightの表現


今年2月に第一弾のExpression Webが日本語版でも発売されたExpression Studio。これらの登場により、Windowsの新バージョンであるVistaや、Microsoft社が提唱している新たなWebテクノロジーWPFやSilverlightで実現できることへの期待をふくらませている人は多いだろう。先ごろ正式に発表されたように、7月13日のExpression BlendやExpression Mediaの日本語版の発売が待ち遠しいところである。


Expression Web(日本語版パッケージ)Expression BlendExpression DesignExpression Media
Expression Studioを構成する各ソフトウエア。左から、Expression Web、Expression Blend、Expression Design、Expression Media(Expression Web以外は米国版パッケージ)
──賢明な読者の方は、Expression Studioについてすでに豊富な知識を持っていますが、あらためて簡単にExpression Studioの各製品について説明してください。

ダグラス●わかりました。まず「Expression Web」ですが、これはXHTMLやCSSなどに対応し、Web標準に準拠したWebサイトを構築可能なツールで、こちらはすでに日本語版も発売されています。

「Expression Blend」は、Web上でのインタラクションなコンテンツを作成できるツールです。Ver 1.0はWPFをターゲットにしており、また今年4月末に米ラスベガスで行ったMicrosoft社のクリエイター向けイベント「MIX07」では、Ver 2.0のプレビュー版も紹介させていただきました。Ver 1.0と同じツールセットではありますが、こちらはSilverlightをターゲットにしているものです。

「Expression Design」は、ベクトルとビットマップ両方を統合したグラフィックツールで、XAMLのエクスポートが可能な製品です。いわばWPFに最適化されたPhotoshop+Illustratorのようなグラフィックツールで、WPFやSilverlightのビジュアル部分を司る製品です。

「Expression Media」は、デジタルアセットマネジメントのアプリケーションです。グラフィック、ビデオ、写真、ドキュメントといったように、いろいろな形態のファイルのカタログをつくったり、メタデータを管理したり、バッチプロセスで処理したりすることが可能で、バージョンコントロールなども行えます。これらの情報をExpression Studioの各製品で使うことが可能です。ちなみにクリエイターにはデジタルアセットのマネジメントをMacで行っている人も多いという理由から、MediaはMac版も発売しています。Windows版と完全に互換しており、両者を自由に行き来することが可能です。

そして「Expression Media Encoder」が5つめの製品として構成されます。これはExpression Mediaユーザーに無償で提供されるアプリケーションとして、動画データをエンコードしてSilverlightに最適化するもので、Windows Media VideoやAVI、MPEG、QuickTimeといったさまざまなビデオ形式に対応しています。現在はPreview版をご利用いただける状態で、正式版はSilverlight 1.0のリリースから程なくして提供できるでしょう。

Microsoftが開催したクリエイター向けイベント「MIX」のWebサイト
Microsoftが開催したクリエイター向けイベント「MIX」のWebサイト
http://www.visitmix.com/




──WPFとSilverlightについて教えてください。

ダグラス●Microsoftのデベロッパー向けのテクノロジー、デザイナー向けのテクノロジーを使って、どのように協業ワークフローができるかというと、2つのプラットフォーム──ひとつはWPF、ひとつはSilverlightがカギとなります。

まずWPFですが、これはVistaとともに導入されました。WPFはかなりの技術と時間をかけてできあがったものでして、Microsoft .NET 3.0のFrameworkの一部を成しているものです。いわゆるXAMLでのプレゼンテーションのフレームがありますが、それとは別にデータモデルを分けました。そうすることにより、Webのような優れたアプリケーションをWindowsのプラットフォームで実現することができるのです。

Silverlightは、WPFで表現できたリッチなプログラミングモデルとそのいろいろな表現を、Web上でもデータの部分、コードの部分、XAMLを使ったビジュアライゼーションの部分を分けることによってWeb上で実現していくものです。「MIX07」でも紹介したのですが、クロスプラットフォーム、クロスブラウザを実現するものです。クロスプラットフォームとは、すなわちWindowsとMacですが、このふたつ以外のプラットフォームにも対応していきます。またそれ以外のデバイス、たとえばWindows Mobile Phoneなどにも対応する予定です。これはすぐにダウンロードしてインストールすることができます。お使いのWebブラウザで、即座にSilverlightを体験していただくことが可能になります。

SilverlightのVer1.0は、ビデオのプレイバックをオプティマイズするもので、Expression Media Encoderでエンコードします。これは今までにないとてもリッチなビデオ体験ができるものですし、DRM(デジタル著作権管理)に対応しています。Silverlight 1.0はベータ版がリリースされており、正式版はこの夏にリリース予定です。

もうひとつはVer1.1のアルファ版ですが、こちらはWPFのサブセットといってもいいもので、.NETのCommon Language Runtimeに対応しており、WPFのプログラミングモデルにも対応していますので、インタラクション性のあるWPFのWeb版だといえるものだと思います。

Silverlightのホームページにアクセスしていただくとより詳しい情報を入手していただけると思いますので、ぜひお試しになってください。


Silverlightのホームページ(日本語版)。Silverlightの最新情報やビデオ、ブログなどコンテンツが多数紹介されている
Silverlightのホームページ(日本語版)。Silverlightの最新情報やビデオ、ブログなどコンテンツが多数紹介されている
http://www.microsoft.com/japan/silverlight/



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