「SURIMACCA」でシルクスクリーンをやってみた【基本編】
スリマッカでオリジナルの版を作成し、レトロな味のあるシルクスクリーン印刷を試してみた!
手づくりの楽しさが味わえる「印刷」と「乾燥」
今回は布バッグに印刷していきます。印刷面を平らにするためと裏側に色が写らないようにするため、バッグの中に厚紙やクリアファイルなどを入れます。そしてバッグの上にフレームに張った版を置き、印刷したい位置に合わせます。
インクをよく混ぜ、ヘラなどで版の図版の上の方にたっぷりと置きます。スキージーを45度の角度で持ち、手前に引いていきます。このとき、別の人に押さえてもらうか、別売りの「SURIMACCAホルダー」などでフレームを固定すると、ズレずに印刷できます。版の上やスキージーに付いて残ったインクは、乾燥する前であればまた使うことができるので、すみやかに容器に戻しましょう。
インクが乾くと布に定着し洗濯も可能になりますが、乾燥には少し時間がかかります。置き場所と時間の余裕があれば自然乾燥でもよいですが、ドライヤーで表面を乾かし、クッキングシートを乗せた上からアイロンをかけると短時間でしっかりと乾燥させることができます。
印刷が終わったら、インクが乾かないうちに版やインクを塗ったヘラ、スキージーを水洗いします。インクが落ちたら版はやわらかい布や紙などで水気を拭き取り、ドライヤーで乾かします。そして、フレームを組んだ手順を遡るように、シリコンゴムや浮かしパーツを外し、版を外します。シリコンゴムは再利用できるのでとっておきましょう。版は一度きりの使用が推奨されていますが、自己責任のもとまたフレームに張って再利用することもできます。その場合は、図案部分に傷がつかないよう丸めて筒に入れたり、クリアファイルに挟んだりして保管しておくとよいでしょう。
まとめ
一般的にシルクスクリーンは版の作成や印刷などに専門的な機材や材料が必要となりますが、「SURIMACCA」ではECサイトで手軽にオーダーすることができます。フレームも組み立て式なので、サイズに合わせて組み立てられ、収納場所をとりません。今回の作例は試し刷りなしの一発勝負でしたが、初心者でも簡単に刷ることができました。
シルクスクリーンは小ロットでも、それなりに多い枚数でも印刷が可能です。そのため、印刷会社などに発注するほどでもない枚数のものを印刷するのに適しています。また、版のズレやインクのムラ、カスレが手刷りならではの味となります。自身で描いた絵や作成したデザインに、機械で印刷するのとは一味違った、新鮮な表情を加えることができるでしょう。また、版を洗えば別の色で印刷することもでき、一つひとつ違った刷り上がりにすることも可能です。
SURIMACCAの版は複数回使えますが、何百枚も手刷りをするのは大変です。印刷枚数が無理のない範囲に収まる場合に向いているでしょう。また、たくさん刷ると版も痛んでくるので、半永久的に使えるものではありません。
今回は【基本編】として版の作成から印刷までの手順をご紹介しましたが、続く【応用編】では、多色刷りの方法などをご紹介していきます。
※応用編「インクの使い方を工夫しながら、スリマッカでさまざまなシルクスクリーンの印刷表現を楽しもう!」はこちら
- DATA
製品名:SURIMACCA(スリマッカ)
実売価格:製版990円〜、インク770円〜、SURIMACCAセット4,840円(すべて税込)
公式サイト:https://surimacca.com/
発売元、公式ECサイト:https://jam-p.com/
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B097BLDGB8/
- 平田順子
- ライター・編集者
- 大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を手がける。近年はデジタルマーケテイング媒体での執筆が増え、クリエイターをはじめマーケターや経営者の方々の取材を手がけている。https://junkohirata.work/
2024.02.22 Thu2024.02.26 Mon