
第6章 須田和博のインタラクリ式ライフハック
第4回 4色ボールペン
博報堂でWEBからマスまで、メディアをウロつきながら広告全般の企画制作をしている須田です。「クリエィターのライフハック」も、いよいよ4回目。私の連載は、今回で終わりです。「プリンター付きホワイトボード」→「PDFスキャナー」→「携帯ブログ更新」と、ちょっとハイテック、ハイスペックすぎたかな?ということで、最終回は、ぐっと身近に戻して「4色ボールペン」です。あまりにも、当たり前な道具で拍子抜けかもしれませんが、この「4色ボールペン」も、今や、私の仕事に不可欠なツールです。なんで? どこが? ということを、ご説明して行きます。
文:須田 和博
原始的かつ究極的な知的生産の道具
インターネット界の片隅で現業を行い、かつ子供の頃からSF好きゆえに、「PDFスキャナー」「携帯ブログ更新」ともに、ちょっと大言壮語しすぎてしまったやもしれません。最終回は、ぐっと身近なところに視点を戻して、「4色ボールペン」です。私とこのボールペンとの出会いは、1冊の本に始ります。
今やすっかりベストセラーの書き手として有名になった斉藤孝氏のブレイク作は、大ヒット作の「声に出して読みたい日本語」の他に、実はもう1冊ありました。それが「3色ボールペン情報活用術」という新書です。この新書は、企画モノとして特製の「3色ボールペン」とセットで書店店頭で販売されていました。ある日、銀座の本屋で、たまたまこれを見つけて、なんとなく気になって購入。読んで驚き、すっかりハマりました。
今やすっかりベストセラーの書き手として有名になった斉藤孝氏のブレイク作は、大ヒット作の「声に出して読みたい日本語」の他に、実はもう1冊ありました。それが「3色ボールペン情報活用術」という新書です。この新書は、企画モノとして特製の「3色ボールペン」とセットで書店店頭で販売されていました。ある日、銀座の本屋で、たまたまこれを見つけて、なんとなく気になって購入。読んで驚き、すっかりハマりました。
私の3色ボールペン術
このやり方に感化され、まず本をマーキングしながら読み始めました。しかし、これは、面倒くさくて、すぐやめてしまいました。マーキングしながら本を読むと、ただでさえ遅読なのに、ますます本を読むのが遅くなってしまうのです。打ち合わせ資料などを読む時は、今でもバリバリに3色マーキングをしています。
それから「仕事用のノート」と「スケジュール帖」に、このスキルを使いはじめました。ノートであれば、青=地の文、赤=大事なところ、緑=自分で思いついたアイデア。スケジュール帖であれば、青=通常の予定、赤=絶対遅刻してはいけない予定(プレゼン、入稿日、公開日、など)、緑=個人的な予定(メシ、飲み会、映画、プライベート、など)です。
色の認識は、字を読むより速い
やってみるとわかりますが、色を認識するのは、文字を読むよりもはるかに速いです。内容を読解するよりも速く、書いてあることの分類や重要度がわかるのは、脳の使う部分が違うので、まったくストレスがありません。これは、文字を読むのは「大脳新皮質の一番外側」で、色を認識するのは古皮質よりもさらに深い脳科学でいう「爬虫類の脳」と呼ばれる部分でやるからだと思っています。ほぼ頭を使わなくても、情報の分類がすぐ頭に入ってくるので、非常に快速で快適です。
3色より4色の方が自分には合っていた
ある時期まで、斉藤孝氏に感化されて「3色ボールペン」術を実践していたのですが、やがて3色ボールペン使いに慣れて来た頃に、2つの理由で「4色ボールペン」に切り替えました。ひとつ目の理由は、青赤緑の3色ボールペンは、一般には売ってないので買ってから軸を差し替える「改造」を施さなくてはなりません。これが、日常的にボールペンを使い倒している時には、けっこう面倒くさかったのです。
もうひとつの理由は、自分は日常的に、ラフやコンテなどの絵を描くので、けっこう「黒」が必要だということに気がつきました。それで、なんのことはない「青赤緑黒」という市販の4色ボールペンを、買ったそのままで愛用するようになりました。どこの文具店にも売っている、極めて普通でメジャーなボールペンです。
もうひとつの理由は、自分は日常的に、ラフやコンテなどの絵を描くので、けっこう「黒」が必要だということに気がつきました。それで、なんのことはない「青赤緑黒」という市販の4色ボールペンを、買ったそのままで愛用するようになりました。どこの文具店にも売っている、極めて普通でメジャーなボールペンです。
ペンの書き心地はとても大事
4色ボールペンと言っても、いくつかのメーカーから、何種類かの太さが販売されています。自分の筆圧や手クセになじみ、しっくりする太さと書き心地のものを探して、ダース買いしておくことをお薦めします。さらに、セコい?チップスを紹介すると、自分はインク軸のリフィルも箱買いしています。なぜなら、4色ボールペンのインクは、4色同時にはなくならないから。なくなった色から順にインク軸を差替えて、ペン本体がダメになるまで使い続けます。
