第3話 転機となった、出向先での経験と資格取得 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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成功を勝ち取れ!異業種からの挑戦

第5回 株式会社ミツエーリンクス 田口公章氏の場合


株式会社ミツエーリンクスの田口公章氏は、自動車業界での経験を持つWebディレクターだ。もともと“夏休みの宿題は7月中に終えるタイプ”の彼、単位時間あたりの仕事量をなるべく圧縮して効率を上げていく方法を日々積み重ね、実践しているという。「楽して儲けたいだけ(笑)」と軽く語る彼だが、その仕事術はどうやって身につけてきたのか──。彼の新卒時から転職までの軌跡を追います。

第3話 転機となった、出向先での経験と資格取得

──Web制作については、ほぼ未経験でのスタートだったわけですが……。
田口●はい。入社した当時は、とにかく自分から動かないとダメだった記憶があります。それで、入社して半年後に出向する機会があったのですが、そのことが自分にとっては転機となった気がします。出向した先は某大手就職支援企業。その就職支援サイトを制作する仕事で、常駐会社として半年間出向しました。

──その出向先はどんな雰囲気だったのでしょうか。
田口●他の常駐会社とも席を並べて、一緒に仕事をしていく形だったのですが、その現場の雰囲気というのが、とにかくものすごく貪欲で……クオリティにこだわる姿勢にかなり圧倒されましたね。時間を気にせずに、目標に達するまでは絶対にやるという……僕の前任者は夜中の2時から始まる打ち合わせを経験したと言いますから、かなりハードな感じでした。単純にものすごい仕事量をこなさなくてはいけない環境だったので、結果、キャパシティが増えました。作業スピードは3倍くらい上がったと思います。いまだにPowerPointやExcelなどの書類を作る作業スピードについては、会社では誰にも負けない自信がありますね。

──なるほど。厳しい現場で鍛えられたわけですね。
田口●後から考えると、そこに出向する前の自分は、単なる“ご用聞き”にしかすぎなかったなと……本当の意味での“ディレクション”はやっていなかったなと思うんです。それが環境が変わることによって、自分の考えを織り込みながら、企画を形作っていくことができるようになってきたので、大きな収穫だったと思います。

──半年間という短い期間ですが、かなり劇的に変化したようですね。
田口●でも、半年間の出向期間の中では、自分はまったく役に立たなかったと思うんですよね。ひたすら一生懸命やってはいたんですが……終わったあとに目が覚めた感じでした(苦笑)。それと、そのちょうど出向している時期に「ITコーディネータ」の資格取得にもトライしました。

──それはまた、新たなチャレンジですね。
田口●ちょうどその頃、時代の流れとしては、もうWebサイトを持っていない企業というのはなくなってきていたんですが……どうしても弊社のような制作会社はアウトソーシング的な部分で仕事を請け負っているような面が強かったんですね。でも、人の決めたことを単純にスケジュールを切って、お金を見積もってそのまま行う……という感じではなく、もう少し上流から提案も含めて仕事を行っていきたいなと思っていました。そういったことを思っていた矢先に、会社で社員の資格取得を推奨するという動きもありまして……。それで、経営コンサルティングとITマネージメントの両方の範囲をカバーできるITコーディネータの勉強をすることにしました。経営戦略などの勉強ができたら良いかなと思いまして。

──なるほど。結果はいかがでしたか?
田口●受かることができました。資格を取得したからというよりは、その勉強する過程で得た知識が、確実に今の自分の得意分野になっていると思います。実際にやりたいと思っていたことができるようになりましたし……。会社が受験料も研修料金も全部出してくれて、そこまで本気でバックアップしてくれたというのも有り難かったです。

(取材・文:草野恵子  撮影:栗栖誠紀)

株式会社ミツエーリンクス
http://www.mitsue.co.jp/
1990年に創業、Webの黎明期から制作会社として数多くの実績を残してきたミツエーリンクス。現在は、顧客企業の経営戦略に基づくコンサルティングからマーケティング、プランニング、制作、分析までを包括的に提供し、多くのクライアントから支持を得ている。また、業界でもいち早くWeb標準準拠に取り組み、日本でのWeb標準牽引役として注目を浴びる存在でもある。



次週は「第4話 「仕事の速さは品質だ」と思います」についてお届けします。

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