アクセス解析ツールの活用 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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タイトル画像:コンバージョンレートはまだまだ上がる!

第3回 コンバージョンレートを上げるためのサイト戦略(3)


アクセス解析ツールの活用



企業認知度を上げるためWeb以外の媒体も活用


ここまで、内部トラフィックデザインの改良によるコンバージョンレート向上の施策を見てきたわけだが、外部トラフィックデザインに関してはどうだろうか。

たとえば、立ち上げ間もない企業などがまず直面するのが、「企業認知度」の問題だ。 Webサイトへのアクセスの入り口としては検索エンジンによる誘導が想定されるが、社名を検索ボックスに入力してもらうためには、Web以外のメディアでのプロモーションによる社名の認知がされていることが前提となる。

証券会社の例でいうと、若い世代の潜在顧客にリーチする意図がある会社ならば、TVや新聞、フリーペーパー上での広告展開といったマス媒体の広告が有効だといえる。つまり、企業認知度を高めながらWebサイトの誘導に結びつけられるというわけだ。

一方、株取引に熟練したユーザーが多い会社の場合、どれだけの信用取引が可能かなど、実質的な側面が注目されやすくなる。したがって一般向けの媒体よりは、経済紙などの専門媒体がブランディングに貢献するだろう。

PDCAサイクル
どの媒体にどれだけの予算を投下すればよいのか、適切な判断を下すためには経験も必要だが、第1回目の連載でも述べたとおりPDCAサイクルの確立が欠かせないポイントとなってくる【図5】。


【図5】PDCAサイクル


つまりプロモーションの結果を正確に分析することが、より正確な企業戦略の立案につながるわけだ。もちろん、Webプロモーションの効果測定にはアクセス解析ツールの導入が絶対条件となる。

思いもかけないサービスがコンバージョン獲得の火付け役に


ジョインベスト証券では膨大なワード数のリスティング広告を出稿しており、効率のよいキーワードを探りながらランディングページのコンテンツを掘り下げたり、サイト内の導線を最適化するためにVisionalist(ツールの詳細は前号の記事参照のこと)が活用されている。時には、リスティング広告などによるアクションの成果から、新たなプロモーションのヒントが得られることもあるという。

アクセス解析ツールを利用したドリルダウンを行えば、主観的な発想だけでは難しい、コンバージョン獲得に効率のよいキーワードやユーザーの関心が高いサービスを解き明かしていくことが可能となる。なかでもユニークなのが、最低売買単位に満たない株式(単元未満株)を取り扱う「まめ株」プロモーションの例だ。

「まめ株」の解説コンテンツ1
実はサイトの立ち上げ当初、取引手数料の安さが最大の訴求ポイントになると考えられていたのだが、ふたを開けてみたら、意外にもまめ株に興味をもっているユーザーのコンバージョン率が高いことが判明したという事情がある。

単元未満株を取り扱うサービスはすでに他社からも提供されていたが、初心者ユーザーを指向したジョインベスト証券の戦略と、金銭的なハードルの低いまめ株の特性がマッチしたのが理由のひとつといえるだろう。まめ株を株式取引の楽しさを体験してもらうための入門商品と考えれば、将来的なステップアップも期待できる。

そこで同社がとったプロモーションが、まめ株の手数料割引キャンペーンを新規に開始し、新たにバナー広告を出稿するという手法だ。サイト側の対応としては、前出のように効率重視のランディングページではなく、あえて既存のまめ株を解説するコンテンツをバナーのランディングページに設定した。

その結果、キャンペーン期間中における全体のコンバージョンと比較して、高い割合のコンバージョンを得ることができたという【図6】。

「まめ株」の解説コンテンツ2「まめ株」の解説コンテンツ3

口座開設ボタン
【図6】3ページにわたる「まめ株」についての解説コンテンツ。どのページにも口座開設ボタンを貼付けているが、3ページ目までしっかり読み込んだユーザーのコンバージョン率がもっとも高い
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