乾燥しがちなオフィスで自分だけ潤う、ペットボトルがそのまま使えるパーソナル加湿器~エレコム「エクリアミスト」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
冬場になると、何かとオフィスの空気の乾燥が気になるもの。オフィス全体の加湿は無理でも、身の回りだけは喉が乾かないように加湿を試みたい、そういったニーズにぴったりなのが、今回紹介するパーソナル加湿器「エクリアミスト」です。
発売直後から長らく品切れが続いていたこの製品、年末近くになって在庫がようやく潤沢になってきたようです。複数ラインナップされているカラーの中から、今回はホワイトモデルを紹介します。
つまり正確には「ペットボトルを加湿器に変身させるオプション」とでも呼ぶべき製品で、これならば私物の小型加湿器をオフィスに持ち込むのがためらわれる場合も、一般的なミネラルウォーターを置いているふりをして使えます。もっとも超音波式ゆえ、放出されるミストは目で見えてしまうのですが、巨大な機器をデスク上に設置するよりははるかに目立ちません。
動作音は全くなく、周囲に迷惑をかけることもありません。また、運転中は本体の側面にあるLEDが七色に点灯しますが、これもスイッチをもう一度押してオフにできますので、まぶしく感じることもありません。ちなみにLEDをオフにしていた場合でも、水が完全になくなった場合は赤いLEDで教えてくれます。
実際に使っていて気になるのは、ケーブルをつながなくてはならないがゆえの不安定さでしょう。うっかり電源ケーブルをひっかけて倒れてしまう可能性は少なからずあるため、設置場所などには工夫したいところです。手近なところにUSBポートがない場合は、モバイルバッテリーを組み合わせて近くに置き、ケーブルを引っ掛ける危険を減らすのも手でしょう。
水の減り方は緩やかで、約12時間使って500mlペットボトルの半分ほどしか減りません。これは構造上、水が減っていくに従って吸水スティックとの接触面積が減るためで、500mlペットボトルで使った場合、最後の4~5時間はチョロチョロとしかミストが出ず、また半分ほどの水位で停止してしまいます。
それゆえ利用時には、適宜水を継ぎ足し、なるべく接触面積が増えるよう配慮したほうがよいでしょう。場合によっては、500mlではなく350mlクラスのペットボトルのほうが、倒れにくさも含めて、使い勝手はよいかもしれません。
ちなみに本製品は、最大6時間のオフタイマー搭載とされていますが、筆者手元の個体はそのまま連続での運転が可能でした。むしろきちんと止まってくれたほうがありがたいのですが、このあたりの仕様は少々不明です。
保証期間は1年で、実売価格は2千円ちょっとと、やや割高な印象は受けますが、一冬に費やすコストとして考えると、月数百円ということで妥当なのかもしれません。オフィスでなるべく目立たず、狭い設置スペースで、なおかつ一定の加湿効果が得られる製品を探している人に、ぴったりのアイテムと言えそうです。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.12.24 Tue