第4話 クリエイティブな環境を求めて | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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転職はゴールではない 3年目の壁、5年目の転機

“仕事の壁”は誰にでもやってきます。そんなとき、ほかのみんなは、どうしているのでしょうか? このコーナーでは、今まさに壁を乗り越えようとしている人、乗り越えて一歩先に進んだ人など、クリエイティブ業界でがんばる仲間たちが登場。これまでの失敗談・成功談や現在の課題、そして将来像を語ります。今の仕事に前向きに取り組み、階段を一段登るためのヒントが得られるはずです!


第10回 株式会社 dig 村上 享さんの場合


株式会社digのクリエイティブチーム・チームリーダーの村上享さんがパソコンに出会ったのは、ちょうど10年前、高校1年生の頃だ。高校の情報技術科コースでコンピュータの基礎やプログラミングの知識を3年間みっちり学び、卒業後はゲーム制作の仕事を目指し日本電子専門学校・コンピュータグラフィックス科に進学。しかし、ゲーム会社は狭き門。就職活動の合間に行っていたWeb制作会社でのアルバイトで、いつしかアルバイトをまとめるリーダー的な立場になったのをきっかけに、そのまま就職することとなる。その後、デザイン会社、大企業での派遣を経験するうちに、よりクリエイティブに没頭できるような会社を探し求め、出会ったのが株式会社dig。現在は、弱冠26歳にしてクリエイティブチームのチームリーダーとして活躍中だ。そんな彼に、これまでの軌跡、そして現在の仕事について、お話を伺ってみました。


第4話 クリエイティブな環境を求めて

──派遣されたシステム制作会社の契約を早々に終了されたのは、何が原因だったんでしょうか。
村上●派遣という間接的な立場がいやだったのと、社員数も5000人ほどの大企業だったので、会社の雰囲気も簡単に言うと窮屈なものでした。とはいえ定時で帰れるような環境だったので、割り切って考える人にとっては理想的な環境だったと思います。でも自分はまだ20代なのに、もっとバリバリ働かなくてはいけないんじゃないかと思うようになって。最後には「社員にならないか」と誘われたりもしたんですが、「苦しい生活になってもいいので、クリエイティブな環境を求めて他に行きたい」と会社に伝えました。

──普通に条件のみで考えたら、大企業での正社員を選択する人が多いでしょうね。
村上●そうかもしれません。でも自分の中には理想的な職場の雰囲気があって。社員同士が協力しながら何かを作り上げていく実感ができるような職場を求めていたんです。その会社は大きすぎて、残念ながらそういう雰囲気ではなかったんですね。

──そして次に入社されたのが、現在のdigというわけですね。
村上●はい。digの面接を受けるときには、普通に面接に臨んでもダメだなと思い、軽くプレゼンのような形で、いくつかのWebサイトの診断を面接時にやってみたんです。そうしたら面接がすごく盛り上がって。晴れて入社することができました。

──digはまさに求めていたクリエイティブな環境ですか?
村上●はい。自分は26歳で既に4社目なんですけど、ここでやっと落ち着けるかなと思っています。会社の規模も小・中・大と経験していった上で、仕事内容も職場の雰囲気もいちばん理想的な環境を見つけることができたなと感じています。

──昨年秋に、村上さんはクリエイティブチームのリーダーになられたそうですね。
村上●はい。私たちチームの他にシニアデザイナーがいて、社長である松本がクリエイティブリーダーという形で、自分は現場をまとめる立場になりました。今は細かい作業があったら、とりあえず自分のところに話が来るという感じです。コーディングに関しては社内でマスターを作る立場になっているので、細かいコーディングの相談もされたりします。

──村上さんのこれまでの軌跡を振り返ってみると、臨機応変にその都度自分に与えられた仕事をこなしていきながら、徐々に自分の進みたい方向性を見つけられていったようですね。
村上●そうですね。自分は仕事をしながら、いろいろなことを覚えていったので、デザインの基礎や色についての基礎知識など、改めてもっと勉強すべきことはたくさんあるなと思っています。まだまだデザインに関して自分は発展途上だと思っているので、もっと努力と経験を積み重ねていきたいですね。

──これから転職をしようと考えている読者の方にアドバイスするとしたら、どんなことでしょうか。
村上●自分も面接を担当することもあるんですが、いろいろな人を見ていると、面接のときに、できないことでも「できます」とどうしても言いがちですよね。でもそれは逆に、一緒に仕事をやっていく上で信用できないなと思ってしまいます。できないことは「できない」と言ってくれた方がいい。テストを見たら「できる・できない」は明確にわかってしまうので、それよりは自信をもって自分をさらけ出してくれた方がいいなと思います。できないけれども努力している姿勢、それを見せるのが大事ではないでしょうか。

──なるほど、参考になります。本日はありがとうございました。


(取材・文:草野恵子 撮影:栗栖誠紀)


株式会社 dig
http://www.dig.co.jp/
設立11年目を迎える株式会社dig。企業イメージの最適化・最大化を目的として調査・立案からWeb構築・運用、各種プリントメディアのグラフィックまで、トータルなイメージコンサルティングをきめ細かく行っている。2005年にはクライン ダイサム アーキテクト設計によるスタイリッシュな自社オフィスを建設、撮影スタジオの運営も行っている。


ぴあ株式会社「チケットぴあ」Eコマースサイト

http://t.pia.jp/

株式会社日比谷花壇「HK-Wedding」ブランドサイト

http://www.hk-wedding.jp/

株式会社サンエー・インターナショナル「ジル スチュアート」ブランドサイト

http://www.jillstuart.jp/

今回で村上 享さんの記事は終わりです。次回をお楽しみに!



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