注目企業のブランドデザインに迫る
第2回:ラフォーレ原宿
ラフォーレといえば、常にフレッシュな広告表現でも注目されてきた。
第3話では、そんな独自性の強い広告表現にスポットをあてる。
第3話:セオリー通りを拒む広告表現
──実力派のクリエイターが広告ビジュアルを手がけてきたこともラフォーレ原宿の特徴ですね。
●そうですね。ラフォーレ原宿の今の気分みたいなものは常に変化しますから、キャンペーンやシーズンによって、指名でお願いする場合もあれば、競合プレゼンでお願いしたりと、さまざまな形をとっています。ただ共通していえることは「強いオリジナリティ」を表現できるクリエーターの方であること。それに「オンリー」ということをすごく大切にしています。ですから、たとえば他の商業施設のロゴが入っても成立する広告ビジュアルはNGですね。


上から青木克典氏、野田凪氏が手がけたビジュアル。いずれもオリジナリティの際立つ力作
──クリエーターにしてみればチャレンジングな環境ですね。
●そうですね。いずれのケースでも大事なのは「ラフォーレらしさを表現する」ことです。これが難しくて、弊社内でも人によって違うでしょうし、出店者やお店のスタッフ、お客さんによっても異なるので、依頼される側は大変に違いありません。ただ、繰り返しになりますが「オリジナル」「オンリー」であることは絶対ですし、少なくとも提案する側が興奮できる案でないと受け手には響きませんので、それも大事にしています。


上は大貫卓也氏、下は佐野研二郎氏が手がけたビジュアル
──ここ5年くらいでお付き合いの長いクリエイターさんは?
●長嶋りかこさん、古平正義さん、ドラフトの植原亮輔さん、最近だとライトパブリシティの帆足英里子さん、電通のえぐちりかさんなどでしょうか。
──「オンリーである」といえる広告表現について何か例をあげてもらえますか。
●たとえば古平正義さんがデザインしたラフォーレ原宿のセールのビジュアル、07年「STONE」。商業施設のセールのビジュアルは赤、黄色といった暖色が基本で、寒色を使うのはセオリーからはずれます。セールの場合「お祭り感」といったザワザワした雰囲気や、もう少し熱を感じるような表現のほうが一般的でしょうけど、それらセールの名のもとに媚びるよう表現は一切辞めました。

一般的なセールのビジュアルに反してクールに仕上げたビジュアル。アートディレクションは古平正義
──かなりクールな印象ですが、広告としての機能は果たしてくれたのでしょうか。
●社内でも心配はありましが、売り上げを伸ばしてくれました。ほかにも最近の例をあげるなら、見た瞬間にピンときたのは長嶋りかこさんがデザインしてくれた09年「You have a good eye for fashion」。このときは広がり方も時代性を反映して、このビジュアルを目にしたお客様が写メ−ルで撮ってブログにアップしたりして広がっていきましたね。シンプルで強いアイデア自体も面白いのですが、バイラル的に広がっていく様子も興味深かったです。もちろん、直接問い合わせが入るなど反応しやすいクリエイティブもあれば、お客様にすごくリーチしていても表立った反応がないものもあって、どういった広告表現が一番とは一概にはいえないんですけどね。

シンプルでインパクトのある表現で注目された長嶋りかこによるビジュアル「You have a good eye for fashion」
第4話では「カルチャー、アート、メッセージの発信」をお送りします。



