だから、そのデザインはダメなんだ。
[Chapter2-コンテンツ編集・設計]
もっとよくする・深く知る
紙媒体の誌面構成とは違う Webの特性を理解しよう
Webという媒体はボタンをクリックしてもらわなければ、ページを開いてもらうことすらできません。この特性に合ったタイトルやボタン名にすることが重要です。
Webコンテンツでは本質・本題をタイトルに
Webにおけるタイトルは、単にコンテンツの見出しというだけではありません。検索エンジンで上位に掲載してもらうための優位性を示す役割のほか、関連ページからそのページを開いてもらうための広告のボタン名のような役割も担っています【01】。 そして何よりも、タイトルは、ユーザー側から見て、「コンテンツの中身が自分にとって興味を持つ価値のあるものなのか」を判断する唯一の手がかりになるものです。その意味でもぞんざいに扱ってはいけないアイテムといえます。 よく文章は「起承転結」を守ると良いといわれますが、ことの発端となる「起」だけで興味をそそる場合、結論が見えないだけに「釣り広告」ならぬ「釣りタイトル」になってしまい、ユーザー側の失望感はサイトへの評価を下げます。 そのため、ユーザーが本当に知りたいと思う本質・本題に近い「結」をタイトル化する方が、より直感的でわかりやすいでしょう。
【01】文章の先頭側に、カギとなる重要キーワードを寄せておくと、意味が伝わりやすい。また、タイトルタグにも入るページタイトルなら、全角32文字以内に収めておく。文頭に最も重要なキーワードを配置すると、視認性が高まり見つけやすいだけでなく、SEO上も有利に働く
ユーザーはコンテンツをちゃんと読まない
そもそもユーザーは「本文を読んではくれない」、もしくは「タイトルで読む価値がないと判断してしまう」ものだとしたら、タイトルで本題を示さなければユーザーに伝わる機会そのものが失われてしまいます。 だからこそ、「どんなテーマ」で、「何を言いたいか」が明確に伝わるタイトルやリードが必要です【02】。クリックして、本文を読んでもらえない場合でも、タイトルだけで最低限のメッセージは伝えられますし、知りたいと思うユーザーには、本文を読む価値を伝えられます。
【02】仮にクリックされなくても、内容を伝えている分だけ、次のクリックの機会につながる可能性を残せる
雑誌記事のようなタイトルでは、なかなかクリックしてもらえない
いろいろな情報を俯瞰しながら眺められる雑誌の誌面構成は、タイトルやリード文、見出し、本文というように、掲載されるページによって役割が異なり、ページをめくっていくにつれて具体的になって、本文の最後で結論やまとめにつながっていくようなバランスになっています【03】。 しかし、Web上でこれと同じようなことをしようとすると、「知りたい情報かどうか判断できない」「抽象的で内容が掴めない」「結論が遠い」など懐疑的な理由で、そもそもクリックされなかったり、本文ページの途中で離脱されたり、最後まで読んでもらうことが難しくなっていきます。 それは、なぜでしょうか? Webは検索によって、ユーザーが知りたい情報をストレートに探し出せるため、より早く具体的な情報を求めているユーザーは、「次にたすきを渡す(クリックして開く)」ような「駅伝」的な先送りするコンテンツ体系は付き合ってくれないからだと筆者は考えます。
【03】誌面構成風に編集すると、結論までが遠い
「知りたい」の度合いによって読み方が変わる
「知りたい」「調べたい」という欲求があるから、ユーザーは検索したりお気に入りのサイトを閲覧するわけですが、興味の程度は人それぞれで異なり、ちょっとだけわかれば良いレベルから、詳細まで知りたいレベルまで、ユーザーごとに異なる「知りたい度」が存在します【04】。 この「知りたい度」が浅ければ、見出しや画像など直感的に判断できる情報から内容を判断し、YESなら遷移するし、NO なら離脱していくでしょう。 また、かなり詳細に知りたいと思えば、本文までしっかり読み込みますし、さらに詳しい関連情報はないかとサイト内を検索する場合もあるでしょう。 この、ユーザーによって異なる「知りたい度」に対応できる「読みやすさ」や「わかりやすさ」が、コンテンツの良し悪しということになります。