Illustrator（イラレ）で画像を配置・挿入する方法を紹介します。Illustratorには「画像を埋め込んで配置する方法」と、「画像をリンクさせて配置する方法」の2パターンがあります。それぞれ特性があるので理解して使い分けましょう。

■使用する機能「配置」「リンク」「画像を埋め込み」「埋め込みを解除」

1.画像を配置する手順

まずは、Illustratorで画像を配置します。ファイルメニュー→“配置...”で表示されたダイアログ内の画像ファイルを選んで［配置］を押したあと（図1）（図2）、画面上をクリックして画像を配置します（図3）。

2.「埋め込まれた画像」と「リンクされた画像」

これで無事に画像は配置されましたが、実はIllustratorであつかう画像には、「埋め込まれた画像」と「リンクされた画像」の2種類があります（図4）。

この種類は、配置するときに［リンク］の項目にチェックを入れたか、入れてないかで分かれます（図5）。

どのように違うのか順番に解説します。

3.埋め込んで配置した画像

まずは、埋め込まれた画像です。その名の通り画像はIllustratorに埋め込まれてセットで保存されます（図6）。

そのため、画像のデータの分だけIllustratorのデータも重くなります。たとえば、複数の画像を埋め込んだとしたら、その数だけデータも重くなります（図7）。

読み込み時間を短縮したい場合は、リンクで画像を配置します。

4.リンクで配置した画像

画像をリンクで配置した場合は、データ自体は別の場所にあるものをIllustrator上に映し出すようなイメージとなるので、データが軽くなります（図8）。

また、Photoshopなどで画像を修正した場合など、そのままで変更が反映されるため、手間が少ないのもリンク画像のメリットです。

Illustratorで画像を使って作業をするときは、画像をリンクにした方が早く操作することができます。

5.リンクされた画像の注意点

ただし、データが別の場所に保存されているからこそのエラーも起きます（図9）。リンクの状態では、「〇〇フォルダにある□□という画像を表示する」という設定になっています。

なので、次の場合は画像が見つからない状態となり、エラーが起こります（図10）。

リンクされた画像でエラーが起こるケース

• 画像の保存名を変えた場合
• 画像の保存先を変更した場合
• 別のPCからIllustratorのデータを開いた場合

このエラーを回避するためには、上の3つをやらないようにするか、画像を埋め込む必要があります。埋め込んでしまえば、Illustratorのデータと画像がセットなので問題ありません。

6.「埋め込んで配置した画像」と「リンクして配置した画像」の使い分け

どちらの画像の設定も長所と短所があるので、「作業中は画像をリンクさせる」、「入稿などの別のPCと画像を共有する必要がある場合は画像を埋め込む」という使い分けがおすすめです（どうしてもリンク画像でデータを共有したい場合は、最初にフォルダやデータの保管場所を共有する環境やルールを決めましょう）。

なお、画像がリンクされているのか？埋め込まれているのか？を確認する方法は、ウィンドウメニュー→“リンク”でリンクパネルを開き（図11）、該当する画像のレイヤーの右側を確認します。リンク（鎖）のマークがついていた場合は、リンクされた画像となります（図12）。

リンクされた画像を埋め込みの画像に変更したい場合は、リンクパネルで該当の画像のレイヤーを選んだ状態で、右上のメニューから［画像を埋め込み］をクリックします（図13）。すると、リンクのマークが外れて埋め込みの画像にできます。

逆にリンクに戻したい場合は、リンクパネルの右上のメニューから［埋め込みを解除...］をクリックします（図14）。すると、ダイアログが表示されるので、保存先を決めて［保存］を押せば、リンクされた画像になります（リンクのマークが再表示）。

以上、Illustrator（イラレ）で画像を配置する2つの方法（画像を埋め込んで配置、画像をリンクさせて配置）でした。
●構成：編集部、専門学校講師のイラレさん　●制作：専門学校講師のイラレさん　●編集：編集部