E Ink電子ペーパー採用でより使いやすく、ToDo機能も搭載した6型電子ノート | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

E Ink電子ペーパー採用でより使いやすく、ToDo機能も搭載した6型電子ノート

2019.12.13 FRI

ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ 
E Ink電子ペーパー採用でより使いやすく、ToDo機能も搭載した6型電子ノート~シャープ「WG-PN1」レビュー
2019年11月12日
TEXT:山口真弘(ITライター)

最近はビジネスの会議や打ち合わせの席でスマホやタブレットを使ってメモやノートを取るのも一般的になってきましたが、そうした席でスマホを取り出してポチポチやっていると、なにやら遊んでいるように誤解されるという、笑うに笑えない問題も一部にあります。

またそれ以前に、私物のツールをビジネスに持ち込むこと自体、許可されていない会社もあるでしょうし、仮にその点は問題なかったとしても、もっと紙のシステム手帳を使う感覚に似た、手書きでメモを取れる製品がほしい人もいるのではないでしょうか。

こうしたニーズにぴったりなのが、シャープの電子ノート「WG-PN1」です。11月14日に発売されるこの製品、今回はメーカーから発売前の試作機を借用しましたので、どんな製品なのか、従来モデルとどこが変わったのかをチェックします。
6型の電子ノート本体に、手帳風のカバーとスタイラスがセットになっています

6型の電子ノート本体に、手帳風のカバーとスタイラスがセットになっています

システム手帳と同じ感覚で持ち歩けます。重量は210gと、スマホ1台分強という軽さ

システム手帳と同じ感覚で持ち歩けます。重量は210gと、スマホ1台分強という軽さ

このシャープの電子ノートシリーズは、2013年に初代の「WG-N10」が登場して以来7年もの歴史を持つ、この種のデバイスとしてはロングセラーに当たる製品ですが、従来のモデルには共通して、モノクロ液晶の画面が暗いという大きな問題がありました。

筆者自身、初代の頃から興味はあったのですが、まるで90年代のDSTN液晶を思わせる暗さがどうしてもネックで、実際に使ってみようという気になりませんでした。ところが今回の新製品は、液晶に変えてE Ink電子ペーパーを採用したことで、まるで別物のように画面が明るく、見やすくなりました。

電子ペーパーと言えば、一般的に液晶に比べるとレスポンスは決して早くはありませんが、本製品を使って手書きでメモを取るスピードは、タブレットを使った場合のそれと大差はありません。写真で見ると、従来モデルとの明るさの違いは一目瞭然です。
従来モデル(WG-S50)との比較。E Ink採用で画面が劇的に明るく、見やすくなりました

従来モデル(WG-S50)との比較。E Ink採用で画面が劇的に明るく、見やすくなりました

視野角も広く、利用中もストレスがありません。画面直下の凹みは電源ボタン

視野角も広く、利用中もストレスがありません。画面直下の凹みは電源ボタン

画面最下段のメニューバーから「Schedule」「Notebook」「To Do」を切り替えます

画面最下段のメニューバーから「Schedule」「Notebook」「To Do」を切り替えます

E Inkデバイスとしては一般的な薄さ。充電しなくとも10日程度持つスタミナも魅力

E Inkデバイスとしては一般的な薄さ。充電しなくとも10日程度持つスタミナも魅力

画面のサイズは6インチということで、AmazonのKindleなど、読書用の電子ペーパー端末とはほぼ同じサイズです。重量は約210gと、リフィルをたくさん挟み込んだシステム手帳に比べてずっと軽量で、それでいて最大7000ページの手書きデータも保存できます。ちなみに前述の初代モデルは1000ページだったので、実に7倍もの量になった計算です。

ところで本製品の特徴は、通信機能を搭載せず、単体ではネットワークに接続できないことです。これは不便と捉える人もいるでしょうが、私的デバイスの持ち込みを禁じている会社でも、この特徴をアピールすれば、許可が得られる可能性もあるので、必ずしもマイナスばかりとは言えません。ノートを画像としてPCに書き出す時も、USBでの有線接続となるため、ネットワーク経由の不正アクセスによる漏洩の心配もありません。

また画面ロックの設定や、暗証番号の入力に10回失敗すると翌日まで利用できない仕組みなど、盗難や紛失の対策もしっかり用意されています。万が一にでも他人に見られると困るノートやスケジュールは、スマホを使わずに本製品で管理するというのも、ひとつの手かもしれません。
同じ6型E Inkパネルを搭載するKindle(右)との比較。フロントライトは搭載しません

同じ6型E Inkパネルを搭載するKindle(右)との比較。フロントライトは搭載しません

付属のスタイラスで手書き入力ができます。感圧式パネルなので充電は不要です

付属のスタイラスで手書き入力ができます。感圧式パネルなので充電は不要です

E Inkならではの画面リフレッシュ機能も搭載しますが、実際にはそれほど気になりません

E Inkならではの画面リフレッシュ機能も搭載しますが、実際にはそれほど気になりません

最大7000ページ(ノート5000+スケジュール1000+ToDo1000)も保存できます

最大7000ページ(ノート5000+スケジュール1000+ToDo1000)も保存できます

さて肝心の機能についてですが、本製品の機能は「ノート」「スケジュール」「ToDo」の3つに大別されます。1つ目の「ノート」はその名の通り、罫線の入ったページを表示し、手書きでノートを取ることができる、本製品の中核をなす機能です。

