様々なジャンルで活躍するデザイナーの来歴をたどるシリーズ。今回は株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズの島尻一成さんを取材し、エンタテインメント系企業の社員アートディレクターとしてCDパッケージや広告などを手がける今日までの足跡をたどります。
第3話 会社員としてのデザイナーとは?
ソニー・ミュージックコミュニケーションズの島尻一成さん
やるからには、自分の中で楽しみを見つける
──いま、SMCに入社何年目ですか?
島尻●来月で丸10年目になります。
──アートディレクターとして、スタッフも何人か束ねて?
島尻●本当はそうしなければならないのですが、自分で作るのが好きなんですね。よく上からも言われるのですが……結局、自分でやってしまう(笑)。
──基本的に、会社に依頼が来た案件が降りてくるのですか?
島尻●指名で入る場合もあります。その両方ですね。
──ちなみに、仕事って選べるんですか?
島尻●スケジュールにもよりますが……基本的には会社員なので、来た仕事は引き受けなければならない。
──たまには「これは自分のテイストじゃない」というものも?
島尻●正直、ありますね(笑)。
──でも、それは社員としては仕方がない?
島尻●むしろ逆に、それだけ幅が広がると思っています。最初「え?」と感じても、やるからには自分の中で楽しみを見つけてみようと。
──エンターテインメント系のデザインの場合、たとえばCDなどのパッケージを作るときは必ずレーベルの規定文が入りますよね?
島尻●守らなければならないものですね。
──細かいし、おざなりに流されがちですが、実は一番大事なものなのではないかと感じるときがあります。
島尻●そう思います。それも含めてのデザイン。だから結構、僕は規定文に気をつかっています。こう入れたほうがシマる、きれいに決まる……というのがあって、規定文やロゴの素材が揃わないと、なかなか作業が進まない。それありきのものなので、たとえ面白みがなくても、ひとつの素材として重視しなければならないと思っています。
島尻●来月で丸10年目になります。
──アートディレクターとして、スタッフも何人か束ねて?
島尻●本当はそうしなければならないのですが、自分で作るのが好きなんですね。よく上からも言われるのですが……結局、自分でやってしまう(笑)。
──基本的に、会社に依頼が来た案件が降りてくるのですか?
島尻●指名で入る場合もあります。その両方ですね。
──ちなみに、仕事って選べるんですか?
島尻●スケジュールにもよりますが……基本的には会社員なので、来た仕事は引き受けなければならない。
──たまには「これは自分のテイストじゃない」というものも?
島尻●正直、ありますね(笑)。
──でも、それは社員としては仕方がない?
島尻●むしろ逆に、それだけ幅が広がると思っています。最初「え?」と感じても、やるからには自分の中で楽しみを見つけてみようと。
──エンターテインメント系のデザインの場合、たとえばCDなどのパッケージを作るときは必ずレーベルの規定文が入りますよね?
島尻●守らなければならないものですね。
──細かいし、おざなりに流されがちですが、実は一番大事なものなのではないかと感じるときがあります。
島尻●そう思います。それも含めてのデザイン。だから結構、僕は規定文に気をつかっています。こう入れたほうがシマる、きれいに決まる……というのがあって、規定文やロゴの素材が揃わないと、なかなか作業が進まない。それありきのものなので、たとえ面白みがなくても、ひとつの素材として重視しなければならないと思っています。
島尻さんの仕事より
上左/J-WAVE 春のキャンペーン“スローライフ宣言!”ポスター(2002年)
上右/J-WAVE 春のキャンペーン“夢と冒険の世界へ!”ポスター(2003年)
下左/J-WAVE TIME TABLE(1999年10月〜2004年9月まで5年間、60冊制作)
上左/J-WAVE 春のキャンペーン“スローライフ宣言!”ポスター(2002年)
上右/J-WAVE 春のキャンペーン“夢と冒険の世界へ!”ポスター(2003年)
下左/J-WAVE TIME TABLE(1999年10月〜2004年9月まで5年間、60冊制作)
会社にいることで引き出される自由
──会社員としてのデザイナー、個人のデザイナーとしての意識に違いはあります?
島尻●うーん……考えたことない(笑)。答えになっていないかもしれませんが……これまでずっと平面のグラフィックを作ってきましたよね。でも最近、動くものをやりたくなってきたんです。映像へのアプローチは社内のクリエイティブにもあって、CDジャケットを作っているのならばPVも作ろう、と。僕のところにも、たまたま最近CFの話が来て、それをいま企画しているところです。会社員としてなのか、個人としてなのか……その動機の区別はつかないのですが。
──垣根を超えて、チャレンジできる環境にある?
島尻●そうなんですね。いま、うちのクリエイティブには大きく分けて3つの制作部門があります。第1制作が音楽系、第2が広告系、第3がゲームや映画/DVD系……と分類されているのですが、実はおおまか。僕は第2制作に所属しています。だからといって音楽系をやらないわけではなくて、そのへんはフレキシブルに対応している。CDやゲームのパッケージ、企業のCIなど、なんでもやれる態勢にあります。
──会社にいることで引き出される自分であり、会社にいて自由なことができればいいと?
島尻●ええ。いるからには、利用していいのではないかと。
島尻●うーん……考えたことない(笑)。答えになっていないかもしれませんが……これまでずっと平面のグラフィックを作ってきましたよね。でも最近、動くものをやりたくなってきたんです。映像へのアプローチは社内のクリエイティブにもあって、CDジャケットを作っているのならばPVも作ろう、と。僕のところにも、たまたま最近CFの話が来て、それをいま企画しているところです。会社員としてなのか、個人としてなのか……その動機の区別はつかないのですが。
──垣根を超えて、チャレンジできる環境にある?
島尻●そうなんですね。いま、うちのクリエイティブには大きく分けて3つの制作部門があります。第1制作が音楽系、第2が広告系、第3がゲームや映画/DVD系……と分類されているのですが、実はおおまか。僕は第2制作に所属しています。だからといって音楽系をやらないわけではなくて、そのへんはフレキシブルに対応している。CDやゲームのパッケージ、企業のCIなど、なんでもやれる態勢にあります。
──会社にいることで引き出される自分であり、会社にいて自由なことができればいいと?
島尻●ええ。いるからには、利用していいのではないかと。
次週、第4話は「利用できるものはどんどん利用する」についてうかがいます。
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)
(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)
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[プロフィール] しまじり・かずなり●1966年沖縄県生まれ。東京デザイナー学院卒業後、求人系広告代理店、制作プロダクション勤務を経て、株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズに入社。現在、同社クリエイティブ本部のクリエイティブオフィス、クリエイターズルーム第2制作に所属。アートディレクターとして、音楽/映像ソフトのパッケージデザイン、コンサート・パンフレット、広告などを手がけている。 |