第1話 ベースメントファクトリープロダクションとは | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第1話 ベースメントファクトリープロダクションとは

2024.5.18 SAT

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2003年に設立された(株)ベースメントファクトリープロダクションは、メインであるWeb制作業務においてデザイン、サウンド、映像、プログラム、サーバー構築まで、クリエイティブに関するすべてを自社で手掛ける「トップクリエイター集団」として注目されている会社である。
「トヨタ自動車」「アサヒビール」といった大手クライアントをはじめ、様々な業種から高く評価されているのは、彼等が表層的なデザインだけではなく、ユーザー側のことをきちんと考えた広告をつくることができる、真面目に広告に取り組むクリエイティブチームだからでもある。今回はそんな(株)ベースメントファクトリープロダクションの代表である北村 健氏に話を伺った。

第1話 ベースメントファクトリープロダクションとは


──ベースメントファクトリープロダクションのはじまりは?

●北村:現在はWeb制作がメインですが元々は音楽制作プロダクションとして、名前のとおり地下にある小さなスタジオからスタートさせました。当時、音楽プロデューサーとして国内外の様々なアーティストの楽曲やリミックスを手掛けており、そんな中、自分たちのWebサイトを自分たち自身で独学でFlashを勉強して立ち上げたのです。そのサイトが当時マクロメディア社のショーケースで取り上げられ、周りの人たちに評価されたことが現在に至るきっかけとなったのです。

DJとしても活動していた私たちは自身のクラブイベントを定期的に主催しており、まわりには映像やCGが得意なVJがいて、他にもデザイナーやプログラマーといったクリエイティブな仲間がたくさんいました。そういった仲間とクリエイティブなことを何か始めようということになり、音もあり、映像もあり、デザインも、プログラムもあって、トータル的に表現できるものとして行き着いたのがWeb制作だったんです。

私たちは、一般的な会社のように売上目標を立てることを一番に考えていません。一番大切にしているのは、人として成長するということです。当たり前のことですが、社会人として、また一人の人間として魅力がなければ、良いクリエイティブはできないでしょうし、良い結果も得られないでしょう。そうして、私たちの行うことがクライアントやお客さんに喜んで頂いて満足して頂けたらそれは本当に素晴らしいと思います。もちろん、ビジネスとして成立する事が大前提になりますがね。そして、私たち自身が、クライアントから費用を出して頂けるような価値をしっかりとつくり出すということが大事だと思っています。


──現在スタッフは何人くらいですか?

●北村:現在社員は30名強ですが、システムやプログラムやデザインなどの実制作に携わるスタッフだけで、営業マンはいないのです。Web制作業務における主要なクリエイティブについて言えば、私たちは自社内で一貫した制作を行える体制を整えています。音楽では、音楽スタジオも社内に完備し、作曲からボーカルやナレーション録り、トラックダクンまで行うことができます。映像に関してもHDを非圧縮で吸い上げるシステムも構築しており、3DCGや映像編集までしますね。私たちはFlash4の時代から世界に先駆けて、フルFlashサイトを創りその中で展開されるムービーや動画と連動する音を扱ったり、またFlashとデータベースとの連動なども扱ったりしていました。他にもデザイナー、ディレクター、プログラマー、システムチームとしてのスペシャリストもいますし、サーバーからネットワークの構築に至るまで社内で業務が完結させることが可能です。
そういった意味では、クライアントさんからするともしかしたら、全部任せられて使い勝手の良い会社なのかもしれませんね(笑)。

──そのなかで北村さんの役割としてはどういったことを?

●北村:今はベースメントファクトリーグループの代表として、様々なことを行っています。クリエイティブな部分でいえば、ベースメントファクトリープロダクションの創業時には、デザインをしたり、ActionScriptを書いてコーディングまでも自分でしていましたけど、現在は、クリエイティブディレクションを行う機会がほとんどですね。プロジェクト全体の方向性の決定、それを中間地点でチェックする、最終的にはクオリティをコントロールするということを制作現場で指揮しています。あとは会社の代表として、あらゆる業界の人たちとのコミュニケーションといった仕事が多いですね。また会社のディレクションという点においては、今後のWebにおける存在意義やそれを踏まえて自分達で今後どういったことをアウトプットしていくかといったことも当然ながら日々考えています。









──音楽としてはどういった活動をしていますか?

●北村:音楽でいえば、最近は年に2?3本くらいのペースで、海外のレコードレーベルから自分達のオリジナル楽曲や海外アーティストのリミックス等をリリースしています。私たちがプロフェッショナルでハイクオリティな音楽を創ることできるということで、結果的に一般的なWeb会社とは違うポジションが確立できている部分はあると思っています。それは、海外からリリースしたオリジナル楽曲が、高く評価されてきた実績があるという事だけではなく、その実績に奢ることなく常に高いクオリティを保つことができているからかもしれません。例えば毎回チャート等にランクインさせるといったことを自分たち自身にミッションとして課して、ストイックに制作に臨んできた結果でもあると自負しています。

──ベースメントファクトリープロダクションとはどういった会社ですか?

●北村:答えるのが難しいですね。いまは結果的にWebの仕事が多いですが、Webをプロデュースするというよりも、お客さんが求めているものを、どのようにすればゴール地点に近づけるお手伝いができるのかな、ということを私たちは考えていますね。必要以上に意識してWebに特化しているわけでもないんですが、Webは、私たちが大切にしている「人」や「コミュニケーション」といったことをビジネス的に展開するとしたら、一番近いフィールドなのかもしれません。ですので、私たちを必要としてくださる方がいれば、自分たちができることは全てさせて頂きます、といったスタンスの会社になりますでしょうか。アドビ(旧マクロメディア)さんに取り上げられるときは、弊社のことを「世界でも有数のクリエイター集団」と評されることもあるのですが、自分たちは至って普通だって思っています(笑)。Webを創りたいんだ、というよりは、純粋にモノづくりが大好きな人間が集まっているだけなんですよ。


(取材:蜂賀 亨 写真:谷本 夏)


北村 健

(プロフィール)
'70年大阪府生まれ。2003年にWeb制作業務をメインとした「株式会社ベースメントファクトリープロダクション」を設立。CEO兼Exective Creaitive Director。
TIAAの審査員や宣伝会議Webディレクション講座の講師等も務める

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