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イラストを素敵に描く、見せるメソッド 36


 線と塗り編1   ラフから線を整理する方法を知る
ブラシの設定によって抑揚のある描線が描き出せる
講師: Okonikk  url: www.bldg-jp.com/o/Okonikk/


 私の場合、主線の抽出は作業効率を考えていく中で、直接アプリケーション上で描き出すことが増えている。

 特にラフの制作は、描く前のイメージによってIllustratorにするかPhotoshopにするか、その時々で違う。ラフをPhotoshopで制作する場合は、アイデアを練りながらつくっていくイメージ。消したり描いたり動かしたりと、調整や修正が細かく行えるので試行錯誤するにはちょうどよい。アナログで描いているような感覚で、大体の色設定も楽にできる点もメリットだ。反対にIllustratorでラフを制作する場合は、ほとんど頭の中に完成イメージができているので、そのイメージに近づけるように描く。私のイラストは、Illustratorの[カリグラフィブラシ]の筆圧の設定を変えて主線を描くため、この方法はラフの時点でおおよそ完成に近い形に仕上がる。アナログのラフと違い、ラフと完成のギャップが少ないので作業時のストレスも少ない。

(▲クリックで拡大)


 今回のイラストでは、Illustratorでラフを制作した。私が主線で使用するブラシツールは筆圧設定のある[カリグラフィブラシ]なのでペンタプレットが欠かせず、ペンタプレットの設定やブラシの数値設定も描く線によって細かく数値設定を変更していく。数値の設定は、いろいろ試して描きやすい筆圧の数値を把握しておくと便利だ。

 ラフははじめに大まかな線で雰囲気をつくり、所々の細かな部分をダイレクトツール、アンカーポイントの切り替えツールなどで整える。余分な線は、はさみツールでカットすると、カリグラフィの線の設定を保持したまま消去できる。また、ラフから主線を描き起こしている際、ラフの線のほうがよく描けている場合は、ラフの線をコピー&ペーストしてそのまま主線として使用すれば、効率的に制作をすすめられる。





1 メインで使用するブラシの設定を行う

P038_1-1

P038_1-2

P038_1-3

まず、Illustratorで新規ファイルを作成したら、ブラシパネルメニュー→ “新規ブラシ...”で[ブラシの種類:カリグラフィブラシ]を実行。表示されたダイアログの設定を左上のように設定。また、ブラシツールをダブルクリックして[ブラシツールの環境設定]を右上のように設定する。このブラシと筆圧設定に対応したペンタブレットで、左下のような抑揚のある線を描いていく


2 Illustrator上のファイルにラフを描く

P038_2-1

次にブラシツールを選択したら、Step1で作成したブラシで大まかな人物のラフを描く。髪の毛などを描く際は、ブラシツールオプションで[精度:15pixel]程度に設定して、アンカーポイントを減らし線を滑らかにする


3 ラフを整えながら細部に描き込みを加える

P038_3-1a

P038_3-1b

続いて、Step2と同様の手順で適宜ブラシの線幅などを変更しながら、本物の筆を使って描くような感覚で、ラインに強弱をつけて細かく顔を描いていく。瞳などの柔らかい曲線を描きたい場合は、先ほどとは逆にブラシツールオプションの[精度]の値を下げると、細かなラインが描ける


P038_3-2

P038_3-3

さらに、人物を描いたブラシの設定 と同様の設定で、小物なども描いていく。なお、小物に関しては、主線を描く際に別パーツとして制作し直すので、この段階では簡単なアタリ程度でよい
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本記事は『MdN』2012年6月号(vol.218)からの転載です。
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