乾燥しがちなオフィスで自分だけ潤う、ペットボトルがそのまま使えるパーソナル加湿器~エレコム「エクリアミスト」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
冬場になると、何かとオフィスの空気の乾燥が気になるもの。オフィス全体の加湿は無理でも、身の回りだけは喉が乾かないように加湿を試みたい、そういったニーズにぴったりなのが、今回紹介するパーソナル加湿器「エクリアミスト」です。
発売直後から長らく品切れが続いていたこの製品、年末近くになって在庫がようやく潤沢になってきたようです。複数ラインナップされているカラーの中から、今回はホワイトモデルを紹介します。
某SF古典映画の宇宙船を彷彿とさせる外見。そのままペットボトルに差し込んで使います
ケーブル、ペットボトル用キャップ、延長パイプ、交換用吸水スティックが付属します
つまり正確には「ペットボトルを加湿器に変身させるオプション」とでも呼ぶべき製品で、これならば私物の小型加湿器をオフィスに持ち込むのがためらわれる場合も、一般的なミネラルウォーターを置いているふりをして使えます。もっとも超音波式ゆえ、放出されるミストは目で見えてしまうのですが、巨大な機器をデスク上に設置するよりははるかに目立ちません。
ペットボトル用キャップを装着したのち、ペットボトルに上から差し込みます
転倒時の水漏れを軽減するためにも、栓を締めて固定するのは必須です
背面のポートに付属のUSBケーブルを差し込みます。これで準備は完了
前面のスイッチを押すと上部からミストが噴き出します。噴出量は調整できません
動作音は全くなく、周囲に迷惑をかけることもありません。また、運転中は本体の側面にあるLEDが七色に点灯しますが、これもスイッチをもう一度押してオフにできますので、まぶしく感じることもありません。ちなみにLEDをオフにしていた場合でも、水が完全になくなった場合は赤いLEDで教えてくれます。
実際に使っていて気になるのは、ケーブルをつながなくてはならないがゆえの不安定さでしょう。うっかり電源ケーブルをひっかけて倒れてしまう可能性は少なからずあるため、設置場所などには工夫したいところです。手近なところにUSBポートがない場合は、モバイルバッテリーを組み合わせて近くに置き、ケーブルを引っ掛ける危険を減らすのも手でしょう。
内部構造。吸水スティックが水を吸い、それを本体で気化させて噴出する構造です
吸水スティックを交換中。延長パイプを使ってボディを長くすることもできます
側面LEDは7色に点灯します。特定の色だけで点灯させることも可能です
水がなくなると運転を停止し、LEDが(オフにしていても)赤く光って知らせてくれます
水の減り方は緩やかで、約12時間使って500mlペットボトルの半分ほどしか減りません。これは構造上、水が減っていくに従って吸水スティックとの接触面積が減るためで、500mlペットボトルで使った場合、最後の4~5時間はチョロチョロとしかミストが出ず、また半分ほどの水位で停止してしまいます。
それゆえ利用時には、適宜水を継ぎ足し、なるべく接触面積が増えるよう配慮したほうがよいでしょう。場合によっては、500mlではなく350mlクラスのペットボトルのほうが、倒れにくさも含めて、使い勝手はよいかもしれません。
ちなみに本製品は、最大6時間のオフタイマー搭載とされていますが、筆者手元の個体はそのまま連続での運転が可能でした。むしろきちんと止まってくれたほうがありがたいのですが、このあたりの仕様は少々不明です。
標準的なパイプの長さだと、500mlの半分ほどを使い切るのに約12時間かかります
水位が下がると側面の穴からフィルタに染み込む水が減り、気化できる量が減ります
正面ボタンでは電源オンオフのほかLED色の変更、間欠モードへの切り替えなどが行えます
電源ポートはUSB(microB)。市販のケーブルと交換して延長することも可能です
保証期間は1年で、実売価格は2千円ちょっとと、やや割高な印象は受けますが、一冬に費やすコストとして考えると、月数百円ということで妥当なのかもしれません。オフィスでなるべく目立たず、狭い設置スペースで、なおかつ一定の加湿効果が得られる製品を探している人に、ぴったりのアイテムと言えそうです。
先端の直径は約2cm。径によっては挿入できないペットボトルもあるので要注意です
コップと組み合わせることもできます。安定感はむしろこちらのほうが上かも?

山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn