土曜。新年会は酒蔵で。

毎年恒例の全社員出席の新年会は、兵庫県加西市の本社で行われるので、いつも泊りがけとなる。東京のスタッフは僕と担当営業を残し、全員直行で羽田空港から本社へ。なので事務所は僕らだけ。電話も鳴らないし、非常に静かです。順調に作業を進めていく。

お昼ごはんを会社の近くで食べて羽田空港へ向かう。空港は三連休初日ということもあり、そこそこ混んでいる。

羽田から伊丹へは本当にあっという間。伊丹空港からはタクシーで宝塚インターに行き、そこから高速バスに乗る。泉という本社近くのバス停で下車。そこに迎えの車が来ているので、それに乗って本社に向かう。遅れてきた僕らは新年会のスタート時間ぎりぎりだったので、そのまま貸し切りバスに乗って宴会場へと向かう。宴会場はGRAPHがCIを手がけている富久錦さんの「ふく蔵」だ。酒蔵を改造して作った「ふく蔵」は酒食スペースと多目的ホールとなっていて、とても気持ちの良い空間。新年会は毎年ここでやるのが恒例となっている。思えば、僕がGRAPHを初めて知ったのは、この「ふく蔵」のデザイン全般について紹介された記事を雑誌『アイデア』（298号／2003年）で読んだとき。そう考えると感慨深い。

開始早々、毎年恒例の利酒大会が始まる。まず、4種の日本酒が用意されます。ラベル付きのお酒の瓶とラベルなしの瓶がそれぞれ並び、各自それぞれを飲み比べながら指定の用紙に記述。「Aがにごり酒かな？　Bは大吟醸かな」といった具合。答えと名前を書いた紙を指定のボックスへ入れ、後ほどの発表を待ちます。何となくそれぞれの違いを味わってみるが、僕はお酒は弱いタイプ。なので何度も試飲することは不可能。第一印象でパッと決めて、ささっと記述し提出しちゃいました。 東京と本社のスタッフが一堂に顔を合わせる１年に一度の機会。本社の上の者に「東京はどうや？」と聞かれたり、久しぶりの仲間とゆっくりお話。「ゆっくりお話」には、やはりお酒は付きものです。お酒を注ぎまわりつつ、注がれつつ、酔いがまわってくる……。

ちなみに「ふく蔵」の箸袋はもちろんGRAPHデザイン、パターンが80種類もある。色もデザインもさまざまで、同席のお客様にはすべて違った柄になるようにしてあるのだ。聞くところによると、箸袋をコレクションしている常連さんもいらっしゃるとか……。ありがたいことです。

各席で盛り上がっている頃を見計らって司会がマイクを持つ。「利酒大会の正解者を発表します！」。一気に静まり、みんな司会者へ耳を傾ける。「今年は全問正解が４名！」例年に比べると多かった模様。ちなみに僕が初めて参加した昨年は２人、その前の年は正解者が１人だけだったそうだ。 「助川くん」……ん？　お酒がまわっているせいか、状況をよく把握できません。でも、なんと僕、全問正解したようです。本当？　とりあえず幸先が良い。良い年になるといいです。いや、良い年にします。

貸し切りバスに乗って本社に戻る。もうこの時点で眠くて眠くて、あまりよく覚えていない。

東京のスタッフの多くは本社近くのアパート「GRAPHハイツ」で宿泊。でも、僕は久しぶりに会う本社の同期とゆっくり話したかったので、今夜は同期の実家に泊めてもらうことに。初めての訪問でご両親にご挨拶。犬と猫が一匹ずついるのだが、なぜか犬はこたつ、猫は外に。普通は逆ですよね？　お茶とみかんをご馳走になりながら、近況報告など……。

ゆっくり話すどころか、やはりお酒の力で眠ってしまう。