第7回 シェイプトゥイーン | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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イチから始めたい人、リトライしたい人のためのFlashのABC

Lesson3 アニメーションの制作

第7回 シェイプトゥイーン


「シェイプトゥイーン」は、グループ化やシンボル化していないベクターオブジェクトの形状をモーフィングのように変化させるアニメーションの手法だ。開始キーフレームにオブジェクトを配置して、終了キーフレームでオブジェクトの形状を変形させると、中間の動きが自動的に作成される。また、シェイプヒントを設定して、開始時と終了時の形状を対応させるポイントを定義することも可能だ。シェイプトゥイーンを使って、モーショントゥイーンでは表現できなかったアニメーションを作ってみよう。

解説:北川貴清
※「FlashのABC」の本文中の解説で使用しているサンプルデータは、別ページでダウンロードができます。

シェイプトゥイーンの基本


基本的なシェイプトゥイーンの作り方を紹介しよう。オブジェクトの形状が円から星型に変形するアニメーションを作ってみよう。カラーを変化させることもできる。


【サンプル1】円から星型に変形

1.「楕円ツール」でステージに円を描画する【図1】。

【図1】円を描画
【図1】円を描画

2.[フレーム30]で右クリック(〔Control〕+クリック)してコンテキストメニューから[フレームを挿入]を選ぶ。フレームを選択した状態で、プロパティインスペクタの[トゥイーン]を[シェイプ]に設定【図2】。

【図2】シェイプトゥイーンを設定
【図2】シェイプトゥイーンを設定

3.[フレーム30]で右クリック(〔Control〕+クリック)してコンテキストメニューから[キーフレームの挿入]を選択する。ステージのオブジェクトを削除し、「多角形ツール」で星型を描画する。カラーも違う色に変えてみよう【図3】。

【図3】ステージのオブジェクトを削除して星を描画
【図3】ステージのオブジェクトを削除して星を描画

■Point!
オブジェクトは削除せずに、「ダイレクト選択ツール」などで変形させてもよい。

4.[フレーム60]にキーフレームを挿入する。ステージのオブジェクトを削除し、元の円を描画する。[フレーム1]の円をコピー&同じ位置にペーストするとよいだろう【図4】。最後に[フレーム120]にフレームを挿入して完成だ。[制御]→[ムービープレビュー]で確認してみよう。

【図4】ステージのオブジェクトを削除して円を描画
【図4】ステージのオブジェクトを削除して円を描画

シェイプヒント


オブジェクトの形状が意図どおりに変化しない場合、開始時と終了時の変形させるポイントを対応させるシェイプヒントを設定することができる。シェイプヒントを使って本のページをめくるアニメーションを作ってみよう。


【サンプル2】本のページがめくれ、テキストが表示される
シェイプトゥイーンの設定
まずは、本のページがめくられるアニメーションを想定して、シェイプトゥイーンを設定しよう。

1.「矩形ツール」で、左側のページとなるグレーの四角形を描く【図5】。レイヤー名を「左ページ」としておこう。

【図5】左ページを描画
【図5】左ページを描画

2.新規レイヤー「右ページ」を作成する。「矩形ツール」で左ページに重なるように緑色の四角形を描く【図6】。

【図6】右ページを描画
【図6】右ページを描画

3.[フレーム30]にフレームを挿入する。「右ページ」レイヤーの[フレーム30]を選択して、プロパティインスペクタの[トゥイーン]を[シェイプ]に設定【図3】。[フレーム30]にキーフレームを挿入する。

【図7】シェイプトゥイーンを設定
【図7】シェイプトゥイーンを設定

4.本のページがめくれ上がって90°の状態になったときの動きを描く。「自由変形ツール」を使って、ステージの四角形を【図8】のように台形に変形し、カラーを濃い緑色に変更する。

【図8】四角形を台形に変形し、カラーを変更する
【図8】四角形を台形に変形し、カラーを変更する

5.[フレーム60]にキーフレームを挿入する。ステージのオブジェクトを削除し、[フレーム1]のオブジェクトをコピー&ペーストして、見開きの状態になるように、左ページの右に配置して、カラーをグレーに変更する。「line」レイヤーを追加して、[フレーム30~60]にページを区切る中央の線を描画する【図9】。これでシェイプトゥイーンの設定が完了だ。[制御]→[再生]で確認してみよう。しかし、これでは変形するポイント同士がうまく対応していないので、[フレーム1~30]のシェイプトゥイーンが意図通りに動作しない【図10】。

【図9】見開きの状態になるように四角形を設定
【図9】見開きの状態になるように四角形を設定


【図10】シェイプトゥイーンの設定だけではページがスライドしてしまう
シェイプヒントの設定
開始時の形状と終了時の形状のポイントを対応付けるシェイプヒントを設定しよう。これで、ページがめくれるシェイプトゥイーンを意図通りに動かすことができる。

1.「右ページ」レイヤーの[フレーム1]を選択し、[修正]→[シェイプ]→[シェイプヒントの追加]を選択する。オブジェクトの中心に「○a」と表示される【図11】。

【図11】シェイプヒントを追加
【図11】シェイプヒントを追加

2.○aをドラッグしてオブジェクトの右上端にスナップさせる。同じ手順でシェイプヒント「○b」を追加し、オブジェクトの右下端にスナップさせる。同様に、「○c」、「○d」をオブジェクトの左上端、左下端にスナップさせよう【図12】。削除したい場合は、ステージの外へドラッグするとよい。

【図12】四角形の四隅にシェイプヒントをスナップさせる
【図12】四角形の四隅にシェイプヒントをスナップさせる

3.「右ページ」レイヤーの[フレーム30]を選択する。すでに○a~○dが配置されているので、○aをドラッグして、先ほど設定したポイントと対応するように、オブジェクトの左上端にスナップさせる。同様に○b~○dを対応させる。対応させることに成功すると○の色が赤色から緑色に変わり、[フレーム1]のシェイプヒントは黄色に変わる【図13】。

【図13】シェイプヒントをドラッグして対応させる
【図13】シェイプヒントをドラッグして対応させる

4.最後に「text」レイヤーを追加して、[フレーム60~80]にテキストがアルファで現れるモーショントゥイーンを加える【図14】。全レイヤーの[フレーム110]にフレームを挿入して完成だ。[制御]→[ムービープレビュー]で確認してみよう。シェイプトゥイーンが意図通りに変形しているはずだ。

【図14】ページが開いた後にモーショントゥイーンでテキストを表示させる
【図14】ページが開いた後にモーショントゥイーンでテキストを表示させる

サンプルデータをダウンロードする


次回につづく
――「FlashのABC」Lesson3は今回で終了です。
Lesson4は7月12日(木)からの掲載予定となります。ご期待ください!


著者写真 [プロフィール]
きたがわ・たかきよ●1972年8月生まれ。三重県出身。三重大学工学部卒業。大阪を拠点としてwebデザインを中心に活動中。著書に『Flash8デザインスクール for Win & Mac 』『ネタ帳ビギナーズ FLASHテンプレート集 』
http://www.f-l-a-v-o-r.com
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