ノートにはさまざまなテンプレートが用意されており、目的に応じて呼び出して使えます。リフィルが選び放題のシステム手帳と考えると、紙の手帳を愛用するユーザーの中には、魅力的に感じる人も多いのではないでしょうか。ペン先などの種類も豊富です。
多数のテンプレ―トを搭載。ノート以外にスケジュールにも同様にテンプレがあります

多数のテンプレ―トを搭載。ノート以外にスケジュールにも同様にテンプレがあります

ペンやマーカーなどの種類も充実。直線や円、四角形のほか、スタンプも利用できます

ペンやマーカーなどの種類も充実。直線や円、四角形のほか、スタンプも利用できます

会議ノートなど、ビジネス向けのさまざまなテンプレートを選んで使えます

会議ノートなど、ビジネス向けのさまざまなテンプレートを選んで使えます

白紙のテンプレートを使用中。手書き文字に限らず表現方法は多彩です

白紙のテンプレートを使用中。手書き文字に限らず表現方法は多彩です

2つ目の「スケジュール」は、その名の通り予定を書き込んで管理する機能ですが、カレンダーを開いて予定を書き込むのではなく、まず月間スケジュールや週間スケジュールといったテンプレートをもとに、新しいスケジュール帳を作るところから始めるのが特徴です。

例えば、再来月末まで2ヶ月におよぶプロジェクトがあれば、テンプレートを選んだあとに、期限を次月末までに設定することで、新しいスケジュール帳が作成されます。目的に合わせたシステム手帳向けのスケジュールシートを、必要な期間ごとに買い足していくイメージです。
スケジュール。これは半月分のスケジュールを表示できるテンプレートを使用

スケジュール。これは半月分のスケジュールを表示できるテンプレートを使用

こちらは3日分のスケジュールが表示できるテンプレ。行動予定をまとめるのに適します

こちらは3日分のスケジュールが表示できるテンプレ。行動予定をまとめるのに適します

3つ目の「To Do」は本製品で新たに加わった機能で、縦に並んだリストにタスクを記入し、終わったらチェックボックスにチェックを入れて消し込むというシンプルな機能です。スケジュールやノートのような複数のテンプレートは用意されず、この1種類のみです。

紙で管理する場合との違いは、この完了済みタスクを、処理済みのページに行単位で移動できることです。見た目が紙のノートに近いにもかかわらず、デジタルならではの動きも可能という、紙とデジタルのいいとこ取りをしたような機能です。

スケジュールやノートへの移動も行えるので、それらの補完機能としても秀逸です。なにより使いやすいタスク管理ツールとして、むしろこの機能だけを単体でほしい人も多いのでは? と、今回使ってみて感じました。
To Doリスト。チェックおよびスターマークがつけられます。フォームは1種類のみ

To Doリスト。チェックおよびスターマークがつけられます。フォームは1種類のみ

チェック済タスクを完了ページに移動させてリスト上は非表示にすることも可能です

チェック済タスクを完了ページに移動させてリスト上は非表示にすることも可能です

本製品でやや残念なのが、E Inkデバイスでは一般的になりつつあるフロントライトを搭載しないため、プロジェクターを使うために薄暗くした会議室など、暗いところで使えないことです。本製品のタッチパネルは静電容量式ではなく感圧式なので、実装は難しいのかもしれませんが、暗所で読み書きできる仕組みは何かしら欲しいところです。

また今回のモデルでは、画面最下段に「Schedule」「Notebook」「To Do」と書かれたメニューバーが新設され、これらをタップすることで各機能のトップに移動できるようになったのですが、画面の端ということもあってか、反応はイマイチです。タッチパネルが感圧式ゆえの弱点で、何度か繰り返し押さないと反応しないこともしばしばで、このあたりが(メニューバーの配置も含め)もう少し整理されれば、さらに使い勝手がよくなりそうです。
カレンダーを使えば、過去のノートを日付から呼び出すのも簡単です

カレンダーを使えば、過去のノートを日付から呼び出すのも簡単です

各データの書き出しやバックアップなどの機能も充実。PCへの転送はUSBで行います

各データの書き出しやバックアップなどの機能も充実。PCへの転送はUSBで行います

ともあれ、紙の使い勝手をデジタルに移植したツールとして見ると、よくできているなというのが率直な感想です。なんでもできる「全部盛り」のデバイスではなく、意図的に機能を絞り込んだデバイスであるせいで、スマホなどの汎用デバイスと比較するとアレもない、コレもできないとなりがちですが、本製品はそうした方向性の製品ではなく、紙派を満足させるべく工夫された現在の仕様こそが正解だと思えます。

従来の画面が暗いモデルは個人的にはちょっとおすすめしづらかったのですが、今回のモデルは完成度も高く、十分におすすめできる出来です。店頭で見かけたらチェックしてみてください。
製品名:WG-PN1
実売価格:25,080円
発売元:シャープ
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B07ZT4731M/
[筆者プロフィール]
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
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