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第1回 リッチメディア広告とは? - リッチメディア広告制作の最新事情

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リッチメディア広告制作の最新事情


第1回 リッチメディア広告とは?

2013年10月18日
TEXT:川村 健一(株式会社オプト)


一般的にバナー広告というと、静止画もしくはアニメーションGIFや簡易的なFlashアニメーションによって表現されている。一方リッチメディア広告の場合、FlashやHTML5を使い、高度なインタラクションを駆使して、動画や音楽を織り交ぜ、より多くの情報をエモーショナルに届けることができる。さらにバナー領域をクリックもしくはロールオーバーするとバナーエリアが拡大して、インタラクティブなコンテンツを再生できたりと、いわばバナーの中にスペシャルサイトを組み込むようなことまで実現が可能だ。


インターネット広告の目的とは

インターネット広告の目的は、通常CPAが指標となるケースが多い。CPAとは“Cost Per Acquisition”の略で、広告を経由してWebサイトを訪れた人が商品を購入したり、会員登録をするなど、顧客獲得に結びついた人数あたりの費用を指す。つまり、広告主にとって良いバナー広告というのは、どれだけ効率良く顧客を獲得できるかにある。

バナーやリスティングといった、一般的なインターネット広告から獲得できるユーザーは、ニーズが顕在化している層が多く、この層へのアプローチのために、さまざまな広告主が効果改善のためにしのぎを削っている。弊社では、そうしたクライアントのお手伝いをさせていただいているが、最近、担当者の方から良く耳にすることがある。それは「広告を最適化できているので、顕在化しているユーザーは十分に獲得している」「シェアを広げるために、顕在化する前のユーザーから向き合って行く必要がある」という声だ。つまり、広告効果を高めるために、顕在化しているユーザーはもちろん、その手前のユーザーとの接し方を真剣に考えるフェーズにきているのだ。




ニーズが顕在化していないユーザーへのアプローチとは

ニーズが顕在化する手前のユーザーへのアプローチは、これまでおもにマスメディアが担ってきた。TVの影響力が落ちてきているとはいわれるものの、いまだに商品を認知させるための手段としては圧倒的なパワーをもっている。私自身、以前と比べてTVを視聴する時間が減ってはいるものの、ふと気づいたらCMで流れている歌を口ずさんでいる時があるし、多くの場合、CMで起用された歌や俳優は、その年の人気に大きな影響を与えている。

では、インターネットにおける顕在化する手前のユーザーへのアプローチはどうなのだろうか。これまでは、バナー上でユーザーの興味を引く演出をしようとすると、特定のポータルサイト上で展開することが多かった。広告の出稿先を決める際、各ポータルサイトが出している媒体資料を基に、リーチするユーザー層やコストを踏まえ、広告の出稿先を決定していく。媒体によっては、たとえば、バナーをクリックするとページをジャックするような使い方も可能で、大型のキャンペーンなどで目にした人も多いはずだ。

一方で、価値観が多様化した現在、インターネット広告のトレンドとして、“特定のポータルサイト上に広告を配信する”に加えて、個々のユーザーの閲覧行動をもとに“人に応じた広告を出す”という考え方が生まれている。特定の媒体に縛られずに、ユーザーの特性に応じて、ユーザーが見ている媒体にピンポイントで広告を届けることができるので、より詳細に広告のプランニングができるようになるというものだ。さらに、以前は、バナーを通じて「どれだけクリックしたか」を計測する程度だったものの、今では「そのユーザーがどれだけの時間、コンテンツに接したのか」「どの時点で離脱したのか」などを細かく追うこともでき、コンテンツに興味をもってくれたユーザーに対して、後日、静的なバナーを提供し、中長期でユーザーと接点をもつきっかけづくりとしての役割を担えるようにもなった。このように、インターネットにおける顕在化する手前の層へのアプローチは、大幅に整備が進んでいるのである。




次回以降、実際の例やFlashやHTML5を使ったクリエイティブのつくり方をみていこう。




川村 健一(Ken-ichi KAWAMURA)

【著者プロフィール】
川村 健一(Ken-ichi KAWAMURA)
株式会社オプト / ArtDirector

オプトにて、アートディレクション、デザインを担当。インタラクションを絡めた表現を得意としている。

・日本グラフィックデザイナー協会・正会員
・DoubleClick Studio Certified User
・東京インタラクティブ・ アド・アワード・銅賞

●株式会社オプト:http://www.opt.ne.jp/
●個人LinkedIn:http://www.linkedin.com/in/twistcube


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