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デザイナーにはどんなキャリアステップがあるの?

2024.5.17 FRI

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デザイナーにはどんなキャリアステップがあるの?



 デザイン専門学校、または美大デザイン科などを卒業した人たちが就職する先は、大きく分けて3?4種類。デザイン事務所や広告制作会社、メーカーや出版社、レコード会社などのデザイン部門、デザイン部門を持つ広告代理店や印刷所などだろう。


illustration:bowlgraphics


組織に属してデザイナーとしてのキャリアを積むとなると、アートディレクターや先輩デザイナーの補助を担うアシスタントからスタートするのが一般的だ。それは、デザイン本来の楽しみを味わう以前の仕事。おつかいやお茶汲みはもちろんのこと、場合によっては犬の散歩まであらゆる雑務を担う縁の下の力持ちである。そういった立場で、デザインの制作現場を目の当たりにし、与えられた仕事から少しずつデザインの実務を学んでいく。

実制作を担う立場で経験を重ねること数年も経てば、デザインの基本的な技術は身につく。DTP以降、技術習得自体はグッと敷居が低くなったため、若くして独立するデザイナーが急増したが、技術だけではなく感性、クライアントからの要望をまとめ上げるコミュニケーション能力が十分に養われてこそ一人前。さらには、フォトグラファーやイラストレーター、コピーライターといった制作上のパートナーの人脈も欠かせない。それらハードルをクリアしたら、アートディレクターと呼ばれる日もそう遠くはない。ちなみに、デザイナーとアートディレクターは似て非なるポジション。前者がデザインの実作業に重きを置くのに対して、後者はクライアントとのやりとりや制作物の方向性を決定づけることに重きを置く。デザイナーがアートディレクターの役目を兼任する場合も多いが、一般的な区分けは上記の通りだ。いずれにしても、経験を積み上位ポジションにステップアップするに従って、実作業よりもアイデアを練るといったクリエイティブの根幹に関わる度合いが増す傾向にある。このあたりの事情は、グラフィックデザイナーでもWebデザイナーでも同様。ただし、Webデザイナーのほうが、グラフィックデザイナーよりも若くしてディレクターの立場に移行する人が多い傾向にある。

会社組織でのデザイン経験、アートディレクション経験を経て、独立していく人が多いのもデザイン業界の特徴。組織に属していれば、営業、宣伝、経理といったデザイナー本来の能力とは関係のない仕事から解放される利点がある一方で、組織としての作風に沿う必要を迫られる。それこそが、デザイナーを独立へと駆り立てる一因かもしれない。独立後は、アシスタントを雇ってチームで制作するデザイナーもいれば、全て自分でまかなうデザイナーもいる。また、フリーランスで仕事をしながら、派遣社員としても働く人も少なくない。フリーランスは文字通り自由に見えて不安定な立場。派遣の仕事を上手く活用することで、収入的に不安定な時期を上手に切り抜けるのも手だ。

やや例外的ではあるが、Macintoshを使用したデザインが身近になって以来、ホビーではじめたデザインを、仕事にしてしまう人も急増した。そういった人たちの場合、安定的に仕事を獲得するための人脈や実制作に必要な人脈、業界の常識なども、実戦を通じてゼロの状態から獲得していくこととなる。それはエキサイティングな生き方ではあるが、同時に色んな苦労がつきまとうのも事実だろう。
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