
SOUP DESIGNの尾原史和氏のアートディレクション術を紹介してきた本連載。最終話では「PLANTED」(毎日新聞社)、「HOME」(エクスナレッジ)という2つの雑誌を題材に、デザインにおける遊び心ついて話を聞いた。
第4話 デザインに必要な遊び心
ほどよい自由があってこそ
デザインを楽しめる。
──まずは「PLANTED」から媒体の概要を教えてください。
尾原●「植物と暮らす」をテーマにしたライフスタイル誌で、創刊以来、毎回ADが変わっているんです。1号目は藤本やすしさん、2号目は服部一成さんがデザインされていて、3号目をSOUP DESIGNが担当しています。その「1号ずつADを変えている」という話を聞いて、「安定させていく媒体ではなく、毎回新しく楽しませる雑誌なのだろう」と編集者の意図をくみ取ったんです。そこで、前にデザインしている方たちとは違う見せ方を提案しなければと考えました。
尾原●「植物と暮らす」をテーマにしたライフスタイル誌で、創刊以来、毎回ADが変わっているんです。1号目は藤本やすしさん、2号目は服部一成さんがデザインされていて、3号目をSOUP DESIGNが担当しています。その「1号ずつADを変えている」という話を聞いて、「安定させていく媒体ではなく、毎回新しく楽しませる雑誌なのだろう」と編集者の意図をくみ取ったんです。そこで、前にデザインしている方たちとは違う見せ方を提案しなければと考えました。
──ほかの方がADを務めたバックナンバーとの兼ね合いも考慮されたわけですね。
尾原●そうですね。藤本さんと服部さんという流れで話をもらえたのは本当にうれしいですし、これは手を抜けないなと(笑)ただ、編集スタッフは変わらないので、どうしても構成自体は似てしまうので、できるだけ同じような仕上がりにならないように、企画や台割を決める段階から打ち合わせに参加させてもらったり、イラストだけのページを盛り込んだり、どのようなコンテンツがあったほうが良いかなども積極的に提案させてもらいました。
──以前の号も、それぞれADの個性が感じられる誌面ですが、尾原さんがデザインする際に気を配ったのは、どういった部分でしょうか?
尾原●誌面のホワイトスペースを強く意識しながらも癖を出していくことを目指しました。ただ、全てのページが真っ白な印象になってしまっても面白くないし、楽しめないと思ったので、ところどころに少し変わったレイアウトも取り入れたんです。しっとりとしたオーソドックスなページと、変わった印象のページとの落差を極端にすることで、メリハリが生まれていると思います。
尾原●そうですね。藤本さんと服部さんという流れで話をもらえたのは本当にうれしいですし、これは手を抜けないなと(笑)ただ、編集スタッフは変わらないので、どうしても構成自体は似てしまうので、できるだけ同じような仕上がりにならないように、企画や台割を決める段階から打ち合わせに参加させてもらったり、イラストだけのページを盛り込んだり、どのようなコンテンツがあったほうが良いかなども積極的に提案させてもらいました。
──以前の号も、それぞれADの個性が感じられる誌面ですが、尾原さんがデザインする際に気を配ったのは、どういった部分でしょうか?
尾原●誌面のホワイトスペースを強く意識しながらも癖を出していくことを目指しました。ただ、全てのページが真っ白な印象になってしまっても面白くないし、楽しめないと思ったので、ところどころに少し変わったレイアウトも取り入れたんです。しっとりとしたオーソドックスなページと、変わった印象のページとの落差を極端にすることで、メリハリが生まれていると思います。


企画の初期段階から打合せに参加。コンテンツ、見せ方などについて積極的に提案した
──写真のディレクションにも気を配っていることが感じられますね。
尾原●そうですね。文字がストレスなく読めることは前提として、写真と白地で強さを出したことも特徴です。ただ、写真の構図などについて、あまり細かくディレクションはしていません。ケースバイケースでシチュエーションを指示することもありますが、写真ディレクションの一番のポイントは、どのようなイメージ(質感、雰囲気)を見開きの誌面で実現すべきかを伝えることなので。もちろん「白抜きで文字を乗せたい」といったような、後々のデザイン作業に大きく関係してくる部分は、あらかじめ伝えておきますが、ディテールについては、フォトグラファーの判断にお任せすることが多いですね。
尾原●そうですね。文字がストレスなく読めることは前提として、写真と白地で強さを出したことも特徴です。ただ、写真の構図などについて、あまり細かくディレクションはしていません。ケースバイケースでシチュエーションを指示することもありますが、写真ディレクションの一番のポイントは、どのようなイメージ(質感、雰囲気)を見開きの誌面で実現すべきかを伝えることなので。もちろん「白抜きで文字を乗せたい」といったような、後々のデザイン作業に大きく関係してくる部分は、あらかじめ伝えておきますが、ディテールについては、フォトグラファーの判断にお任せすることが多いですね。


