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第2回 リッチメディア広告の使いどころ - リッチメディア広告制作の最新事情

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リッチメディア広告制作の最新事情


第2回 リッチメディア広告の使いどころ

2013年11月1日
TEXT:川村 健一(株式会社オプト)


マーケティング担当者の課題

インターネット広告を大別すると「ダイレクト広告」と「ブランディング広告」の2種類がある。

ダイレクト広告は、顕在層に対して自社サービスを選んでもらうことをおもな目的としており、「ダイレクト広告」に関わるマーケティング担当者は獲得効率の最大化をミッションとしていることが多い。

一方、ブランディング広告は認知や好感度を高めることが目的であり、将来的に顧客となりうる消費者と中長期的に向き合っていく。テレビCMや新聞などのマス広告が得意としている領域であり、大型キャンペーンなどの形で展開される。「ブランドを知ってもらう」「ブランドに対して良いイメージをもってもらう」「購入する際に思い出してもらう」という効果を期待して実施されている。



インターネット広告は配信数やクリック数などの結果が目に見えるのでダイレクト広告との相性が良く、業界としても数値にコミットする形で発展してきた。最近では、各社が効率を求めるあまり、ある課題が顕在化してきている。ダイレクト広告は、顕在層という一定の母数の中での最適化であるため、“効率は上がっても新規顧客数が増えない”という状況が見られるようになってきたのだ。




インタラクション・スルー・コンバージョンとは

バナー広告では、クリック数を指標としてみなすことが多い。バナーから直接商品購入につながらずとも、クリックしたユーザーに対して、後日、改めてバナーを表示していくことで、広告に接触したユーザーをゴールまで導いていく。

FlashやHTML5を使用したリッチメディア広告の場合、クリック数に加えて「エンゲージメント」という新たな指標を計ることができる。エンゲージメントとは“バナー上のゲームに参加した”、“動画を再生した”など、バナー内部のコンテンツに接触したユーザーのインタラクションを示したもので、インタラクションの計測ポイントは柔軟に組み込むことが可能だ。

一般に、バナー以降のページに遷移するユーザー数よりも、バナー内でインタラクションを行うユーザー数のほうが多い。こうした特徴から、後日、別の広告を表示する見込み顧客の母数を増やすことが可能になる。

このように、リッチメディア広告で興味・関心を引きつけ、まずブランドに興味をもってもらい、インタラクションしてくれたユーザーに対して、別の広告を展開してゴールまで導いていくことをインタラクション・スルー・コンバージョンとよぶ。インタラクション・スルー・コンバージョンを意識することで、今までよりも多くのユーザー層へリーチすることが可能になるのである。




事例紹介

続いて、実際のリッチメディア広告の事例をみていこう。Googleが運営しているRich Media Galleryの中から、厳選した事例を紹介していく。

■Skyfall
http://www.richmediagallery.com/galleryDetail/?id=35285
YouTube上で展開されるリッチメディア広告。バナーの中にQRコードが埋め込んであり、スマートフォンで読み込むとスマートフォンがコントローラになり、バナー内のゲームを操作できる。映画の世界観をバナー内部のゲームを通じて楽しむことができるのだ。


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■Enjoy Stretching
http://www.richmediagallery.com/galleryDetail/?id=35412
YouTube上で展開されるリッチメディア広告。バナーをクリックすると領域が拡大。「DRAG TO STRETCH!」と書かれている映像をマウスで触れることにより、映像自体を引き延ばしたり縮めたりできる。感覚的に商品イメージを訴求している。


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■Nespresso
http://www.richmediagallery.com/galleryDetail/?id=35589
Webページ上で展開されるリッチメディア広告。通常のバナーエリア内でシズル感あふれる映像が展開されており、バナーエリアにマウスを合わせると、画面中央からより詳細なエリアが表示される。インパクトを狙う場合の参考になるだろう。


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■Germany
http://www.richmediagallery.com/galleryDetail/?id=35366
Webページ上で展開されるリッチメディア広告。バナーにロールオーバーすると領域が拡大。拡大したコンテンツ内にはGoogleマップが埋め込んであり、自由に操作できる。広告内で別のGoogleのサービスを活用できるのも、リッチメディア広告ならではの特徴だ。


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川村 健一(Ken-ichi KAWAMURA)

【著者プロフィール】
川村 健一(Ken-ichi KAWAMURA)
株式会社オプト / ArtDirector

オプトにて、アートディレクション、デザインを担当。インタラクションを絡めた表現を得意としている。

・日本グラフィックデザイナー協会・正会員
・DoubleClick Studio Certified User
・東京インタラクティブ・ アド・アワード・銅賞

●株式会社オプト:http://www.opt.ne.jp/
●個人LinkedIn:http://www.linkedin.com/in/twistcube


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