さまざまなジャンルで活躍するデザイナーの来歴をたどるシリーズ。今回はグラフィック&映像クリエイターのヨシマルシンさんを取材し、今日までの足跡をたどります。
第4話 キャットダンサーになりたい
愛猫の遊び道具「キャットダンサー」を手にするヨシマルシンさん
VJの感覚に近い、多種多彩の作風
──現在の仕事は企業のHPからお笑いDVDのパッケージまで、多種多彩ですね。
ヨシマル●よく職種を聞かれるんですけど、なんて言えばいいかわからないから、いつもウヤムヤに答えるんです。映像をやったりアニメーションも作りつつ、ジャケット・デザイン、イラスト、あとたまに音楽もやったり……という感じで、ズバッと「こういう職業です」というのをゴマカシて。
──作風もスタイリッシュなものからコミカルなものまで、いろんなテイストがある。
ヨシマル●基本的に仕事は受注の立場だからなんでもやるし、クライアントの「こういうものにしたい」という希望に応える態勢です。言ってみれば、いろんなことをやってようやく食べられてるって感じなんですよ。あと、あまり区分けをしたくないんですね。僕自身の中で区切れてない。デザイン自体はシンプルなほうがいいと思っていて、卒業制作の頃から削ぎ落とすことが醍醐味のときもありますが、どんどん足していくことの醍醐味も同時にあって。それって、クラブで臨機応変に対応しなくてはならないVJの感覚に近いのですが。
──なるほど。
ヨシマル●でも僕の中では、まだやりきれていないと思ってて。削ぎ落とすのは、もっと削ぎ落とせるはずなんです。足していくのも、もっと壮大にできるはずで。だから、まだまだ中途半端と思っていて、両方突き詰めたいと目標にしてます。やりたいこともいっぱいあるし。
──たとえば?
ヨシマル●去年、初めて自分のキャラクターのアニメーションが、テレビ神奈川で放映されたんです。3月にDVDが出る『ワンダフルワールド』という作品ですが、脚本は僕ではない。だから今後は全部込みで、コンセプトもキャラも作画も音楽も、すべて自分で作りたいと思っています。コントやポエムも隠れて書いていて、デザインも音楽もやってますから、そこにすべて集約できたらなと。無謀ですが(笑)。
ヨシマル●よく職種を聞かれるんですけど、なんて言えばいいかわからないから、いつもウヤムヤに答えるんです。映像をやったりアニメーションも作りつつ、ジャケット・デザイン、イラスト、あとたまに音楽もやったり……という感じで、ズバッと「こういう職業です」というのをゴマカシて。
──作風もスタイリッシュなものからコミカルなものまで、いろんなテイストがある。
ヨシマル●基本的に仕事は受注の立場だからなんでもやるし、クライアントの「こういうものにしたい」という希望に応える態勢です。言ってみれば、いろんなことをやってようやく食べられてるって感じなんですよ。あと、あまり区分けをしたくないんですね。僕自身の中で区切れてない。デザイン自体はシンプルなほうがいいと思っていて、卒業制作の頃から削ぎ落とすことが醍醐味のときもありますが、どんどん足していくことの醍醐味も同時にあって。それって、クラブで臨機応変に対応しなくてはならないVJの感覚に近いのですが。
──なるほど。
ヨシマル●でも僕の中では、まだやりきれていないと思ってて。削ぎ落とすのは、もっと削ぎ落とせるはずなんです。足していくのも、もっと壮大にできるはずで。だから、まだまだ中途半端と思っていて、両方突き詰めたいと目標にしてます。やりたいこともいっぱいあるし。
──たとえば?
ヨシマル●去年、初めて自分のキャラクターのアニメーションが、テレビ神奈川で放映されたんです。3月にDVDが出る『ワンダフルワールド』という作品ですが、脚本は僕ではない。だから今後は全部込みで、コンセプトもキャラも作画も音楽も、すべて自分で作りたいと思っています。コントやポエムも隠れて書いていて、デザインも音楽もやってますから、そこにすべて集約できたらなと。無謀ですが(笑)。
ヨシマルさんの仕事より
CICADA「KUSSA」PV
「宇川直宏さんの監督作品です。老人の幻聴とシンクロする幻覚をアブストラクトなオブジェクトで表現しました。昨年末に出た宇川直宏さんのDVD、INTOXICATING MUSIC CLIPS OF UKAWA NAOHIRO『MAD HAT LAUGHS!!!!!』にも収録されています!!!!!!!!!!」
タナカカツキ「デジオ」の衝撃
──では、最後にアドバイスを。
ヨシマル●ないです(笑)。どんどん若くて、すごい才能の持ち主たちが出てきてますし、すでに年下がたくさんいて現時点でも負けてますし。だから、アドバイスはないです。
──負けられないぞと。
ヨシマル●はい。がんばります!
