注目企業のブランドデザインに迫る
第1回:iida(KDDI株式会社)
iida以前から、携帯電話の未来を垣間見せる取り組みを積極的に行ってきたKDDI。
iidaというブランドの今後、携帯電話の行く末を4話では大予測。
第4話
ますます拡張するiidaブランド
──au design projectの頃から、KDDIは携帯電話の未来を予見するようなプロトタイプを定期的に発表されてきました。現在はいかがでしょうか。
●それはiidaでも続けております。昨年9月にも、いろんなライフログを収集するロボットと一体化したモデルを発表しました。何を食べたかとか、どこに行ったかといった人の一日の行動をすべて携帯で蓄積していて、テレビなどのデバイスと連動すると、ログがディスプレイに表示されるコンセプトモデルです。商業化のめどはたっていませんが、「未来の携帯電話とはどうあるべきか」について日々議論しています。



au design projectの時代から続く、未来をテーマにした携帯「FUTURE CONCEPTS」。上から携帯電話であり学習機能を有するロボットでもある「Polaris」、楽器と携帯電話の融合したときに生まれる面白さ、エモーショナルな感覚をデザインした「ガッキ ト ケータイ」、いずれも斬新なデザインでiidaの今後を思わせる
──今後、携帯電話はどんな風に進化していくと考えられますか。
●予想にすぎませんが、大きく分けてふたつの流れがあると思います。ひとつには、現在のiidaやauのようなキャリアが開発したOSを搭載した携帯電話、もうひとつはグーグルのOSを搭載したアンドロイド携帯のように、パソコンに近いオープンプラットフォームの端末。これらに分かれていくのではないでしょうか思います。これまで、テレビと携帯、財布と携帯の融合といった形で、いろんなものを取り込みながら発展してきたのが携帯でしたが、現在ではパソコンに近づいていますよね。いずれにしても、限られた市場規模では、オープン化を果たしてコンテンツを作りやすくしたほうがいいでしょう。なるべくソフトウェアを共通にして独自仕様にしないほうが、コスト的にも助かります。
──携帯自体のデザインについてはいかがでしょうか。デザイン携帯が世に出回りはじめて、そろそろ10年くらいですが。
●au design projectとして深澤直人氏がデザインした「INFOBAR」を発表したのが2001年(商品化は2003年)、来年2011年にはau design project発表から10年になります。INFOBARが出た当時は、世界的に問い合わせがありましたし、ああいったカラフルなタイルキーを使ったのはINFOBARが最初でしたから、携帯電話で個性を表現しはじめた最初のプロダクトだったと思います。けれど、それも根づいてくると「次は何?」となり、どうしても現在のように端末単体では個性が出せなくなるのです。

デザインケータイの火付け役ともいえる製品がINFOBAR。これのリリースを境に、携帯電話で個性を表現することは一般化された。そして携帯電話といえども、彩りに富んだ商品が急増した
そういったわけで、これからの10年は端末だけではなく、「携帯電話を中心に据えたライフスタイル」、もっというと空間を提案していけたらと思っています。たとえば、今はやりのデジタルフォトフレームなんかも、iidaブランドでリリースしていけたらと思いますし、いうなれば家電メーカーが家電の枠を超えて家を提供するように、携帯電話の枠を飛び越えて、ブランドの幅を広げていきたいと考えています。(取材:立古和智)



