第2回 ホスティングサーバの種類 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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第2回 ホスティングサーバの種類
文=野本幹彦

ホスティングサーバは、「共用サーバ」、「専用サーバ」、「VPS」の3種類に大別される。それぞれ違った特徴とメリットがあるため、サーバを選ぶ際にはどの種類を利用するか、きちんと把握しておかなければならない。今回は、ホスティングサーバの種類と特徴・メリットを紹介していこう。

「共用サーバ」と
「専用サーバ」の違い

共用サーバとは、複数のユーザーが共同で1台のサーバを利用するサービス形態だ。一方、専用サーバは、1ユーザーが1サーバを占有でき、自由に利用できることが大きな特徴となっている。もちろん共用サーバのほうが専用サーバよりも低価格で利用できるが、専用サーバには機能面で共用サービスにはないメリットが多数ある。拡張性や高機能性を求めるなら、専用サービスを利用したほうが将来的なコストメリットにもつながるはずだ。

共用サーバと専用サーバの最大の違いは、CPUやメモリなどのリソースを“共用”で利用するか、“専用”で利用するか、ということに尽きる。つまり、専用サーバはサーバの持つ能力をフルに活用できるため、高いパフォーマンスを得ることができるわけだ。また、共用サーバの場合、同じサーバを利用している別のユーザーにトラブルが発生したときに、そのトラブルの影響を受けてしまうというデメリットがある。同様に、同じサーバを利用している別のユーザーが外部からサーバに意図的に負荷をかけるDoS(Denial Of Service)攻撃などの被害に遭った場合も、巻き込まれてしまう(DoS攻撃を防御できる共用サービスもある)。

一方で、共用サーバはサーバ管理をホスティングサービス会社に任せることができ、専門知識がなくても簡単に利用できるというメリットがある。専用サーバはサーバの管理者権限(root権限)が与えられるため、OSや機能などを自由にカスタマイズして使えるが、ある程度の知識がなければ使いこなすことは難しい。専用サーバの中には、管理や運用をホスティングサービス会社に委託できるオプションが用意されていることもあるので、必要な場合は検討してもよいだろう。


共用サーバ・専用サーバ・VPSのメリットおよびデメリット

新たなサービス
――VPS

VPS(Virtual Private Server)は、ここ数年の間に広がってきたサービスで、複数のユーザーが1台のサーバを使っている点では共用サーバと同じだが、仮想化という技術を使って専用サーバと同じような使い勝手で利用できるサービスだ。1台のサーバ内に仮想化された複数のサーバ環境をつくっているため、各ユーザーは専用サーバと同じように管理者権限を持つことができ、OSや機能なども自由にカスタマイズできる。もちろん複数のユーザで共有しているため、専用サーバよりもパフォーマンス面では多少劣るが、コストを抑えて自由に利用できるメリットは高い。

VPSの大きな特徴のひとつは、各ユーザーごとに割り当てるCPUやメモリなどのリソースをホスティングサービス会社側で管理できることだ。これを利用してリソース割当量を保証してくれるサービスもあるので、VPSを選ぶときにはチェックしておこう。

静的なコンテンツで構成される一般的な企業サイトなどを制作し、それほど多くのアクセスもない場合は共用サーバで十分に賄える。大きなコンテンツを持っていたり、ユーザーからのアクセスが多いWebサイトを制作する場合は、コストと機能、管理者の有無やコストなども考えながらVPSや専用サーバを選択していくことになるだろう。ホスティングサーバを利用する場合は、サイト規模や目的をしっかりと見極めたうえで必要なサーバを選ぶ必要がある。単にコスト面だけを考えて選んだ場合、「必要機能が追加できない」、「管理コストが高くつく」、「十分なサービスを提供できない」といったトラブルにつながるので注意が必要だ。


VPSの利用イメージ

>>> 第1回 ホスティングサーバとは?
>>> 第2回 ホスティングサーバの種類
>>> 第3回 ホスティングサーバの選び方
>>> 第4回 ホスティングサーバ導入までの流れ
>>> 第5回 導入時に覚えておきたいセキュリティ知識
>>> 第6回 ホスティングサービスのアプリケーション活用法


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