
第6章 須田和博のインタラクリ式ライフハック
第1回 プリンター付ホワイトボード
皆様、はじめまして。博報堂でWEBに軸足を置きつつ、広告全般の企画制作をしている須田と申します。今回から、計4回、「クリエィターのライフハック」というお題を頂戴して連載させていただくことになりました。計4回、どれも具体的な機材と道具をご紹介しながら、具体的にご説明していこうと思っています。よろしくお願いいたします。ところで、この、ライフハック(Life Hacks)とは、そもそもなんなのでしょうか?
文:須田 和博
ライフハックとはシンプルになること
いただいた連載企画書の説明によれば、Danny O'Brien 氏の提唱によって生まれた言葉で、「いかに効率よく生産性をあげて、シンプルに過ごすか」それを実現するための仕事術とのこと。私はこの「シンプルに過ごす」という文節に、その思想の真髄を見たと思いました。単なる「コワザ」や「チップス」や「整理術」に拘泥するのではなく、その先の「シンプルな自分」というものを目指せるか、どうか?それこそが、一番大事なんじゃないかなあ、と。自分がシンプルになれないなら、どんな「ひと工夫」もジャマなだけだなあ、と。では、何をすれば自分がシンプルになっていけるのでしょうか?
新しいことをするには、新しい道具を手に入れること
昔、ローリー・アンダーソンは言いました。「アートを作りたければ、アートを作る道具を手に入れなさい。」今から、25年くらい前のことです。「私のライフハック」は、どれも若干のインフラを要求するものです。これらについては、どれもその「具体物」を導入して実践すれば、私がやってることを、まったく同じようにできます。私自身も誰かがやっていたことを、見様見真似で自分流にやって、いつの間にか身につけたものです。皆さんも、これは使えそうだと思ったら使う、なじまなければやめる、くらいの気楽な気持ちで試していただければ、ありがたいです。計4回の内容は、下記の通りです。
1.プリンター付ホワイトボード
2.PDFスキャナー
3.携帯ブログ更新
4.4色ボールペン
脳の限界を、ライフハックで助ける
私の持論ですが、今日の情報社会は、あきらかに人間の生の脳だけでは、キャパシティ・オーバーです。現代社会での生活と就労は、すでに、自分一人の脳では、まかないきれません。容量においても処理速度においても、まったく追いつけないと日々思います。そこで、技術が実現した便利な道具で、人間の脳を助けよう。人間のキャパを超えた量の情報は、機械に任せよう。人間は、なるたけ楽にしていよう。いつも手ブラで身軽でいよう。生の脳は、思いつくことに専念するために、いつもできるだけ空っぽにしておこう。。そんなことを、いつも、考えています。これを実現するための、具体的な4回の「ライフハック」ということで、連載していきたいと思います。
ホワイトボードなしでは、打ち合わせにならない
打ち合わせのすべてを、その打ち合わせの参加者全員と間違いなく共有するために、なくてはならないもの。それが、「プリンター付ホワイトボード」です。私のような仕事の場合、つまり企画のビジョンを描き、大きなディレクションをするのが主業務の場合、仕事を最大限に効率化するには、打ち合わせをしながら、すべての懸案事項を決定し、あいまいな宿題は一切残さず(具体的な宿題は、たっぷり)、はっきり誰の目にも「同じ」に見えるものとして、その打ち合わせで決めた内容を、明確にしていくことが最重要です。
何をやればいいか? それはどういうものか? 誰がどう分担するか? それらを、打ち合わせしながら、「構想」「着想」「検証」「合意」して、片っ端から「ビジブルなラフ」として、ホワイトボード上に定着していく。打ち合わせ終了時には、その板書をプリンターから出力し、参加人数分コピーして、共有して解散します。
殴り描きに近いものでも、そのメモから、その打ち合わせの、全ての記憶をたぐり寄せることができます。あとは、その合意ラフを持ち帰って、各自が各自の作業に取り掛かる。プロデューサーは工程を設計し、デザイナーはデザインを開始し、営業は妥当性と現実性を考えて得意先へ経過説明をする。そして、自分は、全てを信頼のおけるスタッフに委ねて、何もかも「すかーっ」と忘れて、次の仕事に取りかかるのです。(すいません。。。)
