今月の1年生デザイナー
川瀬亜美さん(中垣デザイン事務所)
土曜。ミームデザイン学校2010年度、スタート!
9:00 起床
8時に起きるつもりが寝坊! 慌てて身支度をして、ミームデザイン学校の会場である青山ブックセンター本店・カルチャーサロン青山へ向かいます。 ミームデザイン学校は、第一線のデザイナーと異分野のエキスパートが協力し合って講義を行う社会人学校で、弊社が運営を行っています。週末を利用した週1回のカリキュラム構成で、忙しい若手のデザイナーたちが働きながら参加しやすい環境を整えています。会場もカリキュラムに合わせて、時には印刷所の会議室をお借りしたりと臨機応変。かなり変わったスクールに思われるかもしれませんね。講義形式も独特で、基礎過程は2人の講師によるコラボレーションという形をとっています。これがすごく面白い相乗効果を生み出していくのです。
9:45 青山ブックセンター到着
今日はミームデザイン学校2010年度、初日の授業の日です。さっそくオリエンテーションと簡単な自己紹介が行われました。生徒さんをお一人ずつ写真を撮る部屋まで案内する係を担当します。
11:30 授業開始
授業が始まりました。私は基礎課程の授業のサポートを担当します。講師は雑誌『アイデア』編集長の室賀清徳さんと雑誌『ユリイカ』の元編集長、郡淳一郎さん。緊張します。授業のテーマは『「プロの仕事」をするための言語実践講座』。 今日の授業は自己紹介と、それぞれが持参した本の魅力について語るというもの。 出席を取ったり、写真を撮ったり、本のクレジットを控えたりと大忙しでした。
ちなみに同じ時間帯で専門課程の授業もスタートしました。こちらの講師は松田行正さんで、授業のテーマは『新ブックデザイン考 牛若丸の本を作ろう』。こちらの講義では、実際の流通や店頭での販売も念頭に入れて、生徒それぞれが牛若丸の本を制作するとのこと。コストや耐久性、印刷所・流通・書店といった現場への深い理解と現実的な判断が要求されるものになりそうです。
今日は韓国・ソウルにあるデザインスクール「Asia Creative Academy(ACA)」の生徒さんとの交流会がこの後に控えています。ACAとは昨年秋に学校間の提携協定を結んでおり、 中垣をはじめミーム講師陣が招聘講師として講義をするなど積極的な交流を行っている一環。今回はACAの東京視察に合わせて、生徒同士の交流を実現しました。これからACAの皆さんがばらばらと到着する予定なので、その対応に追われます。日本語が通じないことが想定され、何が起こるか分からない状態なので臨機応変に対応していくつもり。
14:30 MeMe×ACA交流会
引き続き、韓国のデザインスクール、ACAの皆さんをお迎えして「MeMe×ACA交流会」をスタート。両国のデザイナーを取り巻く環境や、日本語の文字組とハングルの文字組の違いなど、短い時間でしたが、生徒同士が互いに質問を投げ掛け合い、交流を深めました。
15:30 懇親会の準備
交流会を途中で抜けて、懇親会会場であるカフェにひとまず先に行って受付を設置します。メニューのことなど、店員さんから簡単にご説明いただきました。
16:00 懇親会受付開始
受付に人が溢れ出す! 今年の生徒さん、先生、韓国からいらっしゃったACAの皆さんが入り乱れ、チェックが追いつきません(涙)。先輩に手伝われながら受付で名前をチェック。すべての入場者を確認して、やっと一段落した事務局スタッフ。皆おなかがすいていたので、とりあえず食べるのに夢中です。
17:00 ACAの生徒さんと話す
だんだん会場もリラックスしてきて、会話も弾みます。 日本の漫画を読んで日本語を習得したというACAの女の子の、流暢な日本語に驚嘆する。人気の漫画は「銀魂」や「はちみつとクローバー」などの名前があがりました。また「韓国で一番有名な日本人デザイナーは?」と聞くと、数人が原研哉さんと答えました。なるほど。最後は記念写真取ったり、楽しい雰囲気で終了しました。
19:00 二次会
郡さんの計らいで二次会が実現しました。10余人が集まって、近くの居酒屋へ。
20:00 ポレポレ東中野へ
後ろ髪をひかれながら、二次会会場を後にします。実は、友人が総監督をつとめた映画が本日公開、舞台挨拶があるというので前々から観に行く約束をしていました。 映画のタイトルは『僕らのカヌーができるまで』。すべて、自然の中から直接材料を持ってきて、電気道具を一切を使わずにカヌーをつくり、インドネシアから沖縄まで渡るという壮大なプロジェクト、その一部始終をおさめたドキュメンタリー映画です。荒削りで、素朴で、力強い——もの作りの良さを再発見する映画だと思います。日本にも、インドネシアにも、たくさんの技術がまだ保存されていて良かったと心から感動。また、久しぶりに友人や先生に会えて楽しいひとときを過ごしました。