──ところで、お持ちの道具(写真)なんなんですか?
ヨシマル●これは「キャットダンサー」といって、猫の玩具用にペットショップで売ってるものです。この動きが猫を刺激して、テンション上がって踊り出す。言ってみれば猫にとってのクラブ空間、DJやVJみたいな役割というか...。だから僕も、見る人が心踊るような、人の脳内にキャットダンサーとして機能するものが作りたくて。これに勝ちたい(笑)。
──猫がお好きで?
ヨシマル●ええ。猫を見てると、猫を楽しませる映像とか……無理なんですけど作ってみたいなと。いま僕がやっていることって、形を作ったり色を選んだり、音や空間を配列したり、それを時間軸に並べたりという作業ですよね。ちょっと俯瞰で見ると、まったく無意味に思えて。あまり、すごいことをやっているイメージがない。ましてや猫と暮らしていると、自分がテンパリながらやったことって、猫にとってはどーでもいいことだし。たとえば猫が壁を引っ掻いているのと、同じことをやってるだけかと思えて。だから、まったくカッコいいものに感じられない。でも、仕事は楽しいです。なんでこんなに無意味で、かつ楽しいんだろう……本当に猫にとってのキャットダンサーみたいですけど。そこを突き詰められたら、と思っています。
ヨシマル●ないです(笑)。どんどん若くて、すごい才能の持ち主たちが出てきてますし、すでに年下がたくさんいて現時点でも負けてますし。だから、アドバイスはないです。
──負けられないぞと。
ヨシマル●はい。がんばります!
──ところで、お持ちの道具(写真)なんなんですか?
ヨシマル●これは「キャットダンサー」といって、猫の玩具用にペットショップで売ってるものです。この動きが猫を刺激して、テンション上がって踊り出す。言ってみれば猫にとってのクラブ空間、DJやVJみたいな役割というか...。だから僕も、見る人が心踊るような、人の脳内にキャットダンサーとして機能するものが作りたくて。これに勝ちたい(笑)。
──猫がお好きで?
ヨシマル●ええ。猫を見てると、猫を楽しませる映像とか……無理なんですけど作ってみたいなと。いま僕がやっていることって、形を作ったり色を選んだり、音や空間を配列したり、それを時間軸に並べたりという作業ですよね。ちょっと俯瞰で見ると、まったく無意味に思えて。あまり、すごいことをやっているイメージがない。ましてや猫と暮らしていると、自分がテンパリながらやったことって、猫にとってはどーでもいいことだし。たとえば猫が壁を引っ掻いているのと、同じことをやってるだけかと思えて。だから、まったくカッコいいものに感じられない。でも、仕事は楽しいです。なんでこんなに無意味で、かつ楽しいんだろう……本当に猫にとってのキャットダンサーみたいですけど。そこを突き詰められたら、と思っています。
ヨシマルさんの仕事より
アニメDVD『ワンダフルワールド』キャラクター&アニメーション
「2007年にテレビ神奈川で放送されていたアニメ(全22話)が、今年3月19日にDVDで発売されます。高田純次さんや浅井企画の芸人さんたちが声で出演しています。ちなみにこのアニメ、アシスタントなしです(笑)」
アニメDVD『ワンダフルワールド』キャラクター&アニメーション
「2007年にテレビ神奈川で放送されていたアニメ(全22話)が、今年3月19日にDVDで発売されます。高田純次さんや浅井企画の芸人さんたちが声で出演しています。ちなみにこのアニメ、アシスタントなしです(笑)」
「これがデザイナーへの道」第20回、ヨシマルシンさんのインタビューは今回で終了です。
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)
|
[プロフィール] ヨシマルシン●1972年岩手県盛岡市生まれ。グラフィック&映像クリエイターとして活動中。テレビ番組のオープニング・アニメーション、ミュージックPV、コマーシャルなどの他、DVDやCDのパッケージ、Webデザイン、VJなどを手がけている。 |