End to Endのユーザーエクスペリエンス実現を目指す | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

スポットインタビュー End to Endのユーザーエクスペリエンス実現を目指して Microsoft ダグラス・K・オルソン


End to Endのユーザーエクスペリエンス実現を目指す



──すでにWPFやSilverlightで実現しているプロジェクトなどはありますか?

ダグラス●すでにいろいろな事例があります。たとえば英国図書館では、実際には非常に貴重なため触れることは許可できないが、その内容は多くの人に知ってもらう必要がある、といったような貴重な文献を、WPFを利用してバーチャルなものにし、コンピュータ上で本を読むようなユーザーエクスペリエンスを提供しています。一部分をズームアップしたりとか、ページをめくるようなアクションをしたりといったことができるわけです。3Dで再現することはプラットフォーム側でできますので、ページをめくるような動きもリアルに再現できますし、自然な形でできます。そしてそれを簡単につくることができます。


英国図書館で導入されているバーチャル文献の事例。実際に本のページをめくる感覚の動作がコンピュータ上で行える
英国図書館で導入されているバーチャル文献の事例。実際に本のページをめくる感覚の動作がコンピュータ上で行える


また、3Dの技術を使って、商品の雰囲気がより伝えられるオンラインショッピングのような試みもすでに始められていたり、米国の新聞「The NewYork Times」では、タイポグラフィを使って紙の新聞を読むような感覚をコンピュータ上で再現できるようにしています。

タイポグラフィを使って紙の感触を再現したThe NewYork Timesの事例
タイポグラフィを使って紙の感触を再現したThe NewYork Timesの事例


また、5月30日に発表された「Microsoft Surface」は、タブレットPCのような感覚で、テーブルの上でインタラクティブなことができるものです。これもハードウエアとWPF、Expression Studioを使ってつくっています。


──製品の出荷予定を教えてください。

ダグラス氏●このロードマップのようになっています。


WPFとSilverlightの出荷のロードマップ
WPFとSilverlightの出荷のロードマップ
※※Media Encoderのリリース予定は今夏。Expression StudioかExpression
Mediaを購入した人には無償提供する。


──Adobe Systemsの「Adobe AIR」(コードネーム:Apollo)についてはどうお考えですか?

ダグラス氏●非常に興味深いものだと思っています。Adobe SystemsはWebから始まってデスクトップ対応のものへと進んでいる。われわれはその逆です。歩んできた方向は違ったけれども、いまは同じ土俵にいるということですね。多くの部分で、WPFが実現している部分、提供している部分をAdobe AIRでも対応しているでしょう。今後も十分様子をみていきたいと思っています。

──Flashに対して、MicrosoftはWPFがデファクトになることを望んでいるのでしょうか?

ダグラス●WPFのサブセットのSilverlightがデファクトになってほしいと考えています。クロスプラットフォーム、クロスブラウザのテクノロジーとして。ただ、われわれはFlashとはまったく違ったものを提供していると考えていますので、そのあとのことはユーザーの判断にまかせたいと思います。これまでフレームワークにしろ、ツールにしろ、考え方にしろ、やはりユーザーこそが、既存のものを変えていく原動力になっていると 思います。ですからユーザーの声に耳を傾けていくことは重要だと思いますし、われわれもユーザーと一体になって開発していくことが重要だと思っています。

われわれの強みとしては、デザイナー向けのツールとデベロッパー向けのツールがコンバージョンされていること。そうした観点から作っているのはわれわれだけではないかと思っています。MIX07に来場されたお客様の反応をうかがっていると、「Microsoft何をやっているんだろう?」といった感じで、最初はすごく懐疑的な感じだった方々が、MIXを終わって出るときには、「パワフルなフレームワークに感銘を受け驚いた」という反応をされているのを見てきましたので、見込みはあるのではないかと思っています。


Adobe SystemsのApolloにも敬意を表するダグラス氏
Adobe SystemsのAdobe AIRにも敬意を表するダグラス氏



──SilverlightとFlashが競い合うようになると、実際ユーザーにはどちらについていくべきか? ということでとまどいも若干生じてくると思うのですが、Microsoftとしてはいつごろこのマーケットの状況を落ち着かせたいと思っていますか?

ダグラス●それは私にもわかりません(笑)。時期が来れば自ずと明らかになってくるでしょう。いま現在われわれはプラットフォームとビジュアル向けのプラットフォームと組み合わせたものをマーケットに投入していますが、完全なインタラクションを実現できるSilverlight1.1というものをまだマーケットに投入できておりません。ですのでこれらが投入されれば状況というものは変わってくるでしょう。

ただ一番重要なのは、われわれのツールを使ってくださるユーザーの声だけを聞くのではなくて、競合のツールを使っている人々の声も把握していくことが重要だと思っていますし、そうすることで製品をよりよくしていくことができると思います。そうした努力を続けることで、なんらかの成果を上げることができると思いますし、あとはユーザーの方々がわれわれが思いもしなかったような形でどんどん使い方を発展させていってくれればうれしいですね。

それと大切なのは、われわれはカスタマー、お客様のためにものをつくっているのだというその基本を忘れてはいけないと思います。アドビさんもよりよい、よりお客様の使い勝手のよいものをつくっていらっしゃるわけですから、競争してこそ、よりよいツール、よりよい体験をユーザーの方に提供していくことができると思いますので、競争は非常にいいことだと思っています。

われわれとしては完全なEnd to Endのユーザーエクスペリエンスを実現していきたい。すなわち、デザイナーに対してもデベロッパーに対しても使い勝手のよいものを作っていきたい、そしてそれらのツールを使って、ホームユースのもの、オフィスユースの物、それからWindowsユースのもの、形態にかかわらず使い勝手のよいものを開発していきたい、それらを一貫した形で行っていきたいと考えています。

──ありがとうございました。

(取材・文:鴨 英幸/MdN Interactive)

twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在