第6回 Phase3 お金と時間を上手に扱うためにワークフローを活用する - 思考するWebディレクション | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第6回 Phase3 お金と時間を上手に扱うためにワークフローを活用する - 思考するWebディレクション

2024.5.13 MON

【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて
Phase 3 お金と時間を上手に扱うためにワークフローを活用する

ワークフローを整理して
活用しよう

ワークフローとは、プロジェクトを進行させるうえでのタスクをまとめたフローチャート(図式)である。案件の進行をスムーズにし、クオリティそのものも統括していく役割を担っている。いわばWebディレクションをしていくうえでの指針となるものだ。
ワークフローはMicrosft Excelなどでまとめただけの単なる案件資料になりがちだが、制作管理に積極的に活用することで、お金と時間を一元管理できる便利なツールにもなりえる。ここで、ワークフローを基準にして考える概算見積もりの算出手法について紹介しよう【1】。最初に制作案件のワークフローを整理する。通常はクライアントからの相談にはじまり、ヒアリング(キックオフ)や要件定義などから、一連の制作過程を経て、Webサイトの納品へと進行する場合が多い【2】。  もちろん、Web制作は現場が違えばクライアントも違うケースバイケースの仕事になる。しかし、Webディレクションをビジネスとしてとらえるならば、いきあたりばったりの進行や予算管理ではクライアントが納得しないだろう。基本的なフローをフォーマットとして定めたうえで、ケースバイケースの対応でアレンジしていくことが重要になってくる。

ワークフローを基準にした
「時間」の見積もり

ワークフローが整理できたら、次にスケジュールを立てる。まず、案件のスタート地点とゴール地点をベースに組み立てていく。大抵は最初のヒアリング(キックオフ)がスタートポイントとなり、サイト公開(納品)がゴールポイントに設定される場合が多い。サイト公開後にも運用やメンテナンスなどのプロセスは残っているが、ワークフローを基準にしてスケジュールを立てる場合は、このふたつのポイントから始めるのがわかりやすい。
たとえば、サイト公開が10月31日に設定されている案件の場合、最初のミーティングが9月29日であると仮定すると、スタートポイント(ヒアリング)からゴールポイント(サイト公開)まで1カ月弱で進行する必要がある。できるできない以前に、まずはワークフローを基準にスケジュールを立ててみて、それが現実的かどうかをはかってみよう。これが時間の見積もりとなるのだ【3】。概算のスケジュール見積もりを立てた段階で、もしも現実的でないとしたら、どの程度の工数追加が必要なのか、また指定の期限までにどこまでなら仕上がるのか、といったことを瞬時に算出できるのが、このワークフローを基準にしたスケジュール見積もりの特徴といえよう。

ワークフローを基準にした
「お金」の見積もり

ワークフローを基準にするとスケジュールのみならず、お金に関する見積もりも瞬時に算出することができる。【4】のように、横軸にまとめたワークフローとスケジュールを基準に、関わる人を縦軸にリストアップして、それらがどのタイミングで何をするのかをまとめれば、そのリソースの工数から見積もりを立てることができる。たとえば、ワークフロー上でデザイナーやコーダーなどを拘束するタイミングと、そこにかかる「日数×日当」から概算でかかる人件費や外注費の見積もりを瞬時に立てられる。
このようにワークフロー基準で概算の見積もりを算出する方法は、スタッフィングと見積もりを一度に算出できるため、Webディレクションの効率化にもつながるのだ。

direction6-3-1

【1】ワークフローを活用することで、お金と時間の効率的な管理ができる

direction6-3-2

【2】プロジェクトを進行させるうえでのタスクをまとめたフローチャートの基本的な例

direction6-3-3

【3】ワークフローのステップごとに時間軸(日付)を加える

direction6-3-4

【4】ワークフローを基に工数を計算して、概算予算見積もりを算出する

[INDEX]
>>> Phase1 Web制作案件における制限枠(1)「お金」
>>> Phase2 Web制作案件における制限枠(2)「時間」
>>> Phase3 お金と時間を上手に扱うためにワークフローを活用する
>>> Phase4 クライアントに理解されやすい見積もり作成のポイント
twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在