第3話 大阪から東京へ。職業訓練校を経て、派遣社員に | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第3話 大阪から東京へ。職業訓練校を経て、派遣社員に

2024.5.18 SAT

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成功を勝ち取れ!異業種からの挑戦

第4回 株式会社博報堂アイ・スタジオ 富岡香好氏の場合


株式会社博報堂アイ・スタジオの富岡香好氏は、もともとWeb業界とはほど遠い不動産業界でのOL経験を持つコーダーだ。新卒時から、いくつかの会社で営業や一般事務、Webディレクターなどを経験しながら、自分がやりたいことを常に模索し、自身の道を見つけていった行動派である。“思い立ったら即行動” ――その驚くばかりの行動力と、さわやかな笑顔が印象的な彼女の原動力を探ります。

第3話 大阪から東京へ。職業訓練校を経て、派遣社員に

──その後、また転機が訪れて、東京に引っ越すことになるわけですが……。
富岡●はい。その頃結婚が決まっていたんですが、相手が東京に行くことになりまして。で、東京に行ってもこのままWebディレクターをするか迷っていて……。というのも、当時はデザイナーで入ったのにディレクターを無我夢中でやって、HTMLなどの細かい制作の内容までは考えずにやっていたんですね。でも、同期にWeb標準にかなり熱いコーダーがいたんですよ(笑)。当時の私は「HTMLのタグって意味あるんだ〜?」くらいの感じで……そのコーダーには怒られてましたけど(苦笑)。その後、やっぱり制作をやりたいって思っていたので、少しずつHTMLを勉強して行くうちに「コーディングを追求したらおもしろいかも」と思うようになっていたんです。もちろん、当時手がけていたサイトはテーブルがちがちで作っていましたし、更新するときにそんなことは一切考えずにやっていたんですけど……「このままではいけないな」と。それで、上京したら制作の勉強をするために学校に行こうと調べていたんですが、その時に運良くハローワークで紹介してくれる職業訓練校のことを教えてもらったんです。話によると、失業保険を受けながら勉強できるとか。これはハローワークに話を聞きに行かなくちゃと思っていたら……ちょうど入学したい時期の募集が締め切り前日だったんですよ。

──ぎりぎりのタイミングですね。
富岡●しかも、その時はまだ大阪にいたんですけど、「東京のこの講座に行きたい」と大阪のハローワークに頼み込んで、滑り込みで応募することができました。職業訓練校の講座は人気があるので、面接も筆記試験もあるんですよ。無事合格して、上京後すぐにWebクリエイター科に通い始めました。

──講座ではどんなことを勉強されたんですか。
富岡●3ヵ月の講座だったんですけれども、授業の内容は、HTML、CSS、DreamWeaver、Fireworks、Flash、最後に卒業制作、とかなり駆け足のカリキュラムで……これは自分でもきっちり勉強しないといけないなと思って、かなり自宅でも勉強しました。その後、職業訓練校の卒業式の次の日には、派遣会社に登録しに行きました。それがちょうど3月末日だったんですが、4月10日には博報堂アイ・スタジオに派遣社員として入ってましたね。

──それはまた、随分早い展開ですね!
富岡●派遣会社の人にも、こんなに早く決まった人はいないと言われました(笑)。とにかく必死だったんですよ。卒業制作も、普通はひとつの作品を作るところ、私はふたつ作って持って行きましたし。今回は「とにかく制作がやりたいんです!」と面接でアプローチしまして。「でも、あまり実務経験がないからな……」とか言われながらも、「運用のセクションで経験を積みながらやってみましょうか」ということになって採用されました。熱意で押した感じですね(笑)。

──博報堂アイ・スタジオでは、まず最初にどんなことをやったのでしょうか。
富岡●まず最初は運用の部署に配属になりました。画像の差し替えや更新をやっていたんですけれども、そのときにあるヘアケアのブランドサイトの更新が回って来たんですよ。そのサイトはWeb標準できっちりと作ってあって、こんなに技術の差って違うものかと愕然としました。自分の卒業制作なんて恥ずかしいくらい……。それで「もっと勉強しなくては!」と思ったんです。ちょうどその頃、同じような志をもった人達が周りにいたので、経験値のある先輩のソースを見て研究したり、教えてもらったりしながら、勉強していきました。

──なるほど、目標となる人が近くにいらしたというのはラッキーでしたね。
富岡●はい。実は入社してから、段階ごとに自分自身の目標設定がありまして……入った時は「とにかく何でもやる」。その次は「新規で、Web標準準拠で組めるようになる」、そしてそれを「何本か手がける」。で、次は「早く正確に組める」。その次は「効率性を考える」、そして「複数の人とチームを組んでできるようになる」……という感じで。その中のちょうど「早く正確に組める」段階に入っていたのが今年の3月くらい。この時期にかなりの経験を積むことができました。

(取材・文:草野恵子  撮影:谷本夏)

株式会社博報堂アイ・スタジオ
http://www.i-studio.co.jp/
株式会社博報堂アイ・スタジオは、博報堂100%出資のクリエイティブ企業である。インタラクティブなメディアのクリエイティブ、プロモーション、マーケティングなどのすべてをトータルで提供・サポートする体制が確立されており、より高いクオリティが求められるさまざまな業種の案件を手がけている。国内外の広告賞、デザイン賞も数多く受賞している。



次週は「第4話 派遣社員から社員へ。さらなる目標は……」についてお届けします。

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