第4話 今後のカヤックについて | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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鎌倉にオフィスを構える面白法人カヤックは、絵画の測り売りオンラインショップ「ART-Meter」(リアルショップも併設)。ブレインストーミング支援ツール「babooo」や名前から人間関係などを探る「WEB素行調査」、このほかにもブログパーツ、ブリッジメディアなど、さまざまなサービスをリリースし、いま注目を集めている組織である。今回は代表取締役である柳澤大輔氏に、カヤックという組織について、柳澤氏が考えるWebの未来について話を伺った。

第4話 今後のカヤックについて


すべてに関してが、常に実験



——鎌倉にオフィスを構えているのには理由があるのでしょうか?

柳澤●現在のオフィスには昨年11月に引っ越してきたのですが、鎌倉にオフィスを構えてからは5〜6年経っていますね。なぜ鎌倉かというと、ここには海と山があって単純に好きだからです。好きな場所で仕事をするための答えが鎌倉本社です。また、テレビ会議をすれば離れていても一緒に仕事ができます。根本的には、楽しく働ける会社を作りたいというのがあります。でも、営業、経理、クリエイターとか、人それぞれに適正があるわけですよね。全部一緒にしてひとつのルールでやろうとするから苦しいし、会社がつまらなくなります。

似たようなことは場所にも言えて、なにも東京に全員が集中する必要はないでしょう。もちろん東京にいないとビジネス的には不利ということもあるのでしょうけど、そうじゃなくなれば、もっと仕事や会社がおもしろくなると思います。鎌倉は遠くて不利かもしれないですが、不利にならないように挑戦していますね。うちはすべてに関して常に挑戦、実験なんです。いつも言っているのですが、いまの考え方でこれからもやっていけるかどうかを常に会社では実験しています。鎌倉に会社があるというのもその一環ですね。もちろん、いろいろな通信技術が発達したとか、移動時間中にも仕事ができるとか、ぼくらの業種が都心でなくても仕事がで
きるということもあるでしょうけど。


カヤックオフィス3階スペース、デザインはクラインダイサムアーキテクツによる


僕たちは常に実験をしていて、考えたり、学んだりということを第一条件にしているから、会社の成長スピードは外から見ていると遅いかもしれないですね。別の企業が取り入れた制度をそのまま真似したほうが会社としてはスムーズにまわるかもしれないけれど、なぜその制度があるのかを深く考えないで入れてみても、思考は深くなりません。だったら失敗してもいいから自分達で考えてやってみるという経験をしたほうがいいと思っています。

何かをしっかりと考えるということはいいモノを作ることに繋がっていくから、自分達のルールを自分達で考えるということはとても重要だろうし、みんなが求めるルールを作るというのはとても難しいことだから、それを考える過程で得ることがたくさんあるはずですよね。



——会社の人材としてはどのような人を望んでいますか?

柳澤●素直に人とコミュニケーションをとることができて、変化することができる人ですね。会社としては本人のためになる場でありたいと思っているので、僕がその本人のためになることをしてあげようと思えるような人でさえあれば、いろいろなことを提供することができると思いますね。あとは、ある程度の強引さも必要かもしれないですね。これおもしろいからやってよと強引に押し付けるくらいの人、あるいはそれに負けないような人。でもやはり本人と会って話をしてみないとわからないですね。



自分たちならではのおもしろいものを作る


——柳澤さんが考えるWebの未来とは

柳澤●これからは企業がコミュニティ運営などにより積極的に取り組んでいくと思いますね。SNSのAPI統一化の動きがありますが、それが進み、いままで閉じられていた世界が解放されて、企業が直接コミュニティに関わってくるようになると、もっとおもしろいことができるようになりますよね。さらにある一社で抱え込むのではなくてAPIを提供すれば、企業もそれに当然賛同してくるでしょうし、それによっておもしろいものがどんどん出てくるのではないでしょうか。


——カヤックとして今年はどんなことを展開していく予定でしょうか?

柳澤●「面白ラボBM11」のラボの請負業務というものに力を入れていきたいです。主にBtoC向けのものにはなると思いますが、他社さんの研究開発のWeb部門を請け負うというイメージです。すでにお持ちのリソースや資産を使わせてもらいながら、僕らなりの視点で自由に作ることによって、自社内では思いつかないようなおもしろいものができるかもしれません。そういったラボの請負業務をうまくスキーム化できればと思っています。形としては受託業務なのですが、単なる受託というよりは、実験、研究をしながら、双方がHappyになれるようなお仕事ができればと思っています。





(インタビュー/佐伯宗俊(black★bath) 撮影/谷本夏 )



[プロフィール]
面白法人カヤック 代表取締役  
柳澤大輔

1974年2月14日、香港生まれ。慶応義塾大学環境情報学部を卒業後。ソニー・ミュージックエンタテインメントに入社。
1998年、友人とともに合資会社カヤックを設立。2001年、WEBの受託制作を事業とするグループ会社(株)クーピーを設立。
現在(株)カヤックおよび(株)クーピーの代表取締役を兼任

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