WEBのネタに困らないクリエイターになろう!
デザインアイデアが続々わき出る3ステップ&トレーニング
traning 2豊かな発想力を磨くトレーニング
ロジカルシンキングで左脳をトレーニング |
アイデアの引き出しを増やすためには、日ごろから発想力を鍛えておくことが必要である。その際に役立つのが、何事も論理思考をして仮説(=発想)を出すクセをつけることだ。ここでは代表的フレームワークを3つ紹介する。 文=昆 隆(イデアコンプレックス(株)) |
トレーニングでこれが身につく! |
○アイデアの漏れ・ダブりのチェックができる |
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○アイデアの取りまとめと精緻化ができる |
MECE(ミッシー)で問題分析を行う
雑然としたアイデアはあるけれど、カタチとしてまとまらない。あるいは似たアイデアがあるけれど、どれが適切か判断できないといったケースがよくある。こういった場合に役立つのがMECE(ミッシー:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)である。
まずMECEとは「それぞれが重複することなく全体集合として漏れがない」という意味で、物事やアイデアを「漏れやダブりなく」抽出する方法として、コンサルティングなどの領域でよく使われる【1】。思いつきや勘による分類よりも網羅性が高まり、「漏れていたアイデア」、「ダブっていたアイデア」から思わぬ気づきが生まれる手法だ。
方法としてはいたって簡単で、たとえばメモ用紙に2×2のマトリクスを作成し、思いつきやアイデアをマッピングしていくだけでいい。その際に注目すべきなのは、何もマッピングされていない部分と重なっている部分。ない部分は検討できていないアイデアで、重なっている部分はコンフリクト(衝突)したアイデアだ。
【1】MECEの一例。右図は「共学校」が抜けているためMECEではない
ピラミッドストラクチャーで帰納的に抽出する
ささいな情報やネタから帰納的に言えることを抽出し、その集合体としてまとまったアイデアを導くのに有効なのがピラミッドストラクチャーだ。樹形図の形で整理された模式といえばイメージしやすいだろう。基本的な考え方はMECEと同じだが、より段階的かつ多層的に検討を行う際に使用される。こちらもメモ用紙に具体的な情報やネタを広く書き出してグルーピングし、共通項やメッセージを抽出。さらに、その共通項やメッセージを組み合わせてピラミッドのように積み上げていく。これらを繰り返した結果、最終的にいちばん上にきているのがアイデアだ【2】。ただし、ピラミッドを積み上げたあと、もう一度トップダウンでMECEのチェックを行うことが重要だ。ただし、途中の共通項やメッセージがMECEでない場合は、アイデアと思われていた結論が見当外れである可能性が高いので注意してほしい。また、違う価値観の人ならどう考えるかと自問し、仮説に甘さがないかをしっかり確認することも必要だ。
【2】So What?(~だから)と自問自答し、細かな要素を集め、まとめ、名前を付けて大きな概念にまとめる
ロジックツリーを活用する
ピラミッドストラクチャーと同じ樹形図での整理方法だが、こちらは大きなテーマを演繹的に要素分解していく際に利用する。要はボトムアップとトップダウンの違いである。方定式としてはピラミッドストラクチャーの逆で、まず大きなテーマを設定し、そこからMECEでの枝分けを繰り返すだけだ【3】。使い分けが難しいように見えるが、まとまったアイデアの抽出にはピラミッドストラクチャーを使い、アイデアの落とし込みにはロジックツリーを使うと考えてもらえばよい。
さてロジカルシンキングの代表的なフレームワークを3つ紹介したが、「論理思考」なんてデザインと関係ないとは考えないでほしい。デザインは物事をいかに整理して見せるかということも重要な要素だ。また、デザインそのものは苦じゃないけど、プレゼンテーションを苦手としている方もいるだろう。これらのフレームワークを資料に加えてみれば、自身の頭の整理と同時に、だれにでも伝わりやすい平易な説明ができるようになっているはずだ。
【3】Why So?(なぜなら~)と自問自答し、大きな課題を具体的な方法にブレイクダウンしていく
Check! ロジカルシンキングで左脳をトレーニング □集合体としてまとまったアイデアを有効に導く □仮説に甘さがないかをしっかり確認する □具体的な情報を広く書き出してグルーピングし共通項を抽出する □自問自答し、大きな課題を具体的な方法にブレイクダウンしているか □物事をいかに整理して見せるかということをつねに考える |
[INDEX]
●STEP2 making 集めたネタを自分のモノにしよう!
>>> 拡散思考と収束思考を理解して取り入れる
●traning 豊かな発想力を磨くトレーニング
>>> 1 鳥の目と虫の目の両方の視点を養う
>>> 2 ロジカルシンキングで左脳をトレーニング
>>> 3 体験学習で右脳をエクササイズ