第3話 “電機メーカーのデザイナー”を派遣で経験 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第3話 “電機メーカーのデザイナー”を派遣で経験

2024.5.18 SAT

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転職はゴールではない 3年目の壁、5年目の転機

“仕事の壁”は誰にでもやってきます。そんなとき、ほかのみんなは、どうしているのでしょうか? このコーナーでは、今まさに壁を乗り越えようとしている人、乗り越えて一歩先に進んだ人など、クリエイティブ業界でがんばる仲間たちが登場。これまでの失敗談・成功談や現在の課題、そして将来像を語ります。今の仕事に前向きに取り組み、階段を一段登るためのヒントが得られるはずです!


第2回 株式会社セカンドファクトリー 井原亮二さんの場合


株式会社セカンドファクトリーのエクスペリエンス・デザイナー、井原亮二さん。明治大学理工学部電気工学科出身で「とにかく電化製品が好き」という彼は、派遣スタッフとして電機メーカーのデザイナーを5年間経験したのち、29歳の時にセカンドファクトリーに入社する。アプリケーション開発で注目を浴びる「エクスペリエンス・デザイナー」とは……? 自分の目指す方向につねに前向きな井原さんに、今までの軌跡や現在の仕事についてお伺いしました。


第3話 “電機メーカーのデザイナー”を派遣で経験

──まず最初にデザイナーとして派遣されたのは、系列のレコード会社もある電機メーカーだそうですね。どんなお仕事だったのでしょうか。
井原●2001年当時は、いかにコンテンツ配信によって収益を得ることができるかというサービスが盛んに始められた頃で、コンビニや駅に設置されたKIOSK端末を利用してMDへの音楽配信サービスを開発/運用するチームに派遣就業していました。自分が音楽活動をしていたということもあって音楽配信には特に興味がありましたね。いつか自分の曲もここで売ってやろうって思ってました(笑)。

──「着うた」サービスが始まる前くらいでしょうか。
井原
●そうですね。当時はまだ、iTunes Music Storeもなかった頃でしたので、そういった意味でも最先端のサービスチームでした。


──開発チームではどんなことをご担当されたんですか?
井原●担当したのは、KIOSK端末のタッチパネル画面のデザインと、その端末で再生するプロモーションビデオの編集がメインでした。諸々の開発条件に合わせて、インターフェイスのデザインを行い、毎週公開するコンテンツのオーサリングを行う作業でした。その後、Windows対応の音楽配信プレイヤーのデザインと、Flashによるモックアップ開発を担当しました。この当時デザインしたWindows対応のプレイヤーは、音楽を再生するプレイヤー部分と、楽曲リスト表示部と、プレイリスト編集部の3つのパネルで構成されていて、その3つをどう行ったり来たりさせるか、見せ方の部分でいろいろと苦労しました。その後、iTunesが出てきて、自分の中では全部分断していた3つのパネルが1画面で構成されているのを見て……やられたなぁって思いましたね


──なるほど……。それにしてもご経験がほぼなかったにもかかわらず、最先端のプロジェクトにたずさわることができたんですね。
井原●はい。まったく未経験のデザイナーでしたが、KIOSK端末の運用を四苦八苦担当していた中で運良く担当させてもらえた感じです。その後、ネットワーク端子付きオーディオの、インターフェイスデザインも担当させてもらえました


──家電がお好きということですから、それはかなり興味のある案件だったんじゃないですか?
井原●そうですね、モチベーションはだいぶ高かったですね。製品のインターフェイス開発について、もともと興味のある分野だったので、ああしたいこうしたいというアイディアもたくさんありました。でも同時に技術的制限によって、アイディアの実現ができないという経験もここでしました。今だったら、別の技術で実現できるのだろうなと思うことも結構あります。

───次に派遣として行かれたのも、別の電機メーカーですね。
井原●そうですね。ここではさらに専門的な機器のGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)開発にたずさわりました。計測機器や医療診断装置、製造装置など……かなり専門的でした。デザイン部署での業務だったので、技術を企画/設計している開発者の方々に、「誰がどのように使用するものなのか?」という要件をヒアリングしていきながら、コンセプトを固めてデザインしていく仕事でした。

───かなり専門的な分野ですね。
井原●一般のユーザーが普通は目にする事のない専門性ですね。もちろん私自身も初めて目にするものばかりでしたので、開発者が意図する内容を汲み取れるスキルが要求される仕事でした。「デザイン」=「設計」という意識での仕事は、この頃からやり始めた感じですね。携帯電話で操作するBREWアプリケーションや大型ディスプレイを使用する監視システムなど、大小様々な環境に対するユーザビリティ検討についても大変勉強になりました。

(取材・文:草野恵子  撮影:栗栖誠紀)

株式会社セカンドファクトリー
http://www.2ndfactory.com/
「アプリケーションに“おもてなし”の心を」を掲げ、システムやサービスを利用する際の“体験価値”をデザインするセカンドファクトリー。ますますニーズが増加しているRIA開発に特化し、設計からコンサルティングまで独自の構築プロセスに基づき、幅広く手掛けている。アドビシステムズ株式会社、日本オラクル株式会社、マイクロソフト株式会社のベンダーパートナーでもある。


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次週は「第4話  Flexとの出会いが、さらなる転機に。」についてお届けします。
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