第2話 就職、社会人に | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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まざまなジャンルで活躍するデザイナーの来歴をたどるシリーズ。今回はWebデザイナー&プログラマーの梅津岳城さんを取材し、今日までの足跡をたどります


第2話 就職、社会人に



梅津岳城さん

中目黒「マウント」にて、梅津岳城さん


博報堂アイ・スタジオに就職



──そもそも美術方面への興味を感じたことは?

梅津●いや、特にはなかったですね。趣味から始まって、最初に自分で作ろうとリアルに思ったのが、Tシャツぐらいなんですけど。

──そのうち楽しくなってきて?

梅津●そうですね。パソコンとか、まだ当時は触ってなくて、作ることが仕事になるとはまったく思ってなかった。普通にサラリーマンになるんだろうな、と。

──就職活動は?

梅津●しました。大体有名どころの一般企業は行きましたけれど。ま、これはいいことなのか悪いことなのか、全部落ちたんです(笑)。

──で、就職浪人?

梅津●というか、そもそも卒論が書けなかったんですよ。

──ああ、じゃあ全然ダメですね(笑)。

梅津●その後、結婚することになったので、ヤバイと思って就職活動を始めたんです。でも結婚することになったのが12月で、もうその頃って普通の企業は就職試験は終わってますよね。だから、そのときできること、採ってくれるところを探すしかない。

──どうしたんですか?

梅津●ちょうど就職活動用に買ったパソコンで、HTMLとかFlashをイジってたんですね。IllustratorやPhotoshopなど、そこらへんのソフトも素人レベルですが。それで作ったものを間に合うところに持って行ったんです。

──いきなりHTMLとか、理数系だったから大丈夫でした?

梅津●苦ではなかったですね。逆に楽しかった。で、拾ってくれたのが博報堂アイ・スタジオでした。でも、たぶん議論があったはずです。それまで新卒は採ったことがなくて、僕が初めてだったんです。


Vodafone Design FileVodafone Design File

梅津さんの仕事から「Vodafone Design File」2004年5月
近未来の機能やサービスをもとに、新たな携帯デザインを提案する「Vodafone」プロジェクト・サイトのFlashを担当。
以前「ザ・対談」で登場した佐野勝彦さん(博報堂アイ・スタジオ)との共同作業となった。
第52回カンヌ国際広告祭・サイバー部門銅賞ほかを受賞



まさか自分が広告を作る側になるとは



──どれぐらい在籍を?

梅津●3年です。

──会社勤めはどうでした?

梅津●いま思うと楽しかったな、と……当時は嫌でしたけど。まず、通勤するのが面倒くさい(笑)。

──仕事は苦にならない?

梅津●どうですかね……なっていた気もしますが、充実していましたから。仕事はつねに大変でしたけれど。

──ちなみに、当時はどのような案件を?

梅津●ボーダフォンのデザイン・サイトとか、もう残ってないと思いますがNECさんのサイト、あとブリジストンのタイヤ……主にブランディング・サイトでしたね。

──広告の世界もまったく初めてで、苦労した点は?

梅津●それまで広告について考えたことがなかったですから……そもそも批判的にしかとらえてなかったんです。まさか自分が作る側になるとは、と。

──会社を辞めた理由は?

梅津●まぁ、3年いれば最低限の義務を果たせたかなと、突発的でした。ボーダフォンのデザイン・サイトで結果も出せたし、ちょうどタイミングもいいかなと。

──で、独立を?

梅津●はい。27歳のときですね。自信は……全然なかったです。辞めた当時は、一体どれだけお金をもらえるのかも知らなくて。


次週、第3話は「独立、そして会社を設立」を掲載します。

(取材・文:増渕俊之 写真:FuGee)


梅津岳城さん

[プロフィール]

うめつ・たけしろ●1977年神奈川県生まれ。Webデザイナー、プログラマー。京都大学総合人間学部卒業、博報堂アイ・スタジオ勤務を経て独立。さる3月、イム・ジョンホ氏とともに「株式会社マウント」を設立したばかり。

http://istruggled.com/ http://mount.jp




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