第3回 他メディアとの連携方法 ~その2~ - WEBクロスプロモーション講座 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第3回 他メディアとの連携方法 ~その2~ - WEBクロスプロモーション講座

2026.4.22 WED

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ビジネスゴールを達成するクロスプロモーションについて考える
WEBクロスプロモーション講座

株式会社MI
経営企画室部長 兼エグゼクティブプロデューサー
前島俊樹


第3回
他メディアとの連携方法 ~その2~


まずはクライアントのニーズをくみ取り、実践しているサービスを理解することが重要。プロモーションの成否は、どうしたらそれらのビジネスへ貢献できるかを徹底して考え抜くことが、カギを握っている。


プロモーションプランの組み立て方

まずはサービスの熟知とクライアントニーズの把握から始める
プロモーションを立案していくにあたって、ゴールを明確にする必要性は以前にも書いたと思うが、ではどのようにゴールを設定していけばいいのか?【1】

【1】ビジネスゴール達成を意識したプロモーション立案までのステップ
【1】ビジネスゴール達成を意識したプロモーション立案までのステップ


まずは、対象となるサービスを理解することから始めたい。サービス・商材の内容、単価、市場での認知度、対象ユーザー、クロージング方法などである。プロモーションを行うにあたってとても重要な要素であるにもかかわらず、ここに時間をかけずに立案しているケースが非常に多い。特に、Webプロモーションを中心に行っている人たちにこの傾向がある。

今までのWebプロモーション評価軸は、インプレッション数やクリック数などが中心であったため、サービス理解が薄くてもそれなりの成果は出せてきたが、クライアントの経験値やWebプロモーションへの期待値が上がるにつれ、評価軸がインプレッション数、クリック数からコンバージョン数にシフトしており、サービス理解なくしてはクライアントの求める成果を出せなくなってきている。そのサービスの業界での状況(販売実績や競合商品)、価格や利益率、販売チャネル、社内の運用体制などを実際にクライアント担当者になったつもりで咀嚼していくことで、ビジネスゴールが見えてくるからである。

方法としては、クライアント各担当者へのヒアリングや、IR資料の閲覧などが考えられる。クライアント担当者へのヒアリングでは、Webプロモーションの担当者のみでなく、経営企画部門、開発部門、リアル媒体の宣伝部門、コールセンター部門など他部門へも行えると理想的である。直接的にプロモーションにつながらない部分もあるので、小規模のプロモーションではなかなか実現は難しいと思われるが、協力を要請してみよう。

おもなヒアリング内容としては、サービスの強み・弱み、ターゲットユーザー、中長期的な目標、販売チャネル、体制などが挙げられる。同じ質問でも、おそらく各部門によって回答が異なってくるだろうが、クライアント内のさまざまなポジションでのニーズをとらえることによって、よりクライアントを知ることができ、ひいてはサービス理解へとつながっていくと考えられる。また、十分なヒアリングができない場合でもIR資料などによって補完したい。上記の作業によって、サービスそのものを理解し、クライアントニーズも把握していくことが可能となる。サービスを深く理解することによって、プロモーション時のメディア選定や予算設定、ランディングページのコンテンツ作成に大いに役に立つはずだし、クライアントニーズを把握することは、この次のステップで行うユーザーニーズの把握と相まってプロモーション立案の基礎となる【2】。

【2】クライアントのこれらの対象部門へここで挙げた内容をヒアリングすることによってサービスを理解することができる
【2】クライアントのこれらの対象部門へここで挙げた内容をヒアリングすることによってサービスを理解することができる


クライアントニーズとターゲットユーザーニーズのギャップを明確にする
前記のステップの次に行いたいのが、ターゲットユーザーのニーズを把握することである。サービスを理解したうえで、クライアントニーズ(理想)とユーザーニーズ(現実)のギャップを洗い出すことによって、プロモーションで解決すべき課題が明確になっていくのである。これは、プロモーションに限らずWebサイト改善などにも共通する作業となるので、必ず押さえるように心がけておきたい。

ユーザーニーズを把握するためのおもな手段としては、アンケート、グループインタビュー、ログ分析などが挙げられる。アンケートでは既存顧客、潜在顧客の両者に対して広く調査を行うことができるため、ユーザートレンドをつかむのに有効だと思われる。グループインタビューは、文字ベースでなく生の声や行動を拾えるため、ユーザーが期待するサービスや課題に関してかなり詳細な部分まで吸収できる。サービスのWebサイトのログ分析によって、各ページのPVや検索ワードからユーザーの期待しているコンテンツを把握したり、リファラーによってユーザーと親和性の高いサイトも把握できる。

クライアントニーズとユーザーニーズの両方を抽出したところで、両者のギャップを洗い出す作業に入る。サービス自体、価格、認知メディア、契約・販売チャネルなどの項目ごとに整理して比較してみる。ここで発生するギャップをどう埋めていくかが、プロモーション立案になるといっていいだろう。

ギャップをもとにしてプロモーションを立案していく
女性向けの商品を例にして考えてみよう。クライアントニーズとユーザーニーズの一部を抜粋すると下記の表のような結果だったとしよう【3】。

【3】クライアントニーズとユーザーニーズの間にはギャップが存在するが、それをもとにプロモーションを立案していくことでコンバージョンの上昇がもくろめる
【3】クライアントニーズとユーザーニーズの間にはギャップが存在するが、それをもとにプロモーションを立案していくことでコンバージョンの上昇がもくろめる


