• はてなブックマーク
  • RSS
  • Line

2021.09.09 Thu2021.12.16 Thu

Photoshop逆引き辞典「レタッチ」編

画像の一部を消す

Photoshopで画像の一部や背景を消す方法を説明します。「消しゴムツール」「背景消しゴムツール」「マジック消しゴムツール」を用途に合わせて使い分けたり、複合的に利用すると綺麗に消すことができます。

■使用する機能「消しゴムツール」「背景消しゴムツール」「マジック消しゴムツール」

1.「消しゴムツール」で画像の一部を消す

「消しゴムツール」(図1)はドラッグした部分のピクセルを背景色、または透明のピクセルに変換するツールです。

図1

背景レイヤーもしくは透明ピクセルがロックされたレイヤーを消しゴムツールでドラッグした場合は、消去した部分が背景色になります(図2)(図3)。

図2
図3

透明ピクセルがロックされていない標準のレイヤーを消しゴムツールでドラッグした場合は、消去した部分が透明のピクセルになります(図4)(図5)。

図4
図5

※なお、背景レイヤーを標準のレイヤーにするには、レイヤーパネル上の背景レイヤーにポインターを合わせてダブルクリックします。

消しゴムツールのオプションバーでブラシの種類やサイズ、[モード]の選択(どういうエッジで消去するか)、[不透明度]の設定など、細かい調整も可能です。用途に合わせて調整して使用しましょう。

2.「背景消しゴムツール」で画像の一部を消す

「背景消しゴムツール」はドラッグした部分を透明のピクセルに変換するツールです。エッジの消去に役立ちます。ブラシの中央の色を抽出してブラシ内の近い色を削除します。ここでは、ブラシの中央は空の色を抽出しているので(図6)、ドラッグしても草木の部分は削除されません(図7)(図8)。

図6
図7
図8

このように、背景消しゴムツールは消したい背景の色味が抽出する色味と近い場合に使用すると効率的に作業ができます。

オプションバーの[許容値]は、ブラシ中央の色とどれくらい近い色を消去するかを設定します。数値が高いと消去する色の範囲が広がり、逆に数値を下げるとブラシ中央に限りなく近い色だけを消去するので消去の範囲は狭まります。

例えば、消去する箇所のエッジの色味がはっきりしている部分は[許容値]の値を高くして背景を消去して(図9)、消去する箇所のエッジの色味の差があいまいであれば、値を低くして背景を消去すると効率的に作業ができます(図10)。

図9。消したい空と木々の色味の差がはっきりしているので[許容値:50%]に設定
図10。消したい空と海面の色味の差があまりないので[許容値:10%]に設定

3.「マジック消しゴムツール」で画像の一部または背景を消す

「マジック消しゴムツール」はクリックしたピクセルに近い色のピクセルをすべて透明ピクセルに変換します。背景を一度に消去することもできます。

オプションバーの[許容値]は、クリックした色とどれくらい近い色を消去するかを設定して、消去する色の範囲を指定します。数値が高いと広い色の範囲のピクセルが消去され、許容値を低くすると近い色の範囲のみ消去されます。

マジック消しゴムツールを選択して、[許容値:10]に設定して背景をクリックした画像(図11)と、[許容値:50]に設定して背景部分をクリックした画像(図12)。消去する範囲が広がり、鳥居以外の部分が透明ピクセルになったことが分かります。 ※背景色は変化が分かりやすいように赤で塗りつぶしています。赤色の部分が透明ピクセルの状態。

図11[許容値:10]
図12[許容値:50]

オプションバーの[隣接]にチェックを入れるとクリックしたピクセルの隣り合うピクセルのみ消去されます。

よって、上記の画像で同じ[許容値:50]でも、隣接にチェックを入れた状態で背景をクリックすると、背景は隣接部分のみ消去されます(図13)。

図13

クリックした部分の色と近い色のピクセルを全て消去したい場合は[隣接]のチェックを外してクリックすれば一度に消したい部分を消去することもできます(図14)。

図14

以上、Photoshopで画像の一部や背景を消す方法でした。消したい箇所と残したい箇所の状態など画像によって用途を選択しながら補正しましょう。

制作:マルミヤン 編集:編集部

作例制作

MARUMIYAN(マルミヤン)
グラフィックデザイナー/イラストレーター
2007年より「マルミヤン」(Marumiyan)名義で、福岡を拠点に活動を開始。雑誌、広告、CDジャケット、パッケージ、アパレル、プロダクト、Webなど、様々な媒体で活動を行う。人物や植物、動物、建物など、様々なアイコンをグラフィカルに組み合わせ、洗練された作品作りを目指す。また “FOUR DIMENSIONS WORLD” をテーマとした作品も精力的に制作している。2008年「FUNKY802 digmeout」オーディション通過。https://marumiyan.com/
  • Instagram

「レタッチ」の他の記事

一覧を見る