写真と白地で強さを出したレイアウト
──続いて、もう一方の「HOME」は、どのような媒体ですか?
尾原●これも毎回ADが変わる建築をテーマにした季刊誌で今回は「建築写真」というテーマです。ビジュアルブックのように、デザイン面での遊びを多く取り入れています。色ベタとホワイトスペースを中心に構成し、その2つによって誌面全体にコントラストを作り出しました。
──このように遊び心のある誌面を実現するのは難しいことではないのでしょうか?
尾原●編集サイドと良い関係が築けているのが前提だとは思います。「Planted」のときもそうでしたが、信頼してもらうことである程度自由を与えてもらいました。実際のところ、その自由さをまったく与えてもらえないと、全体として非常に窮屈な本になってしまうと思います。または単にキレイなだけのデザインに終始しがちかもしれません。
「HOME」のときも、企画の構成を考える段階から関わらせてもらいました。ページの並び順によっては、全く違った仕上がりになるんです。写真を主に見せていく媒体の場合、下手にデザインするとカタログのように単調な誌面になってしまうので、意図してムラを生み出します。やはり雑誌では、そういった遊びを取り入れることも大切だと思います。
尾原●これも毎回ADが変わる建築をテーマにした季刊誌で今回は「建築写真」というテーマです。ビジュアルブックのように、デザイン面での遊びを多く取り入れています。色ベタとホワイトスペースを中心に構成し、その2つによって誌面全体にコントラストを作り出しました。
──このように遊び心のある誌面を実現するのは難しいことではないのでしょうか?
尾原●編集サイドと良い関係が築けているのが前提だとは思います。「Planted」のときもそうでしたが、信頼してもらうことである程度自由を与えてもらいました。実際のところ、その自由さをまったく与えてもらえないと、全体として非常に窮屈な本になってしまうと思います。または単にキレイなだけのデザインに終始しがちかもしれません。
「HOME」のときも、企画の構成を考える段階から関わらせてもらいました。ページの並び順によっては、全く違った仕上がりになるんです。写真を主に見せていく媒体の場合、下手にデザインするとカタログのように単調な誌面になってしまうので、意図してムラを生み出します。やはり雑誌では、そういった遊びを取り入れることも大切だと思います。



──定期媒体ではないからこそ遊びを加えやすいのかもしれませんね。単発の仕事にはやはり面白みがありますか?
尾原●とても楽しいですよ。似たことの繰り返しに終始していては面白味に欠けるデザイン事務所になってしまいますし、定期刊行される媒体にじっくり取り組むのも当然大切なことですが、これからはイレギュラーの仕事を増やしていきたいと考えているところなんです。それがあることによってレギュラーの方もより変化が出せたりと良い方向に向かっていくと考えてます。
(取材・文:佐々木剛士 人物写真:谷本夏)
尾原●とても楽しいですよ。似たことの繰り返しに終始していては面白味に欠けるデザイン事務所になってしまいますし、定期刊行される媒体にじっくり取り組むのも当然大切なことですが、これからはイレギュラーの仕事を増やしていきたいと考えているところなんです。それがあることによってレギュラーの方もより変化が出せたりと良い方向に向かっていくと考えてます。
(取材・文:佐々木剛士 人物写真:谷本夏)
「このアートディレクターに聞く」第6回尾原史和さんのインタビューは今回で終了です。次回からは関本明子さんのお話を掲載します。
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[プロフィール] おはら・ふみかず●アートディレクター。1975年高知生まれ。印刷会社のデザイン部門、アジール・デザインを経て、1999年デザイナー、シェフ、建築家らの編成でSOUP DESIGNをスタート。2003年(有)スープ・デザイン設立。近年のおもだった仕事には『R25』、『relax』、『NEUTRAL』などの定期刊行物、『北欧デザイン』をはじめとした書籍、『SHIPS』、『TAKEO KIKUCHI』などの広告制作物などがある。 |




