これからWi-Fiルータを買うなら「メッシュ対応」を選ぶべし、その理由は? | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

これからWi-Fiルータを買うなら「メッシュ対応」を選ぶべし、その理由は?

2019.6.16 SUN

ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ 
これからWi-Fiルータを買うなら「メッシュ対応」を選ぶべし、その理由は?~Synology「MR2200ac」「RT2600ac」レビュー
2019年05月21日
TEXT:山口真弘(ITライター)

自宅内でWi-Fiを使っていて、ほとんどの部屋ではアンテナがしっかりと3本立っているのに、ある部屋だけは2本や1本で、なかなかページを表示できないことはよくあります。

特に家庭用のWi-Fiルータは、法人用の製品に比べて電波の出力がそれほど強くありませんので、壁を挟んだ隣の部屋や、1階にWi-Fiルータを設置している場合の2階などで、こうした傾向が顕著です。

こうした環境を劇的に改善してくれるのが、最近続々と登場しつつある、メッシュルータと呼ばれる製品です。今回は、Synologyが販売しているメッシュルータ「MR2200ac」および「RT2600ac」を例に、どのような製品で何が特徴なのかを紹介します。
「RT2600ac」。メッシュに対応、有線4ポートを搭載した高性能Wi-Fiルータです

「RT2600ac」。メッシュに対応、有線4ポートを搭載した高性能Wi-Fiルータです

付属品一覧。アンテナは外付けで別パーツとして同梱されています

付属品一覧。アンテナは外付けで別パーツとして同梱されています

「MR2200ac」。メッシュに対応、スッキリした外観が特徴のWi-Fiルータです

「MR2200ac」。メッシュに対応、スッキリした外観が特徴のWi-Fiルータです

こちらはRT2600acと違ってアンテナ内蔵ということで、付属品もシンプルです

こちらはRT2600acと違ってアンテナ内蔵ということで、付属品もシンプルです

メッシュルータは、外観こそ一般的なWi-Fiルータと変わりませんが、メッシュ(網の目)という呼び名から分かるように、複数のWi-Fiルータを組み合わせて、すみずみまで電波を届きやすくすることを前提に設計されていることが特徴です。

冒頭の例で言えば、アンテナが2段階もしくは1段階しか立たない部屋に、2台目を設置することで、電波がどの部屋にもまんべんなく行き渡るようになります。また一軒家であれば、すでに1階に設置済みの1台目に加え、2階に2台目を設置することで、1階でも2階でもWi-Fiが快適に利用できるようになります。構成によっては、さらに台数を追加することも可能です。

これまでは特定の部屋で電波が届きにくい場合、中継器を導入する方法がありましたが、この場合は、Wi-Fiルータが親機、中継器が子機という、明確な上下関係がありました。これに対してメッシュルータは、便宜上、1台が光回線など外部回線との窓口になりますが、機器はいずれもWi-Fiルータそのもので、関係もフラットです。

フラットな関係で、相互のやり取りも専用チャンネルで行うため、中継器のように中継データそのものが帯域を圧迫して速度が下がることもありません。またそれぞれがルータであるため負荷が分散されるという副次効果もあり、結果としてパフォーマンスの向上も見込めます。中継器を使った場合のように、つながるようにはなったものの電波は弱いままという症状が起こりにくいのが、メッシュルータの特徴です。

なお新たにメッシュルータを追加した場合も、これまで使っていたのと同じSSIDをそのまま利用しますので、接続先のスマホやタブレット、ノートPCなどのデバイスで、ネットワーク設定を追加で行う必要もありません。最近はスマートスピーカーの普及に伴い、ひとつのネットワーク内に10台以上のWi-Fiデバイスがあることも珍しくありませんが、そうした場合でも、負担がかかりにくいのは嬉しいところです。
手前が「RT2600ac」、奥の2台が「MR2200ac」。台数は自由に増やせます

手前が「RT2600ac」、奥の2台が「MR2200ac」。台数は自由に増やせます

離れた部屋に設置することで電波の到達範囲を広げつつ、負荷も分散できます

離れた部屋に設置することで電波の到達範囲を広げつつ、負荷も分散できます

導入方法は、最初の1台は従来のWi-Fiルータと変わりません。2台目以降は、それらをメッシュネットワークに参加させることを1台目のルータ側で設定したのち、該当の部屋に持ち込んで電源をつなぐだけです。今回の例では、2種類あるルータのうち、有線ポートが多く拡張性の高い「RT2600ac」を1台目にし、そこに「MR2200ac」を追加していますが、関係そのものは前述のようにフラットです。

