様々なジャンルで活躍するデザイナーの来歴をたどるシリーズ、今回は白銀屋、KDDI auのサイトなどを手がけるイム・ジョンホさんを取材し、韓国生まれの経歴から現在に至るまでの足跡をたどります。
第4話 環境は自分で変えていく
イム・ジョンホさん
頭の中だけで片付けない
——ちなみに現在、抱えている案件は?
イム●3件ですね。だいたい常にそのぐらい並行して。でも、微妙にやっているか、やっていないか……という時期もある。タイミングよく仕事が入ってきて、すごく集中するときもありますが、毎日ではない。
——韓国での子供時代、まさか日本で、日本語のサイトを作るとは思わなかったでしょ?
イム●ええ。想像もしていませんでした。ビジネス・アーキテクツを辞めて、自分がここまでイチからやっていること自体、思いもよらなかった。いま、たとえば「KDDI au」のように季節ごとのシリーズを作っていますが、優秀なスタッフたちと出会いながら仕事を継続できていることは幸せなことで、とても感謝しています。
——幸運は、ときに自分で引き寄せることだと思います。
イム●一度吹っ切れた後は考え方も柔軟になって、自分の頭の中だけで片付けないようにしているんですね。何度も言う通り、僕の場合、特にできることは限られていると自覚している。だから、どういう人と出会って一緒に仕事して、その人のいいところをいかに引き出せばいいか考えたり、各パートから出てきたものをコンセプトに沿ってデザインしたり、様々な場面で決断していくこと……それが多分アート・ディレクターの仕事なのかなと思っています。そうして、どの案件でも、自分が想像したもの以上のものになるように心がけています。
イム●3件ですね。だいたい常にそのぐらい並行して。でも、微妙にやっているか、やっていないか……という時期もある。タイミングよく仕事が入ってきて、すごく集中するときもありますが、毎日ではない。
——韓国での子供時代、まさか日本で、日本語のサイトを作るとは思わなかったでしょ?
イム●ええ。想像もしていませんでした。ビジネス・アーキテクツを辞めて、自分がここまでイチからやっていること自体、思いもよらなかった。いま、たとえば「KDDI au」のように季節ごとのシリーズを作っていますが、優秀なスタッフたちと出会いながら仕事を継続できていることは幸せなことで、とても感謝しています。
——幸運は、ときに自分で引き寄せることだと思います。
イム●一度吹っ切れた後は考え方も柔軟になって、自分の頭の中だけで片付けないようにしているんですね。何度も言う通り、僕の場合、特にできることは限られていると自覚している。だから、どういう人と出会って一緒に仕事して、その人のいいところをいかに引き出せばいいか考えたり、各パートから出てきたものをコンセプトに沿ってデザインしたり、様々な場面で決断していくこと……それが多分アート・ディレクターの仕事なのかなと思っています。そうして、どの案件でも、自分が想像したもの以上のものになるように心がけています。
イムさんの仕事から
(左)BEYES|Santoni
Art direction, Design, Flash authoring(2006年2月)
(右)BEYES|Le mani di eva
Art direction, Design(2006年11月)
メディアを限定せずに動いていきたい
——しばらく、この状態を継続して?
イム●そうですね。一応、法人化して「toconoma inc.」になりましたが。でも社員は僕一人。今年30歳ということもあって「なんかやらないと」って(笑)。
——これからWebデザインを志す人、あるいはキャリアアップを考えている人にアドバイスを。
イム●あまりそういうことを言える立場ではないのですが……お互いに頑張りましょう(笑)。僕の場合は、なんとなく「デザイナーになりたい」、なんとなく「イチからビジュアル(写真など)を組みあげたい」、なんとなく「映像でサイト作りたい」という、常になんとなくの目標があって。そのたびにイチから自分が動くようなところがある。自分のやりたいことがあるならば、受け身でなく、自分で作っていくような姿勢。それは会社にいる人でも独立した人でも変わらない気がします。そうすることで、周りの環境が変わってくることもあるんです。
——自身の仕事を含めて、Webへの未来像は?
イム●僕が会社に入った頃は、主に情報デザインをしていました。与えられた情報をいかにわかりやすく伝えるか、それが主な目的。しかし、いまはやりたいことがまったく変わっていて、対象とのコミュニケーションをいかにするか、最初から考えていける広告をやり続けたいと思っています。となると、これからはWebの制作者だからといって「写真をどう作ればいいかわかりません」「映像では何もできません」というわけにはいかない。
——ボーダレス化、著しいですよね。
イム●だから、これは自分自身に対して思うことですが、Webだけに限定すると後々苦しくなるな、と。Webでも印刷物でも、飛躍してCMでも、いろんなことにチャレンジできる土台をいろんな経験を通して積み上げていきたい。これからはWebを主軸にしつつも、メディアを限定せずに動いていきたいと考えています。そうしないと、つまらないですから。
イム●そうですね。一応、法人化して「toconoma inc.」になりましたが。でも社員は僕一人。今年30歳ということもあって「なんかやらないと」って(笑)。
——これからWebデザインを志す人、あるいはキャリアアップを考えている人にアドバイスを。
イム●あまりそういうことを言える立場ではないのですが……お互いに頑張りましょう(笑)。僕の場合は、なんとなく「デザイナーになりたい」、なんとなく「イチからビジュアル(写真など)を組みあげたい」、なんとなく「映像でサイト作りたい」という、常になんとなくの目標があって。そのたびにイチから自分が動くようなところがある。自分のやりたいことがあるならば、受け身でなく、自分で作っていくような姿勢。それは会社にいる人でも独立した人でも変わらない気がします。そうすることで、周りの環境が変わってくることもあるんです。
——自身の仕事を含めて、Webへの未来像は?
イム●僕が会社に入った頃は、主に情報デザインをしていました。与えられた情報をいかにわかりやすく伝えるか、それが主な目的。しかし、いまはやりたいことがまったく変わっていて、対象とのコミュニケーションをいかにするか、最初から考えていける広告をやり続けたいと思っています。となると、これからはWebの制作者だからといって「写真をどう作ればいいかわかりません」「映像では何もできません」というわけにはいかない。
——ボーダレス化、著しいですよね。
イム●だから、これは自分自身に対して思うことですが、Webだけに限定すると後々苦しくなるな、と。Webでも印刷物でも、飛躍してCMでも、いろんなことにチャレンジできる土台をいろんな経験を通して積み上げていきたい。これからはWebを主軸にしつつも、メディアを限定せずに動いていきたいと考えています。そうしないと、つまらないですから。
イムさんの仕事から
KDDI au:NEW COLLECTION 2007 SPRING
Planning, Creative direction, Art direction, Design(2007年1月)
KDDI au:NEW COLLECTION 2007 SPRING
Planning, Creative direction, Art direction, Design(2007年1月)
「これがデザイナーへの道」第12回、イム・ジョンホさんのインタビューは今回で終了です。
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)
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[プロフィール] イム・ジョンホ●アートディレクター。1977年韓国・釜山生まれ。1991年来日。2000年に(株)ビジネス・アーキテクツ入社。アートディレクターとしてイオングループ、積水ハウスなどの大規模サイトを手がける。2004年に独立後、写真と言葉を中心とした表現に取り組み、2007年「toconoma inc.」 設立。 映像表現をはじめ新しい領域に挑戦中。http://7779.net |