コンセント、USB、Type-C、さらにスタンド機能まで備えた“全部入り”電源タップ~Hamee「humor」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
スマホにタブレット、デジカメ、ゲーム機と、充電が必要なデバイスがあふれる昨今。追加を重ねた電源タップやUSB充電器で身の回りが埋まっていて、いずれ整理をしようと思っているけどなかなかそのきっかけが掴めない人も多いはず。
こうした場合にお勧めできるのが、今回紹介する「humor」です。これは、デスク上に据え置きで設置することを前提に設計されたUSBポート付きの電源タップで、クラウドファンディングで出資を募ったところ、目標額の16倍もの金額を集めたという逸話を持つ製品です。
スタンド機能がついたタップやアダプタは他にもありますが、本製品は、ボディをやや傾けた形状にすることで、直接立て掛けられる仕組みを採用しています。最近のスマホやタブレットは、底面に充電用のポートを備えることが多いため、横向きに立て掛けることになりますが、それゆえ充電しながら動画を鑑賞するなどの用途にもぴったりです。
試した限りでは、設置可能なサイズの上限となるのは7~8インチ程度までで、それ以上になるとバランスが悪くなるようです。もっともこれは、デバイスを載せる底部のアルミプレートが滑りやすいのも要因なので、滑り止めシートを敷くなど工夫をすれば、もう少し大型のデバイスも立て掛けることができ、かつ安定感も増すはずです。
しかし本製品の場合、この背面にコンセントが3個用意されていることで、そうした機器もオールインワンで接続できるというわけです。スマホの急速充電に対応した専用アダプタなどは背面につなぎ、単に給電だけ行えればよいデバイスは正面のUSBポートにつなぐといった具合に、役割を分けつつ使い分けることができます。
ちなみに前面のUSB×4は最大5V/2.4A、USB Type-C×1ポートは最大5V/3.0Aで、トータルでは上限が6Aまでとなるので、タブレットを複数台つなぐような場合はパワー不足になる可能性がありますが、そうした場合も出力を食う一部のデバイスを背面コンセントに回すなど、なにかと融通が利きます。
また、使い方によっては気になるかもしれないのが、テーブル上に固定する仕組みが用意されていないことです。同種の製品では、磁石を使ったり、あるいは万力で天板に挟んだりと、がっちり固定する仕組みを採用している製品もありますが、本製品は底面に滑り止めのゴムが付いているだけで、基本的にはテーブル上にそのまま置くだけになります。
スマホやタブレットのスタンドとして使う以上、場所が固定されてしまっては逆に困るという理由によるものでしょうが、前面背面ともに多くのケーブルやアダプタを接続する上、電源ケーブルがかなり太いため、引っ張られて場所が移動することは少なからずあります。がっちりと固定して使いたい人は、別の製品にあたったほうがよいかもしれません。
今回紹介したホワイトのほかにブラック、さらに特徴的なマスタード色のカラーバリエーションなど、いい意味でOA用品らしくないルックスのこの製品、デザイン系のショップなどで取り扱いがあったりと、販路もややユニークです。配線がタコ足になってしまっている人は、本製品を導入して、デスク周りをスッキリさせてみてはいかがでしょうか。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.01.15 Tue