紛失防止を突き詰めるとこうなる? 変わったカタチのUSBメモリ「ルループ」~エレコム「l'loop」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
USBメモリが登場してそろそろ20年になろうとしていますが、USBメモリのキャップの紛失しやすさは、その間ずっと変わらぬ課題だったと言えます。USBメモリを使い終わってPCから抜き、さあポケットに入れようとしたところ、傍らに置いたはずのキャップが見当たらず、探し回る羽目になった、そんな経験のある人も多いはずです。
もちろん、各メーカーがまったく無策だったわけではありません。ストラップを装着できるようキャップにストラップホールをつけた製品を始め、USBコネクタを本体内に収納できる製品や、あるいは本体カバーが半回転してUSBコネクタを覆う製品など、さまざま工夫をこらした製品が登場してきました。もっともどれも一長一短で、決め手がないまま現在に至っています。
そうした「USBメモリのキャップの紛失しやすさ」という課題に、まったく別の方向からのアプローチを試みたのが、今回紹介する「ルループ」です。
キャップ部分は、大きく穴が開いた形状になっており、フックに吊るすことができます。これだけ大きければ、落下してデスクなどの下に入り込んでも、見失う確率は低いでしょう。ストラップを通したり、キーホルダーに装着しておくこともできます。
また使い方によっては、キャップ本体はバッグやキーホルダーに常時固定しておき、USBメモリ本体だけを外して使うのもよいかもしれません。サイズを小さくしようと思えばいくらでもできるところを、敢えて大きくしているのがポイントといえます。
本製品と同等サイズの超小型メモリはこれまでにも存在しますが、それらは例外なくキャップも小型であるため、本体ごとうっかりなくす危険性がありました。しかしそうなるとボディサイズの大きさゆえ、ノートPCに装着したままの持ち運びに支障をきたすという問題がありました。
その点、本製品であれば、キャップをはめた状態では紛失しづらいサイズで、かつ本体はコンパクトなため、挿したまま持ち歩くのも容易です。またキャップはパチンとはめ込むタイプで(これは長期間使っていると変わってくる可能性もありますが)かなり硬いことから、持ち歩いている時にキャップがボディから脱落する危険は低そうです。
容量は16/32/64GBの3種類で、カラーバリエーションはグレーのほかブルー、ピンク、ホワイトの計4色をラインナップしています。決して派手な製品ではありませんが、実用性とデザインを兼ね備えた製品として、これからUSBメモリの購入を考えている人に、おすすめしたいアイテムです。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.12.10 Tue