何をやればいいか? それはどういうものか? 誰がどう分担するか? それらを、打ち合わせしながら、「構想」「着想」「検証」「合意」して、片っ端から「ビジブルなラフ」として、ホワイトボード上に定着していく。打ち合わせ終了時には、その板書をプリンターから出力し、参加人数分コピーして、共有して解散します。
殴り描きに近いものでも、そのメモから、その打ち合わせの、全ての記憶をたぐり寄せることができます。あとは、その合意ラフを持ち帰って、各自が各自の作業に取り掛かる。プロデューサーは工程を設計し、デザイナーはデザインを開始し、営業は妥当性と現実性を考えて得意先へ経過説明をする。そして、自分は、全てを信頼のおけるスタッフに委ねて、何もかも「すかーっ」と忘れて、次の仕事に取りかかるのです。(すいません。。。)
ホワイトボードなしは、ものすごく効率が悪い
プリンター付ホワイトボードなしでは、もはや、打ち合わせが出来ない体質になりました。時たま、それがない会議室しか空いてなくて、ホワイトボード難民になることがあります。そんな時、まあ、いいか、とホワイトボードなしで打ち合わせを進行すると、ほぼ確実に、その「次」の打ち合わせで、大後悔することになります。
人間の記憶というものは、そのくらい、いいかげんなものです。たった、ホワイトボードがないだけで、その打ち合わせの時間と、その後ズレた作業を各スタッフがやってしまう時間、もう一回やり直しの打ち合わせをする時間、そしてスタッフがもう一回やり直す時間、このすべてが無駄になってしまいます。
人間の記憶というものは、そのくらい、いいかげんなものです。たった、ホワイトボードがないだけで、その打ち合わせの時間と、その後ズレた作業を各スタッフがやってしまう時間、もう一回やり直しの打ち合わせをする時間、そしてスタッフがもう一回やり直す時間、このすべてが無駄になってしまいます。
プリンターは、シンプルで良い
ちなみに、プリンターはモノクロの感熱紙で十分。できるだけ、シンプルなものがいい、です。高級機になると、使い方がわからなくなってしまうので。むしろ、ボードのフチまで切れずにプリントされることの方が、重要です。なぜなら、えてして最後にたどりつく、一番重要なポイントは、ボード上に書く場所もほとんど残っていないくらい「隅っこ」に書くことになりがちなので。。。
ボードはキレイに、マーカーは新品をキープ
プリンター付きホワイトボードは、できるだけシンプルなものを、できるだけキレイにして使いたいものです。板書した内容が、もっとも簡単な操作で、まちがいなくクリアーに、プリントアウトされることが重要。時々、はじっこがプリントされないまま、乱暴にコピーされて配布されて、肝心のところが読めない、、という事故がおこります。板書、プリント、配布、ここに神経を配らないようでは、精度の高い会議とは言えないでしょう。

えてしてホワイトボード用のマーカーというものは、会議室に放置されていてインクが乾いたような、書きにくく明瞭でないものを皆が使いますが、私にとってはかなり重要な筆記具なので、新品を一定数、自分でストックし、必要に応じて会議に持参したりします。このマーカーの書き心地も、実は会議にとってものすごく重要だと思います。アイデアにこだわるなら、筆記用具にこだわれ、という教えは、会議で共有するものにも、同様に言えることです。
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ホワイトボードの板書の例。かなり古いものですが、いろいろコンプライアンスに抵触するところを消したら、スッキリしてしまいました。実際にはこの1.5倍~2倍ほどの密度でこまごまと書き込まれています。細い線のところは、プリントアウトした後、さらにボールペンで加筆したもの。このサムネールだけでは、何のことやらさっぱりわからないと思いますが、会議に同席してやりとりした上で、この殴り書きを見ると、打ち合わせの内容がズルズルと記憶に蘇ります。人間の記憶というのが、ビジュアルにヒモづいていることが、よくわかりますね。
さて、次回はこの板書プリントをメールで共有するのにも大活躍する「PDFスキャナー」です。ホワイトボードより、はるかに普及が遅れている機材ですが、一度使ったら二度と手放せない現代オフィスの必需品です。
次回も、お楽しみに!!




