デザイン・クリエイティブ目線で語る
ソーシャルアプリ制作の裏側
第2回 株式会社サイバーエージェント「天空のクリスタリア」(1/2)
2012年6月13日からサービスが開始されたカードバトルゲーム「天空のクリスタリア」は、サイバーエージェントとして初めてスマートフォン専用の本格的なカードゲームとして開発されている。Amebaプラットフォーム上のブラウザベースで提供される同ゲームは、どのような狙いで企画されていったのか、アメーバ事業本部 ソーシャルゲームディビジョン アートディレクターの神谷尚志氏とアメーバ事業本部 ソーシャルゲームディビジョン プロデューサーの鈴木恵美子氏に話をうかがった。
「天空のクリスタリア」とは
「天空のクリスタリア」は、伝説のクリスタルを求め、仲間と一緒に冒険の旅に出る本格ファンタジーカードバトルゲーム。カードを集めて自分だけのパーティをつくり、ライバル戦で勝ちあがって最強の冒険者を目指すゲームで、リアルタイムでのランキング変動でライバルとのバトルを楽しめる点が大きな特徴だ。2012年6月13日のリリース以降、キャラクターイラストの美しさも好評で、着実に利用者を増やしている。
URL http://fs.ameba.jp/
Interview 1/2
本格的な王道ファンタジーゲームを目指し
企画を十分に練って挑戦した初めてのカードゲーム
新たな挑戦が数多く詰まったカードバトルゲーム「天空のクリスタリア」のプロデューサー鈴木氏とアートディレクター神谷氏 |
また、これまでAmebaのユーザー層である女性向けにコミュニケーションを重視したオリジナルのサービスをつくってきたサイバーエージェントでは、カードゲームの制作は初めての挑戦だという。「カードゲーム市場が盛り上がっている中で、新しいカードゲーム開発の挑戦として取り組みました」と話す鈴木氏は、企画段階で既存のカードゲームを参考にし、ブラウザベースで何ができるかを勉強していったという。
企画当初は5人のチームで立ち上げ、2月までの3カ月間を企画づくりに費やしたと説明する神谷氏は、「ゼロの状態から構想を練りはじめたので、最初は手探り状態でした」と話す。「新たな勝負を行うからにはいいものをつくらなければならないが、奇をてらいすぎてもよくないし、ほかと同じことをやっても埋もれてしまいます。どうバランスをとっていくかを社長も交えて話し合い、企画段階で揉んでいきました」(神谷氏)
これらの企画段階の話し合いから、「壮大な王道ファンタジーゲーム」をつくることを決めた「天空のクリスタリア」の制作チームは、2012年3月から開発を開始し、6月13日にサービスをリリース。現在25名前後のスタッフで運営を続けているという。
株式会社サイバーエージェント アメーバ事業本部 ソーシャルゲームディビジョン アートディレクター 神谷 尚志氏 |
ランキングシステムを採用することで
バトルのおもしろさをさらに引き出す
リアルタイムに順位が変動するランキングシステムで、バトルが白熱し、さらにゲームをおもしろくしている(クリックで拡大) |
リリースから1カ月を迎える「天空のクリスタリア」は、キャンペーン展開やプラットフォーム内のバナー、外部出稿など積極的なプロモーションも行うことで、確実にユーザーを増やしているようだ。「Amebaの既存ユーザーだけではなく、新たに登録をしてゲームを楽しんでくれるユーザーが増えているという実感はある。」と話す神谷氏。しかし、その一方でリリース後もゲームの改善に努めており、さまざまな課題を解決していく必要もあるという。
株式会社サイバーエージェント アメーバ事業本部 ソーシャルゲームディビジョン プロデューサー 鈴木 恵美子氏 |
(取材・文・撮影:野本幹彦)
>>> 後編に続く