ルータ間の通信は、前述のように専用チャンネルを使って無線で行われますので、両者をLANケーブルなどでつなぐ必要はありません。そのため、LANケーブルを敷設しにくい部屋に導入するのも簡単です。逆にいうと、電波がまったく届かないほど、両者の距離が離れているのはNGです。

設置が完了したあとは、デバイスを持って室内を移動すると、必要に応じて最寄りのWi-Fiルータに接続が切り替わります。同じSSIDを使っていることもあり、いったん通信が途切れて再び再開されるのではなく、シームレスに切り替わるので、使っている側はまったく意識しなくて済みます。
ウェブブラウザで1台目のルータの設定画面を開き、2台目以降を追加します

ウェブブラウザで1台目のルータの設定画面を開き、2台目以降を追加します

2台目以降のルータ(Wi-Fiポイント)の名前を付けて追加を実行します

2台目以降のルータ(Wi-Fiポイント)の名前を付けて追加を実行します

追加完了。設定を行っている1台目のルータ(SynologyRouter)と、新たに追加した2台目のルータ(MR2200AC)に接続されているデバイス数、速度などが表示されます

追加完了。設定を行っている1台目のルータ(SynologyRouter)と、新たに追加した2台目のルータ(MR2200AC)に接続されているデバイス数、速度などが表示されます

例えば筆者の自宅の場合、3つある部屋のうち南端の部屋にWi-Fiルータを設置していますが、各部屋の扉を閉め切った状態で、北側にある残り2つの部屋の窓際まで行くと、電波が弱くなる傾向がありました。しかし本製品を北側の部屋に設置すれば、自宅内のどこにいても、Wi-Fiのアンテナが常時3本立っている状況を作り出せます。

また、入浴しながらバスルームで動画を見たいけれども、厚い壁で仕切られているせいか、電波が入らずたびたび再生が途切れる……というケースでも、バスルームの入り口近くに本製品を追加すれば、スムーズな受信が可能になります。このように、特定の場所だけピンポイントで電波環境を改善したい場合に特に役立ちます。

ちなみに今回紹介しているSynologyの製品であれば、それぞれのWi-Fiルータに何台のデバイスが接続され、どのくらいの速度で通信できているかを、ブラウザ上の管理画面上で確認できます。性能テストを行うためのツールを使えばルータ間の通信速度も確認できますので、置き場所を変えつつ繰り返しテストを行うことで、最適化が容易に行なえます。
各ルータのステータスをまとめて見られる管理画面。見やすさと分かりやすさは同種製品の中でもトップクラス。ちなみにスマホ向けの画面(アプリ)も用意されています

各ルータのステータスをまとめて見られる管理画面。見やすさと分かりやすさは同種製品の中でもトップクラス。ちなみにスマホ向けの画面(アプリ)も用意されています

以上、メッシュルータの利点をざっと紹介しましたが、さすがにワンルームや1DKでは、複数台のメッシュ対応ルータでメッシュ環境を作る必然性は感じられません。ワンルーム住まいだけど、最近話題になっているメッシュルータのセットをモノは試しに買ってみた……というのは、いくらなんでも宝の持ち腐れです。

しかしWi-Fiルータを購入するにあたって、将来的な拡張を見越して、メッシュ対応の製品を導入しておくのは賢い選択といえます。特に個人事業主やSOHOの場合、新たに事務所を借りたり、手狭になって事務所を移転することはよくあるだけに、メッシュ対応の製品を選んでよかった、となることは多々あるでしょう。

なかでも、今回紹介しているSynologyのメッシュルータは、あらかじめ複数台がセットになっているわけではなく、1台ずつ追加していけるタイプなので、メッシュが確実に必要となるか分からない環境に導入するには最適です。

Wi-Fiルータの乗り換えは、さまざまな設定項目の引き継ぎなど面倒なことが多く、なるべく継続して使いたいもの。新しくWi-Fiルータを購入する場合、やむなく買い替えなくてはいけなくなった場合は、「メッシュ対応」であることを、ひとつの条件にしてみてはいかがでしょうか。

「RT2600ac」は4台の有線LANポートを備えるほか、USBポートにハードディスクを接続してNASとして使えるなど、豊富な機能が売りの製品です

「RT2600ac」は4台の有線LANポートを備えるほか、USBポートにハードディスクを接続してNASとして使えるなど、豊富な機能が売りの製品です

製品名:MR2200ac
実売価格:14,661円
発売元:Synology
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B07MNK6TTD/

製品名:RT2600ac
実売価格:24,400円
発売元:Synology
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B073TTZTK3/

[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
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