もっとも普通な4色ボールペンとノート
この、どこでも売っている「4色ボールペン」と、もうひとつ、どこでも売っているA6サイズの「手帳ノート」を、いついかなる時も、常にズボンのポケットに入れて行動しています。仕事でもオフでも、町内でも海外でも。基本的に手ブラを死守する一方で、絶対にこの「手帳ノート+4色ボールペン」を忘れないようにしています。「携帯ブログ」と同様に、このペンとノートも、外部化された「脳」だと思っているからです。
このA6サイズのノートは、もっとも安くて、使いやすいものを決めて、もう20年以上同じ製品を使い続けています。これの何がいいか?というと、まず安い、どこでも買える、廃盤にならない、文庫本と同サイズだから本棚に並べやすい、などでしょうか。1年用のスケジュール帖と、同じカバーに入れて使っていますが、このA6ノートの方は、長くて3ヶ月、早くて1週間くらいで書き潰してしまうので、リフィルが潤沢に安く入手できる必要があります。
ただのボールペンが、思考の道具に変わった
4色ボールペンを使うことが、そんなにすごいことなのか?誰でも使ってるし、よくイベントの粗品にも付いてくるじゃないか、と言う方もいらっしゃるでしょう。たしかに。自分も意識して使う前から、特に意識せずに4色ボールペンを使っていた時期もあったかもしれません。ただ、「主観色、客観色、最重要色、(+絵を描く色)」という、斉藤隆氏が整理してくれた「3色法」を経たことで、単なる4色ボールペンがとても使い勝手のいい、「脳の相棒」になりました。意識の中に、この色ごとの「立場分け」が確立すると、色分けによる「自問自答」ができるようになります。
青で書いた意見に、緑で書いたアイデアをぶつけ、客観視して、重要なものに赤で丸をつけたりする。黒で描いた絵に、赤で注意書きを付け、青でト書きを付ける。などなど。大袈裟に言うと、4色ボールペンを使うことで、自分の脳の中に4人組のチームを持つことができるような感覚です。
青で書いた意見に、緑で書いたアイデアをぶつけ、客観視して、重要なものに赤で丸をつけたりする。黒で描いた絵に、赤で注意書きを付け、青でト書きを付ける。などなど。大袈裟に言うと、4色ボールペンを使うことで、自分の脳の中に4人組のチームを持つことができるような感覚です。
人間は、道具を使ってこそ、知的生産が出来る
「アートを作りたければ、アートを作る道具を手にいれなさい」とは、連載第1回目に引用した、ローリー・アンダーソンの言葉です。人間が、何かを作るには、道具がいる。道具は人間が使ってこそ、価値を発揮して生きる。考えるだけなら、何もなくても考えられる、と思われるかもしれませんが、人間は手を使うことなしでは、具体的に物事を考えられません。最低限、書く道具なしでは、ものは考えられない、と言っても過言ではないでしょう。
道具が脳を補助するためには、PCにドライバーソフトを入れるように、その道具を使う方法や、使う思想を自分の脳に、インストールしなくてはなりません。ただのボールペンが価値ある思考の道具になるには、まず字を覚え、言葉を知り、図や絵を学び、そして「色分け法」などのスキルを身につける必要があります。それには反復練習や一定期間のトレーニングが必要です。もしそれをしなければ、モノはただのモノ。道具はいつまでたっても、自分の「脳の相棒」にはなりません。
以上4回に渡って「私なりのやり方」をご紹介してきました。読者の皆様も、これらの記事やいろいろな書籍にある方法論を参考にしつつ、と言って、あんまりそのやり方にしばられすぎずに、自分なりのワザを、自分が一番楽なようにアレンジしながら、とりあえず軽い気持ちで、やってみてはいかがでしょうか。人は人、我は我なり、されど一部参考には、なる。。(字余り)という感じで。では、ライフハックを工夫して、生活と頭を快適にシンプルにしつつ、今後、ますますのご活躍を!!
道具が脳を補助するためには、PCにドライバーソフトを入れるように、その道具を使う方法や、使う思想を自分の脳に、インストールしなくてはなりません。ただのボールペンが価値ある思考の道具になるには、まず字を覚え、言葉を知り、図や絵を学び、そして「色分け法」などのスキルを身につける必要があります。それには反復練習や一定期間のトレーニングが必要です。もしそれをしなければ、モノはただのモノ。道具はいつまでたっても、自分の「脳の相棒」にはなりません。
以上4回に渡って「私なりのやり方」をご紹介してきました。読者の皆様も、これらの記事やいろいろな書籍にある方法論を参考にしつつ、と言って、あんまりそのやり方にしばられすぎずに、自分なりのワザを、自分が一番楽なようにアレンジしながら、とりあえず軽い気持ちで、やってみてはいかがでしょうか。人は人、我は我なり、されど一部参考には、なる。。(字余り)という感じで。では、ライフハックを工夫して、生活と頭を快適にシンプルにしつつ、今後、ますますのご活躍を!!
全4回、ご愛読ありがとうございました。
次回は新シリーズが始まります。お楽しみに!!