①に関しては、商品戦略要素になるのでプロモーション単体での補完は難しいが、セット販売を強化するという判断が出れば告知キャンペーンにつながるだろう。②~⑤の項目から考えられるプランとしては、主婦向けの雑誌に予算を集中させ、極力販売単価を1万円に近づけるために高級感を感じさせるクリエイティブにする。また、購入導線として、電話購入ができることを大きく訴求し、コールセンターへのフリーダイヤルの番号を大きく掲載する。あくまでも参考レベルなので、実際にはもっと緻密に検討する必要があるが、こういった考え方で組み立てていくことで、コンバージョンが上がっていくはずである。


他メディアとの連携② ~テレマーケティング(コールセンター)~

テレマーケティング(コールセンター)のおもな特長
前号では、Webとテレビとのクロスプロモーションについて考えた。今回は、サービスのコンバージョンに威力を発揮するチャネルとしてテレマーケティング(コールセンター)との連携を取り上げたいと思う。Webとのクロスプロモーションを考えるとき、テレビ、ラジオなど主要4媒体などを意識するケースは多いと思うが、サービスの契約や商材の販売においてWebとテレマーケティングの親和性が高いことは、意外と認知されていないように思う。特にWeb業界に携わる人たちにとっては、もっともイメージしづらいチャネルになるかもしれないので、テレマーケティングの概要から説明してみたいと思う。

テレマーケティングは大きくふたつに分けられる。アウトバウンドコールとインバウンドコールである。アウトバウンドは、特定のリストに基づいて企業サイドからユーザーに向けてプッシュ型でコールしていく。アンケートや会員登録などで集めた潜在ユーザーや契約・購入実績があるがしばらくアクションがない休眠ユーザーに対して、ONE-TO-ONEでアプローチして契約や販売を行っていくため相手の雰囲気に応じて対応できるためコンバージョンの確率が上がる。また「メディア機能」と「プラットフォーム機能」の両面を併せ持っている点はWebと共通している。

一方インバウンドは、ユーザーからのお問い合わせや注文に対応するプル型のチャネルとなる。多くの人が経験していると思うが、フリーダイヤルでコールして対応している形態がインバウンドのコールセンターである。Webリテラシーの低いユーザーに対してはWebフォームによる申し込みに比べ作業負荷が軽減されるのでコンバージョン率が格段に上がる【4】。

【4】テレマーケティングは大きくふたつに分類できる。それぞれの特長を把握することでプロモーションに役立てられる
【4】テレマーケティングは大きくふたつに分類できる。それぞれの特長を把握することでプロモーションに役立てられる


Webとの補完性の高いテレマーケティングとの
連携強化について考えてみる

クライアントからの要望がコンバージョンに推移してきていることを前提にプロモーションを考えるとき、Web上でのコンバージョン率を意識しているだけではビジネスゴール達成にはつながっていかない。Webで拾いきれないユーザーをいかに獲得していくかに意識をおいて提案することが望まれてくるはずである。特にシニア層やWeb初心者などのWebリテラシーの低い層をターゲットにする場合や、サービス・商材の特性上フォームでの入力項目が多くなる場合においては、フォーム内での離脱が増えてくる。

ECサイトで購入フォームに入るということは、リアル店舗の場合ではレジに並んでいる状態である。業務上多くのECサイトのログを分析してきたが、購入フォームに入ってからの離脱率が50%以上というケースが非常に多い。リアル店舗でレジに並んで、その途中でやめる人がどのくらいいるかを考えてみてほしい。おそらく5%もいないのではないだろうか? せっかくプロモーションにコストをかけて集め、コンバージョン寸前まで誘導したユーザーをフォームへの入力負荷のみの原因で離脱させてしまうのは、本当にもったいない話である。

運用コストまでを考えるとWeb上で完結するのがいちばん費用対効果が高いので、極力Web完結するようにフォーム自体の設計を意識しなければならないが、それだけですべてのユーザーをフォローすることは難しい。インバウンドのコールセンターとの連携によって離脱者の救済を行うことを積極的に検討すべきである。

また、メディア機能としてアウトバウンドコールもメディア選定の際に検討するべきである。特に競合商品との差別化要因が少ないケースなどは、ONE-TO-ONEのアプローチでの一押しがコンバージョンにつながるケースも多いので押さえておきたい。

Flashビデオチャットシステムを活用した
テレマーケティングとの連携イメージ

Flashの技術を活用してビデオチャットシステムとフォームを連携させることで、Webとテレマーケティングの融合がより効果的になる。最近のコールセンターのCTI(Computer Telephony Integration)はWebベースのものもあるため、Flashとの連携が容易になっており、導入も現実的になっている。

①フォームで入力してもらう。このまま完了してもらうのが理想である。
②エラーが2回以上出た場合、多くのユーザーはここで離脱するケースが多い。
③もしエラーが2回以上出た場合、フォーム上にビデオチャット画面が出現し、コールセンターのオペレーターがそこからの作業を音声で教えてくれたり、入力を代行してくれる。


現状ではWebサイトのすべてのページにフリーダイヤルに番号を表記しているケースが多いが、費用対効果の高いWeb完結型を理想とした場合、常時表記せずに離脱寸前のユーザーにのみコールセンター連携をするこのモデルはかなり有効な手段となってくるかもしれない【5】。

【5】Flashによるビデオチャットシステムを活用したWebとテレマーケティングとの連携サイトのイメージ。フォーム入力時にエラーが2回以上発生するとビデオチャット画面が表示され、オペレーターが作業を教えてくれたり入力を代行してくれる
【5】Flashによるビデオチャットシステムを活用したWebとテレマーケティングとの連携サイトのイメージ。フォーム入力時にエラーが2回以上発生するとビデオチャット画面が表示され、オペレーターが作業を教えてくれたり入力を代行してくれる

本記事は『Web STRATEGY』2006年5-6 vol.3からの転載です


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